三角 議員の一般質問と答弁 | ||
◯36番(三角公仁隆)登壇 皆さんおはようございます。先日、新聞で発表されましたことし一年をあらわす一文字が「絆」ということで、私は改めて福岡市民の皆様の信頼を築き、市長を初めとする皆様との強いきずなをもって市勢発展のために頑張ってまいりたいと改めて感じました。よろしくお願いします。 私はみらい福岡市議団を代表して、アイランドシティ整備事業について、自動車運転手など見直しの状況について、以上2点について質問いたします。当局の明快な答弁をよろしくお願いいたします。 まず、アイランドシティ整備事業についてですが、アイランドシティについては、土地分譲が進まない厳しい状況を受け、市長は7月にアイランドシティ・未来フォーラムなる第三者委員会を立ち上げ、その後6回の会議を経て、先ごろ市長あてに提言がなされました。我が会派は9月議会でも、このアイランドシティ整備事業を取り上げましたが、市長には改めてアイランドシティの整備は市の成長戦略にとって重要な事業であること、しかしながら、土地分譲が一向に進んでいないということ、これらの現実をしっかり受けとめなければならないということを指摘した上で、質問を始めたいと思います。 同議会でも触れましたとおり、リーマンショック後、我が国経済はようやく回復への兆しが見えかけておりましたが、このたびの東日本大震災によって、生産、消費いずれの面からしても、当面の間は厳しい状況が続くことは明らかです。その後も欧州における金融危機は深刻さを増し、これに連動して円高が進むなど、我が国経済を取り巻く状況は全く不透明であります。このような中、福岡市が今後も持続的に発展していくためには、困難な道を進まなければなりません。財政規律を維持しつつ成長戦略を描くという大変厳しい道です。そのためには、アイランドシティ整備事業を推進し、広大な未利用地を新たな雇用と税収を生み出す拠点とする必要があります。にもかかわらず、アイランドシティの土地分譲の現状はどうでしょうか。私自身、東区に住む者として、アイランドシティの整備を間近に見ておりますが、土地造成が進む一方で、造成された土地では地盤がむき出しのまま、まるで荒れ地のような景色が広がっています。このような土地利用のおくれには、率直に申し上げて、いら立ちすら感じております。アイランドシティ整備事業のあり方につきましては、先輩議員から常々聞かされておりますが、これまでに相当な時間をかけて議会で議論してきたものであり、市がアイランドシティの整備を都市戦略上、真に重要な施策として位置づけているのであれば、第三者委員会で多様な御意見に耳を傾けられることも大事でしょうが、今なすべきは、分譲単価の引き下げを初め、市場が求めているものをリアルに把握し、スピーディーに実践に向かうべきではないかと考えております。 そこで、今回、市長あてになされた提言はどういった内容であり、そこには土地分譲を進める具体的な手法が盛り込まれているのか否か、また、あるのなら、どのような内容なのか、お尋ねいたします。 次に、自動車運転手などの見直し状況についてですが、我が会派はこれまでも議会の中で、本市の財政健全化のために効率的で効果的な手法として、民でできるものは民に任せるという基本的な考え方のもと、民営化や民間委託などを推し進めていくべきであると主張してきたところです。特に自動車運転手や守衛、学校用務員、調理業務員、事業系ごみ収集など、民でできるものは民に任せるとの観点から、見直しについて質問をしてきました。私はさきの決算特別委員会において、他の政令指定都市が自動車運転手の見直しに積極的に取り組んでいる状況などを紹介し、本市においても、財政健全化の観点からも積極的に見直しを進めるべきであると指摘しました。それに対し、現在、さらなる効率的な運行体制の見直しをするため、関係局及び労働組合と協議を進めているとの答弁がありました。 そこで、お尋ねしますが、自動車運転手の見直しについて現在どのようになっているのか、お尋ねいたします。 また、守衛業務については、平成21年3月議会において我が会派の平畑議員が、民間の事業所、検察庁、拘置所や本市議会棟の例を示して、本庁行政棟並びに区役所における守衛業務については、市職員でないとできない仕事ではないので、早く民間に任せるべきではないかとの質問に対し、財政局長は庁舎の秩序維持並びに個人情報が含まれている行政文書等の慎重な管理を考慮し、現在の体制で実施しているとの答弁でした。この点については、同じ3月の条例予算特別委員会において、我が会派は、税金の効率的運用を図る財政局として、守衛など民間に任せられる業務については見直しの対象とすべきであり、早期に民間委託すべきと強く要望したところです。さらに、平成21年10月の決算特別委員会において、その後の検討状況を確認したところ、財政局長は、守衛業務の今後のあり方については、現在、守衛業務検討委員会において業務内容の精査を行っているところであり、その結果や他都市の状況を踏まえて、市民の理解を得られるよう業務の見直しを鋭意進めていくと答弁をいただきました。以降、繰り返し我が会派は議会の場において、民にできることは民に任せるという考え方に立ち、守衛の見直しを進めることを提案してまいりました。さきの決算特別委員会においても、議会棟の守衛業務と同様に、行政棟の守衛業務も委託できるのではないかとの具体的な提案に対し、遅々として見直しが進んでいない点について私からも指摘をさせていただいたところです。 そこで、お尋ねしますが、守衛業務について現在どのような見直しを進めているのか、お伺いします。 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて質問をいたします。 ◯港湾局長(松本友行) アイランドシティ・未来フォーラムの提言内容についてでございますが、まず、提言の基本的な考え方といたしまして、景気低迷が長引く中、厳しい財政状況下に置かれております福岡市が、今後も持続的に発展していくためにはどうすればよいかという観点から提言がなされております。福岡市の持続的な発展のためには、選択と集中による効果的な先行投資により、都市の魅力や拠点性を高め、次世代の資産をつくり出す好循環の政策への転換が必要であるとして、福岡市全体を好循環に導くための先導的な役割となり得るアイランドシティをエンジンとして位置づけ、アイランドシティの強みを生かし、民間活力を積極的に引き出しながら、新たな拠点としての港づくり、まちづくりを推進していく必要があるとされております。その上で、洗練されたアジアを全体テーマに、アジア・世界とつながる拠点、人材育成の場やスマートコミュニティなど7つの未来像を掲げ、これらの未来像の実現に向けた4つの方針と、土地利用促進策の投入や効果的な公共投資など、方針に基づく具体的な4つの戦略が体系的に整備されております。 また、土地分譲を進める具体的な手法につきましては、企業誘致の足かせとなっている要因と市場分析に基づき、民間事業者の進出意欲を高めるためのインセンティブの付与として、企業立地促進交付金や補助金の拡充、市5工区全体を対象にした一括公募等の総合的開発方式の導入、土地購入に当たっての分割払いの導入などが提言されております。また、土地の利活用促進のため、事業用定期借地の導入についても、提言がなされております。以上でございます。 ◯財政局長(野見山 勤) 自動車運転手の見直しについてお答え申し上げます。 運転手つきの乗用系車両について、車両の集中管理などをさらに進めることによりまして、運行体制の一層の効率化を図り、平成24年度から3年間程度をめどに対象車両の3分の1程度を減車してまいりたいと考えております。 次に、守衛業務につきましては、平成24年度から本庁舎における守衛の現場業務につきまして、民間警備員により実施することで準備を進めております。以上でございます。 ◯36番(三角公仁隆) まず、アイランドシティ整備事業についてですが、批判を恐れずに申し上げるならば、アイランドシティ整備事業とは、端的に言えば土地分譲であります。身もふたもない言い方になるかもしれませんが、夢を語るだけでは事業は進まないのです。 先ほどフォーラムの提言内容について御答弁いただきましたが、その中に事業用定期借地制度の導入がありました。定期借地の導入については、広大な未利用地を抱える現状からすると、土地利用を促進する手法の一つとして、否定するものではありません。しかし、土地造成にかけた借金を返済しなければならない以上、安易な借地の活用は慎むべきであり、土地利用はやはり分譲を基本とすべきと考えます。 そこで、分譲が進まない原因について考えてみますと、アイランドシティの場合、我が会派が主張している土地価格の問題に加え、大規模な区画で分譲が計画されている点が理由の一つに挙げられるのではないでしょうか。これまでの分譲実績にしても、九州電力の変電所などを除けば、その面積はほとんどが1ヘクタール以上であります。1ヘクタールといえば3,000坪を超える広さで、おおむね小学校の広さに匹敵する広さでございます。このような大規模な用地を必要とする民間事業者といえば、倉庫業などの物流事業者に絞られると思いますが、物流業にしても景気の波の影響を受けやすく、現在の経済状況での大型投資は厳しいものがあります。大規模な区画のみによる分譲計画は、まさにバブル期の発想であると思います。一方で、よく聞くのですが、本社機能をアイランドシティに移したいとばってん、1ヘクタールも要らんもんな、二、三百坪やったらな、買えるとばってんという声を聞きます。例えば、数百坪程度の土地なら欲しいという声は実際にあるのです。それを考えると、ある一定の区画を小区画分譲専用にして、少しずつでも企業立地が目に見えるようになれば、他の民間事業者のアイランドシティへの進出意欲を刺激することとなり、大規模な区画の土地分譲への呼び水にもつながるのではないでしょうか。 そこで、提言では、土地分譲を進めるための手法として、小規模な区画での分譲について取り上げられているのか、また小規模区画での分譲について、市としてどのようにお考えになっているのか、お尋ねします。 次に、自動車運転手などの見直し状況についてですが、先ほどの答弁を聞いて、我が会派が訴え続けてきたことに対して前進しているようですので、一定の評価はしたいと思います。しかし、これで見直しが済んだのでは決してありません。民でできるものは民に任せるという観点からすると、先ほど申しました学校用務員、調理業務員、事業系ごみ収集など、まだまだ見直すべきところはあります。我が会派はリストラをしてまで見直しなさいとは決して言ってはおりません。今の職員の方々の生活はきちんと保障しなければならないのですから、退職の補充をしないという考え方をすればいいと申し上げてきているのです。また、委託することによって民間業者の企業収益となり、そのことがひいては市税の増加へ、さらには民間での雇用創出にもつながるのではないでしょうか。 先日の決算特別委員会で市長は、民間が担うことができるものは民間にゆだねるという考え方に立ち、民間の能力とノウハウを積極的に活用することによって経常経費を徹底して見直すという力強い答弁をいただきました。こういった見直しには、このようなトップの強いリーダーシップが必要であると考えます。市長の言葉をかたく信じ、さらなる見直しをされることを強く要望して、この質問は終わります。 以上で2問目を終わります。 ◯港湾局長(松本友行) アイランドシティ整備事業についてお答えいたします。 小規模区画での分譲についてのお尋ねでございますが、提言におきましては、土地利用促進策といたしまして、小規模区画での分譲については触れられておりません。市といたしましては、提言も踏まえ、企業ニーズに沿った土地利用促進策を今後速やかに実施したいと考えており、また御指摘にありました小規模区画での分譲につきましても、土地利用促進策の一つとして検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 ◯36番(三角公仁隆) アイランドシティ整備事業についてですが、我が会派が土地価格を下げてでもアイランドシティの土地分譲を進めるべきだと主張してきたのは、この厳しい経済状況の中では、事業収支だけにこだわっている今までの考え方を一変させないと通用しないというふうに思うからです。また、マーケットではアイランドシティの土地単価は高いという話をよくされております。これは平成19年度にみなとづくりエリアで民間に売却した際の平米単価13万円というのが固定価格のように思われているからではないでしょうか。今、売却するとしたら、評定や鑑定などで13万円より安い価格になるはずです。市は実勢を踏まえた土地価格で分譲するということをもっとしっかりとアピールしていくべきではないでしょうか。一時的には収支を悪化させたとしても、売却が進むならば、企業立地による税収が生じ、さらには雇用や消費とも結びつき、本市経済と財政に好循環が生み出されるはずです。1問目の答弁にあった提言内容は、まさに我が会派がさきの議会で既に指摘していたところであり、要は市の姿勢、覚悟であると思います。選挙のたびにアイランドシティが政争の具となってきましたが、これは市側のこれまでの姿勢にも責任の一端があると言わざるを得ません。 他都市においても同様でしょうが、福岡市も少子・高齢社会を迎え、教育を初めさまざまな分野で重要課題が山積しています。いつまでもアイランドシティにばかり議論を費やしていては、他の事業に力を注ぐことができません。今こそアイランドシティの抱える課題に終止符を打ち、新たな雇用と税収を生み出す場として、他の重要課題解決の財政的な基盤とする必要があります。ただ資産として持っているだけでは、何の価値も生み出しません。また、その間にも金利を支払わなければなりません。市民のためにも、福岡市の財政のためにも、早く前向きな姿勢でこのアイランドシティ整備事業に取り組むべきだと考えております。 市長は今後、土地分譲や企業誘致をどのように進めていこうとお考えなのか、あわせて、その確かな覚悟をお尋ねして、私の質問を終わります。 ◯市長(高島宗一郎) お答えをいたします。 アイランドシティ整備事業でございますけれども、まさに博多港は日本海側拠点港湾に先日選ばれたばかりでございます。こうした博多港の港湾機能の充実や強化を強力に推進する場として、また先進的なまちづくりを展開する場としても、このアイランドシティ整備事業というのは、福岡市にとって大事な事業だというふうに考えております。確かにリーマンショック以降、景気の低迷も非常に続くという中で、福岡市が今後も持続的に発展していくためにも、福岡市は経済的に強い都市にならなければいけないと考えております。本格的な少子・高齢が進む中、それでいて福祉に関してしっかり取り組んでいくためにも、その財源を確実に確保していくということは非常に重要になってくると思っています。 そうした中で、事業の選択と集中を図って、きちんと財源を生み出す効果的な投資をすることで都市の魅力を高めて、そしてさらなる投資を呼び込む好循環をつくっていかなければいけないと考えています。このために、福岡市では国の国際戦略総合特区への指定を申請するなど、国の制度を最大限活用しますとともに、アイランドシティという都心に近い広大な土地を、福岡市全体の好循環を先導する役割として位置づけまして、福岡市の将来の雇用と税収を確実に確保していきたいというふうに考えております。まさに議員御指摘のとおり、この資産を価値を生み出すものにしていかなければいけないというふうに考えております。 また、今回、アイランドシティ・未来フォーラムから、この厳しい経済状況の中において、民間の活力を積極的に引き出すための具体的な提案をいただきました。福岡市といたしましては、まず全市的に企業立地を推進する観点から、企業立地を重点的に進めるエリアについて立地促進交付金の拡充などを行うことや、アイランドシティでの土地活用をさらに進める観点、そして企業の初期投資の軽減ニーズを踏まえて、事業用定期借地制度の本格導入についても検討を進めていきたいというふうに考えております。また、アイランドシティのまちの魅力を向上させて企業の投資意欲を高めるためにも、公共先導によるまちづくりを進めることが必要であると考えておりまして、検討を進めていきたいと考えております。 今後、アイランドシティにおける企業誘致につきましては、経済状況の先行き不透明な中、これまで以上に企業ニーズなどの事業環境について的確な把握に努めて、そして三角議員御指摘のとおり、市民の代表である議員、議会の御理解をいただきながら、事業を確実に推進していきたいというふうに考えております。以上でございます。 |
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