浜崎 議員の質問と答弁 | ||
○35番(浜崎太郎)登壇 みらい福岡市議団の浜崎太郎です。このたび、4月の選挙におきまして、この栄誉ある福岡市議会に議席をいただき、初の議会で質問の機会を得ましたことは、まことに光栄であります。今から福岡市政繁栄のために、しっかり地に足をつけ、責任を全うしていく所存でございますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。 私は、西鉄雑餉隈駅周辺のまちづくりについて、障がい者施設と高齢者施設の合築についての以上2点につきまして質問をいたします。当局の明確な御答弁を期待いたします。 それでは、第1点目といたしまして、西鉄雑餉隈駅周辺のまちづくりについて質問をいたします。 雑餉隈駅周辺には踏切が多く、生活道路もとても狭く、駅にアクセスする幹線道路もありません。また、銀天町商店街を代表に、昔ながらの個人商店が数多くありますが、郊外の大型商業施設の開業で、年々個人消費も伸び悩み、地域の活性化が課題でありました。そこで、平成19年3月には地元発展期成会より、西鉄天神大牟田線雑餉隈駅の高架化について、市当局に要望書を出されておりましたが、おかげさまで先輩議員や地元関係の御努力もあり、多くの地元住民が待ち望んでいた雑餉隈駅付近の連続立体交差事業が平成22年7月に事業着手され、雑餉隈に住んでおります私を初め、地元の皆さまも大いに喜んでおられます。連続立体交差事業は、踏切をなくすことにより、踏切事故や交通渋滞の解消につながり、また、これを契機として、鉄道で分断されていた地域同士が一体となり、新しいまちが形成され、活性化が促進されるものと大いに期待しているところであります。しかしながら、この事業は数年で終わるような工事ではございません。鉄道が高架化になるまでには、今から10年程度は要すると聞いておりますが、確認したいと思います。 そこで、西鉄天神大牟田線雑餉隈駅付近連続立体交差事業の平成22年度末までの進捗状況及び今後のスケジュールについて質問いたします。 次に、障がい者施設と高齢者施設の合築についてお伺いいたします。 障がい者グループホーム及びケアホームについてですが、私が勤めていた社会福祉法人では、一戸建ての障がい者グループホームを1カ所運営しており、現在、5人の成人男性が共同生活を行っております。福岡市では、ノーマライゼーションの理念のもと、地域での生活基盤として、グループホーム及びケアホームの整備を促進することとされていますが、グループホームの整備は計画どおりには進んでいないと聞いています。先ほど申し上げた障がい者グループホームの開設に当たっては、その建物は、以前ほかの社会福祉法人が運営する障がい者ケアホームであったこと、世話人を校区の子ども育成連合会に精通している方や、公民館で事務経験のある方にお願いしていること、さらには、大家の方がグループホームの隣に住み、常日ごろから町内会役員を引き受けておられることから、近隣の方々とも顔見知りであるなど、地域の理解が得やすい条件が整っておりました。それでも、設置責任者であった私は、地域の方々にあいさつ回りを行うなど、細心の注意を払いようやくグループホーム開設にこぎつけました。開設後、真夜中の対応などいろいろと小さな問題はありましたが、これまで運営に支障を来すようなこともなく、生活できていると思っています。実はあと1カ所、障がい者グループホームの開設が考えられていますが、今回の経験から、開設に当たっては、地域の方々に受け入れられるような条件を満たすことが肝要だと痛感しております。現在、福岡市では国の制度に加えて、グループホーム開設時には市独自の補助制度を設けていただいていることにより、以前よりも資金面では開設しやすい状況にはあります。しかしながら、整備がなかなか進まないのは、資金面の問題だけではなく、地域の方々の理解が得られにくいことにも原因があるのではないかと思います。 そこで、まず、先ほど篠原議員もお聞きになられましたが、福岡市の障がい福祉計画において、障がい者グループホームとケアホームを平成23年度末までに585人分整備するとされていますが、過去3年間の各年次の整備状況と現在の状況を教えてください。また、特別養護老人ホームについては、平成23年度は402人分の整備に着手されるとのことですが、現在の整備状況と今後迎える超高齢化社会を考え、24年度以降の整備の方向性はどうなっていくのかを教えてください。 以上、1問目を終わり、2問目以降は自席にて質問をさせていただきます。 ○議長(森 英鷹) 井上道路下水道局長。 ○道路下水道局長(井上隆治) 西鉄天神大牟田線雑餉隈駅付近連続立体交差事業の進捗状況及び今後のスケジュールについてお答えいたします。 本事業は、平成22年7月に都市計画事業の認可を得て、現在、地権者の皆さんを初めとする関係者の方々の御理解を得ながら、本格的な用地買収を行っております。平成22年度末での進捗状況につきましては、用地買収が契約件数ベースで約36%となっております。今後のスケジュールにつきましては、平成26年度までに既設線路の上部にある九州電力の高圧送電線が高架工事に支障となるため、線路横の側道の地下に移設した後に、本格的に鉄道高架工事に着手いたします。また、鉄道の高架切りかえにつきましては、福岡県施行の春日原〜下大利間連続立体交差事業と同時の平成32年度を予定しております。以上でございます。 ○議長(森 英鷹) 井ア保健福祉局長。 ○保健福祉局長(井ア 進) まず、障がい者のグループホーム、ケアホーム整備の進捗状況につきましては、平成20年度は15人分、平成21年度は45人分、平成22年度は20人分を整備し、平成23年4月1日現在で334人分が整備済みとなっております。 次に、特別養護老人ホームの整備状況につきましては、平成22年度末現在の定員は3,771人であり、平成23年度末には3,994人を見込んでおります。また、平成23年度は402人分の整備に着手することから、平成24年度末の定員は4,396人を見込んでおります。また、平成24年度以降の整備の方向性に関しましては、高齢者の実態調査及び特別養護老人ホームの利用申込者実態調査の結果を踏まえまして、平成23年度に策定いたします福岡市高齢者保健福祉計画の中で検討してまいります。以上でございます。 ○議長(森 英鷹) 浜崎太郎議員。 ○35番(浜崎太郎) まず、西鉄雑餉隈駅周辺のまちづくりについてですが、連続立体交差事業の用地買収が順調に進んでいることを確認でき、安心いたしました。私としても、地域の皆さんと事業の進捗に協力してまいりたいと思いますので、当局におかれましては事業推進に御尽力いただきますよう、よろしくお願いいたします。 さて、私は、地元商店街の理事とまちおこし実行委員会の委員長を6年務めております。おかげで商店街の長老の皆さんから、たくさんのお話を聞く機会があります。昭和30年ごろから40年代にかけて、商店街は急速に栄え、商品を仕入れることさえできれば、物は右から左へと売れていったと以前の理事長が言われておりました。歳末ともなれば、商店街は人であふれ返り、歩くことさえ困難だったそうです。日本が高度成長を続け、国民はテレビ、冷蔵庫、洗濯機の三種の神器を手にすると、次はマイカーブームを迎えました。この車社会の出現で、人々はベッドタウンに住み、郊外に生活の拠点を求めました。このような環境の中、商店街は何とか今まで営業を続けてまいりました。今現在の商店街は、商売だけではなく、地域コミュニティの核として、消費を担い、労働を提供し、衛生医療を充実させ、住民情報を発信し、祭りやイベントなどを開催し、住民が相互にかかわり合うことができる役目を負っています。今進められている鉄道の高架化とあわせて、雑餉隈駅周辺の商店街を中心としたまちづくりが進んでいくと、地元住民はとても期待しています。これまでも地域が主体となって再開発事業などの検討がなされましたが、事業採算性などの問題からうまくいかず、いまだ何もまちづくりの方向性が定まっていない状況にあります。まちづくりは、地元の合意形成などにとても長い期間を要すると感じています。だからこそ、鉄道が高架に切りかわるときがまちも一緒に変わるときであり、このときに向けてまちづくりも進めていくべきであると考えております。何かしらの対策案を今後しっかり打ち出して、まちづくりの機運を高めていくことが重要であると考えております。鉄道高架事業の進捗に合わせ、地域の特性や課題に応じたまちづくりを推進するためには、地域と行政がそれぞれの長所や、知恵と発想を生かし、相互に連携を図りながら、魅力と個性あるまちづくりを推進していくことが必要だと考えておりますが、当局の御所見と取り組み内容についてお伺いをします。 次に、障がい者施設と高齢者施設の合築についてですが、私の勤めていた障がい者施設では、高齢者用のお弁当を製造して、1軒1軒、車で施設利用者である知的障がい者と一緒に配達をしています。そこで私は、心優しい知的障がい者と高齢者の方の相性がとてもよいことに気づきました。彼らは、きょうは何てあいさつしようか、またお菓子くれるかななどと、いつも高齢者のことを思いやりながら接しています。私は、知的障がいがある彼らと高齢者が触れ合う時間を何とか確保できる工夫ができないか、常々考えておりました。昨年、その私が勤めていた法人が小規模多機能型居宅介護施設を、また、ことしになって特別養護老人ホームを開設したのですが、同じ法人内でもなかなか障がい者と高齢者との接点の場を設けることができていません。そんなあるとき、新聞で障がい者グループホームと有料老人ホームを合築した施設を紹介する記事を目にしました。その施設は、障がいのある人たちと高齢者の方々が、フロアは違っても同じ建物内で共同生活をしています。1階にある食堂では、高齢者の横に知的障がい者が座り、雑談をしながら一緒に食事をする。そこには、時間に追われることなく、お互いがよい意味でかかわり合いながら、比較的ゆったりと生活をしている空間があり、非常にすばらしい試みだと感じました。 そこでお伺いしますが、現在、市内に障がい者のグループホーム、ケアホームと高齢者施設を合築した施設はありますか。また、合築方式による具体的な整備計画はありますか、お伺いします。 以上で2問目を終わります。 ○議長(森 英鷹) 馬場住宅都市局長。 ○住宅都市局長(馬場 隆) 鉄道高架事業の進捗に合わせたまちづくりの推進についてお答えいたします。 地域の特性や課題に応じた地域主体のまちづくりを推進するためには、地域と行政がそれぞれの役割を担い、相互の連携を図りながら取り組んでいくことが重要であると認識しております。このため、福岡市では平成3年に、福岡市まちづくり推進要綱を制定し、地域住民の方々による主体的なまちづくり活動の育成や熟度に応じた段階的な支援を行っております。具体的には、まちづくりの初期段階においては、職員が地域に伺い、まちづくりの進め方や手法などを説明する出前講座を行うとともに、必要に応じ、専門的、技術的な指導、助言を行うまちづくりアドバイザーの派遣を行っております。さらに、地域住民によるまちづくり協議会が組織され、地区レベルのまちづくり構想や計画づくりに取り組む場合においては、まちづくりコンサルタントの派遣や活動費の一部助成を行っております。雑餉隈駅周辺につきましても、鉄道高架事業の進捗に合わせ、地域の魅力や個性を生かし、地域が主体となったまちづくりに向けて段階的に支援を行ってまいります。以上でございます。 ○議長(森 英鷹) 井ア保健福祉局長。 ○保健福祉局長(井ア 進) 障がい者施設と高齢者施設の合築についてでございますが、福岡市内におきましては、高齢者施設の中で障がい者の就労訓練を実施している例はございますが、住まいの場である障がい者グループホーム、ケアホームと高齢者施設を合築した施設はございません。また、現在、具体的な整備計画についても承知いたしておりません。以上でございます。 ○議長(森 英鷹) 浜崎太郎議員。 ○35番(浜崎太郎) まず、西鉄雑餉隈駅周辺のまちづくりについてですが、雑餉隈地区は三筑校区、板付校区、那珂南校区の3小学校校区が中心で、これに隣接する板付北小学校区を加えますと、この地に住む居住者の合計数は、博多区の人口の4分の1に当たる4万5,000人の人々が暮らしています。中でも世帯人員が3人以上のファミリー世帯は、博多区のおよそ3割がこの4校区に暮らしており、福岡都市圏南部地域の生活拠点とも言える地域であります。現在、当地区に隣接する大野城市、春日市の春日原駅から下大利駅間においても鉄道高架事業は行われており、あわせて駅前広場の整備や区画整理事業などのまちづくりが行われていると伺っております。また、当地区北側を通る福岡外環状道路が本年4月に全線開通し、まさに当地区の周辺環境は大きく変化しております。そして、これから迎える超高齢化社会においては、車で動くことができない市民の方々が多くなることがはっきりしており、いわゆる高齢者の買い物難民化が課題の一つとされています。宅配など必要なサービスとは思いますが、私は、できる限り高齢者の方々がみずから家の外に出向いて、地域のいろんな方々とコミュニケーションをとりながら生活できる環境が望ましいと思っております。そういった中で、駅などの交通の結節点に立地し、商業や医療など一定の生活インフラが集積している商店街が、従来以上に高齢者にとって必要なものになりつつあると考えています。このような社会情勢から、今後のまちづくりは、商店街をただ物を買う場所としてではなく、地域情報の交換の場所やコミュニティを活性化する場など、まちの機能としてとらえ生かしていくような視点が重要だと思います。当地区の鉄道の高架事業は始まったばかりではありますが、高架切りかえまでにはまだ10年以上かかります。ぜひ、一日も早く鉄道の高架化が完成するよう要望するとともに、雑餉隈駅周辺のまちづくりについても、地域住民や民間事業者と共働したまちづくりに対し、市もしっかりと取り組んでいただくよう要望をいたします。 次に、障がい者施設と高齢者施設の合築についてですが、先ほどお答えでは、福岡市ではこのような障がい者のグループホーム、ケアホームと高齢者施設の合築の試みはないとのことですが、全国に目を転じると、関東、関西では多くの実例があるようです。例えば、東京都福生市にあるウィステリア福生という施設は、年齢、障がい、ライフスタイルに応じたさまざまな生活の場所を提供するために、高齢者及び青少年等自立型住宅と障がい者グループホーム、ケアホーム並びに自立援助ホームが合築されたもので、ほかにも神奈川県川崎市にある介護老人福祉施設と障がい者通所支援施設が合築されたみやうちや、大阪市の高齢者及び障がい者の通所と生活支援の機能をあわせ持った複合施設大領地域の家であいなどがあります。子どもは子ども、高齢者は高齢者、障がい者は障がい者などとグループ分けして支援するのではなく、横断的に触れ合うことによって、縦割りでは得られないような効果をお互いに与え合うことができるのではないかという視点が生まれてくると思うのです。このことは、年齢や障がいの有無によって居場所が区別されるのではなく、多様な人々がともに支え合いながら、地域で生活する社会づくりを目指すノーマライゼーションの理念や共助の精神にも通ずるものがあります。簡単に言えば、我々が今普通に暮らしているこの環境を施設の中につくるということです。 しかしながら、平成16年2月に、当時、宮城県の浅野知事が知的障がい者の入所施設解体宣言をされたことを発端に、全国的に入所施設を解体し、グループホームで地域移行を行う動きが盛んになりましたが、肝心の受け入れる側である地域の整備が整っていないのがほとんどです。冒頭でも触れましたが、障がい者の施設を整備する上では、地域の理解が不可欠であり、高齢者施設と合築したほうが地域住民の理解が得やすいのではないでしょうか。さらに、限られた土地の有効活用という観点からも合築は効果的と言えますし、ケアの面でも共通する部分が多いのではないかと考えます。これまでの利用者の態様に応じて類型化された施設福祉の一般的な考え方を超えて、今後の地域における社会資源のあり方として、施設利用者が互いに自分を必要とされているという意識が芽生え、ひいては個々の利用者が尊厳を持って生き生きとした生活が送れるなど、副次的な効果が期待できる横断的な施設運営もあってよいのではないかと考えます。 そこで、今後、施設整備に当たっては、高齢者は高齢者、障がい者は障がい者施設と別々に整備するのではなく、合築も視野に入れた施設づくりも必要ではないかと考えますが、御所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございます。 ○議長(森 英鷹) 井ア保健福祉局長。 ○保健福祉局長(井ア 進) 障がい者施設と高齢者施設の合築の問題でございますけど、まず、本市における特別養護老人ホーム等の高齢者施設や障がい者施設の整備につきましては、民間法人による整備を進めていただいているところでございます。今、御紹介いただきました他都市におきまして、民間法人により、障がい者と高齢者の触れ合いを目的の一つとして、障がい者グループホーム、ケアホームと特別養護老人ホーム等を合築した例があることは承知いたしております。合築の効果など御意見の趣旨を踏まえまして、今後、民間法人に対する特別養護老人ホームの整備事業者募集説明会等の機会をとらえまして、高齢者施設を整備する中で障がい者グループホーム、ケアホームを初めとする障がい者施設との合築も可能である旨を広く御案内してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(森 英鷹) 島市長。 ○市長(島宗一郎) 今回の未曾有の大災害となりました東日本大震災を初めといたしまして、阪神・淡路大震災など、これまでの全国各地における大規模災害が発生した場合の行政の応急活動の状況を見てみますと、三角議員が御指摘のとおり、福岡市においても大災害が発生したときには、現役の消防職員や消防団員だけでは初動の対応が困難な事態もあり得ることが予測されると考えられます。専門的知識や技術を持ったボランティア、そして消防職員や消防団員のOBなどを有効活用した災害時の応急活動を支援する体制につきまして、今後、他都市の成果と課題なども確認しながら研究していきたいと考えております。以上です。 |
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