国分 議員の総会質疑と答弁 | ||
◯国分委員 学校の統廃合について、価値観の多様化やライフスタイルの変化など、さまざまな要因を背景として、全国的に合計特殊出生率が1.3前後と低迷を続け、人口を維持できる水準としている2.08を下回って約30年が過ぎている。急激な少子・高齢化の進展は、我が国にとって深刻な課題となっており、本市においても国と同様に、子どもの数の減少によって小中学校の小規模化が進行している。一方、地下鉄や都市高速道路などの交通ネットワークの整備にも関連して、一部の校区においては住宅開発が進み、学校が大規模化するケースも生じており、小規模校や大規模校が抱える教育課題への適切な対応が求められるところである。このような背景から、教育委員会では学校規模に起因するさまざまな教育課題を解決するため、現在、学校規模適正化事業として取り組んでいると思うが、どのような基準で取り組んでいるのか尋ねる。 △教育長 学校規模適正化事業については、平成20年12月の学校規模適正化検討委員会による提言を踏まえ、平成21年3月に、福岡市立小中学校の学校規模適正化に関する実施方針を策定し、小規模校及び過大規模校の学校規模適正化に取り組んでいる。実施方針では、全学年でクラスがえができない6学級以下の小学校と3学級以下の中学校及び31学級以上の過大規模校を、早急に教育環境の改善を要する学校として、第1次計画の対象校としている。そのうち小規模校については学校の統合、また過大規模校については隣接校区との通学区域調整や施設の拡充に取り組んでいる。 ◯国分委員 南区では、少子・高齢化が急速に進展することによって学校が小規模化し、将来は統廃合の対象とされるのではないかとの憶測や不安が広がっている。小学校区を単位とする自治組織は、夏祭りや校区の運動会など多くの行事を学校で行っており、学校は教育施設であると同時に、地域コミュニティにおいて大きな役割を担っている。その学校を存続させるためには、第一義的に学校の小規模化をストップする必要があり、出生率を初めとするさまざまな少子化の要因を解消することが大前提ではあるが、地域にとっては子育て世帯の増加策が最も有効な手段であると考える。しかし、子育て世代の増加につながる住宅開発を誘導するには、道路等の基盤整備や用途地域の変更など、長期間に及ぶ地域開発を伴うところであり、地域としては、学校が統廃合の対象となる前にまちづくりを計画する必要がある。そのような視点で南区の状況について確認をするが、現在、教育委員会が統廃合の対象としている6学級以下の小学校及び3学級以下の中学校が南区に何校あるのか尋ねる。また、教育委員会では住民基本台帳をもとに児童生徒数、学級数の将来推計を行っていると思うが、南区の学校がどのように推移するのか、統廃合の対象となる学校が生じるのか尋ねる。 △教育長 南区の学校については、23年度の学級編制において、6学級以下の小学校や3学級以下の中学校はない。次に、住民基本台帳をもとにした南区の学校の将来推計については、ゼロ歳から5歳までの幼児が学年進行してくる29年度の推計では、児童生徒数の増減はあるが、24学級を超える小学校2校を除き、本市が適正な学校規模としている12学級以上24学級以下の範囲にあり、統廃合の対象校は生じない見込みとなっている。 ◯国分委員 南区は区域を縦断する西鉄天神大牟田線のほか、日赤通りや福岡外環状道路を中心として縦横にバス路線が整備され、利便性の高い交通ネットワーク網を背景として、住宅需要の高い地域であり、今後6年間は学校統合の対象校は生じないと思うが、昨今の少子・高齢化の流れを見たときに、学校が小規模化する可能性はゼロとは言い切れないと思う。仮に30年度以降に子どもの数が急激に減少し、学校が適正規模を大きく逸脱した場合は、教育委員会としては学校の統合に取り組まざるを得ないと思うが、どのような手順で進め、どの程度の期間を要するのか尋ねる。 △教育長 学校の統合に関する手順については、現在、学校再編に取り組んでいる舞鶴中学校区の例で言うと、まず学校の統合再編に関して、大名校区、簀子校区、舞鶴校区の住民との協議を行い、合意形成に至るまでに約1年を要している。次に、統合校の基本設計、実施設計をしたが、約2年を要している。現在、統合校の建築工事に着手しているが、約2年の工期を予定しており、舞鶴中学校区においては、統合校の開校までに約5年を予定している。 ◯国分委員 学校の統合に関する対象校区との協議期間は約1年程度との答弁であるが、住民基本台帳をもとにした推計期間6年を勘案すると、最悪の場合は7年程度しか猶予期間はないだろうと推察できるし、早目に手を打っておかなければならないと考える。子どもの数が減少傾向にある地域は、統廃合の対象となる相当以前に危機感を持って行動しなければ、校区自体が存在できなくなり、それにより地域のコミュニティも崩壊するであろうと危惧をするところである。私は、学校の存続問題については、単に学校を残せばよいということではなく、地域全体で地域の将来をどう考え、どう行動すべきかの視点を持って、まさにまちづくり、地域づくりに取り組むことが肝要であり、密接なかかわりを持つ地域と学校がこれまで以上に連携を深め、地域、学校の将来を真剣に考えるべき時期に来ていると考えており、行政としてもこれをサポートするため、地域が考え行動するための判断材料を積極的に発信すべきであると考えるが、教育現場を所管する教育委員会の立場からどのように支援できるのか、教育長の所感を尋ねる。 △教育長 学校については、教育施設であると同時に地域のシンボル的な存在であり、コミュニティを維持する上でも重要な施設であると考えている。教育委員会としては、児童生徒数の将来推計を積極的に提供するなど、地域の皆様が子どもの状況を見据えながら将来のまちづくりを検討できるよう、支援をしていきたい。 ◯国分委員 次に、南市民センターの駐車場対策について、南市民センターの主な利用者は南区住民であると思うが、南区は公共交通機関といえばバス以外にはないエリアが大半で、しかも南市民センター最寄りの南警察署入口バス停に直通で行けるバスの便も少なく、乗りかえしなければならないのが実情である。そのため、南区住民が市民センターを利用しようとした場合、どうしても自家用車で来館せざるを得ない住民が多い地域である。そこで南市民センターには現在、来館者が利用できる駐車場は何台分あるのか尋ねる。 △市民局長 南市民センターの駐車場は、隣接する南体育館と共用しているが、駐車台数は普通自動車83台分、軽自動車19台分、身障者専用2台分、合計で104台分である。 ◯国分委員 南体育館と共用で104台分の駐車場ということだが、2つの大型施設の利用者駐車場としては、駐車台数は非常に少ない印象を受ける。南市民センターには800人が収容できる規模の文化ホールがあり、ホールで講習や講演会などの催しがあるときには、多くの住民が来館する。しかし、施設規模に対して駐車場が狭いため、来館者が路上駐車や近隣の民間店舗などの駐車場に無断に駐車している実態があると聞くが、どの程度実態を把握しているのか尋ねる。 △市民局長 市民センターのホールにおいて催しなどが行われているときなどに、指摘のように、路上あるいは近隣の病院や民間店舗などに利用者が駐車しているといった実態がある。その際には、利用者に車の移動を呼びかけている。 ◯国分委員 利便性向上の観点からも、市として対応すべきでないかと考える。現在、南市民センターではどのような駐車対策に取り組んでいるのか。 △市民局長 南市民センターの駐車場は台数が限られているため、利用受け付けの際に公共交通機関の利用をお願いしているとともに、体育館と協力して監視チェック、巡回などを行い、施設利用者以外の無断駐車の防止に努めている。また、駐車場入り口付近で駐車待ちにより通行に支障が生じている場合は、近隣の有料駐車場の地図を配布するなど、交通混雑の解消に取り組んでいる。 ◯国分委員 施設側の取り組みも理解はするが、南市民センターの近隣には民間の有料駐車場が少ないことも考えると、駐車台数が限られた中では限界がある。駐車場を充実させることは、施設を利用したいと思う住民の利便性が上がり、ひいては周辺の交通問題も解消するなどの効果も望める。南市民センターの駐車場用地の形状を考えると、立体駐車場化することで、大幅な駐車台数の確保も十分可能と考える。問題は、施設規模に対して現在の駐車場台数が少な過ぎることにあるので、立体駐車場化して利用者駐車場の収容台数をふやすことが必要ではないかと思うが、どう考えているのか尋ねる。 △市民局長 南市民センターの駐車場については、現在の駐車台数が十分でないということは認識しているので、議員提案の立体駐車場化という方法も含めて、市民センター用地全体の有効活用による駐車場の拡充を検討していく。 ◯国分委員 次に、南区のバス路線について、南区は西鉄天神大牟田線が通っているが、区域の東側を通っており、また地下鉄も7区の中で唯一通っていないため、バスが重要な公共交通手段となっている。南区を主に走る路線を担当している西鉄バスの桧原、柏原、片江、那珂川営業所における1日当たりの営業延べ走行キロが、合計4万キロメートル以上と聞いており、バス路線のサービスレベルが充実していると思っている。しかし、南区内で野間三丁目のバス停などで便数が維持されている一方で、例えば東若久のバス停はバス路線が減便されていると聞いており、その減便の状況及び理由について尋ねる。 △住宅都市局長 南区の東若久バス停の減便の状況と理由については、運行本数については、平日は平成18年の38.5往復に対して平成23年は26往復へと、約3割の減便となっており、また土日祝日は、平成18年の32.5往復に対し平成23年は17往復へと、約5割の減便となっている。減便の理由としては、利用者の減少に加え、燃料費の高騰等の外的要因に伴う収益悪化によるものと聞いている。 ◯国分委員 南区は地下鉄が通っておらず、また平成22年国勢調査によると西区に次いで高齢化率が高くなっており、南区民は日常の移動手段としてバスを大変頼りにしている。駅間距離が長い鉄道に比べてバス停の間隔が短く、階段の上り下りなど上下移動の少ないバスが、今後ますます重要となってくると考える。その南区においてバス路線の便数が減少していることに住民は大変困っており、将来へ向けて不安を感じている。何としてもバスの減便を食いとめてもらいたいと思うが、人口が増加し、多くの子どもや働く人がいる右肩上がりの時代はバス利用者がふえ、バス路線や本数がそれに応じてふえていたと思う。しかし、少子・高齢化の進展に伴い、通勤や通学など定期的なバス路線利用者の増加が見込めない中で、今後は西日本鉄道(株)だけの努力だけではバス路線の維持が難しい状況になってきていると思う。また、本市も厳しい財政状況の中で運行経費を補助することは難しいと理解しているので、西日本鉄道(株)とよく話し合い、知恵を出し合って、協力してバスの利用促進に取り組んでいくべきと思うが、所見を伺う。 △住宅都市局長 南区においては、バス交通が公共交通の中心的な役割を果たしており、地域住民にとって大切な移動手段であると認識している。そうした中でのバスの減便は大きな問題であり、これを防ぐためには公共交通の利用促進の取り組みが重要である。そのために、区役所窓口で転入者に対し、バスや鉄道などの路線や利用方法を示したパンフレットなどを配布するとともに、西日本鉄道(株)などと協力して作成した天神や博多駅周辺での公共交通に関する情報をまとめた公共交通マップを配布するなど、バスの利用情報の提供を行っている。今後とも引き続き、西日本鉄道(株)を初めとした交通事業者と協力して、公共交通の利用促進に取り組んでいく。 ◯国分委員 本市と西日本鉄道(株)が協力して、バス路線の減便や休廃止を何としても食いとめてもらいたいと思うが、南区の丘陵地において30年、40年前に開発された住宅地では、高齢化の進展に伴い、病院通いがふえたり、バス停や駅までの坂の上り下りをするのに大変苦労することがふえてきている。また、場所によってはバス停までの距離が離れた地域がある。こうした地域において、また野間屋形原線などの新しくできた道路も活用して、買い物や通院などのために、きめ細やかなバス路線や、鉄道との乗り継ぎに便利なバス路線などを新設し、さらにバス路線を充実させることが重要と考えるが、本市としては今後どのように取り組むのか尋ねる。 △住宅都市局長 南区においては、バス交通が公共交通の基幹的な役割を果たしているという現状を踏まえ、バス路線を維持し充実させることが重要であると考えている。現在、福岡外環状道路と長浜太宰府線を経由して、西鉄天神大牟田線大橋駅と地下鉄七隈線福大前駅を結ぶ約11キロメートルの区間において、西日本鉄道(株)による平成23年10月から1年間の試行運行が実施されており、新たな路線として定着するように、住民の方々を初め沿道の病院や学校などに対して、さまざまな手段を活用して広報活動を行っているところである。今後とも、道路の整備状況や高齢化等に伴う利用目的の多様化に対応できるように、西日本鉄道(株)などの交通事業者や地域と協力して、バス路線の充実に向けて取り組んでいく。 ◯国分委員 これまでの右肩上がりの時代において、バス路線はバス事業者により提供されることが当然という考えであった。今あるバス路線でも、新しくできたバス路線でも、利用しなければなくなってしまい、利用していればよかったと後悔しても、なかなか再開できない。少子・高齢化の進展や、これからの人口減少時代の到来を見据えると、バス事業者だけで継続するものではなく、地域住民が積極的に利用して、地域みんなでしっかり支えることも大切になってきている。本市が、バス事業者と地域住民の共働によるバス路線の維持の取り組みをサポートし、南区を初め全市的にバス路線が維持、充実するよう、バス事業者、地域、行政の三者が協力して推進するよう、強く要望する。最後に観光戦略について、市長は24年度の市政運営方針として、本市がアジアにおいて存在感のある都市となることを目指し、市民の高い暮らしの質が人と投資を呼び込み、都市の成長を実現するために、暮らしの質の向上と都市の成長の2本の柱に取り組んでいるところである。その中でも、短期的な本市の成長エンジンとなる戦略的な観光、集客に特に力を入れて取り組み、アジアの人々の関心を引きつけ、交流人口の拡大につなげていくことが必要であると示されている。私も国内外から多くの方々に本市に来てもらうことで消費効果を生み出し、地域経済活性化を促すことのできる観光、集客の推進は大変重要であると考えており、積極的に進めるべきと思う。しかし、代表質疑や補足質疑の答弁を聞いていると、観光、集客の施策については理念や考え方のみの答弁であったように思われる。市民に施策の必要性、重要性を認識してもらうためには、具体的に数値目標を示し、そのためにはどういう施策を行っていくのか明確にしなければならない。そして多くの市民の理解を得ながら、市民一人一人が自分のまちを誇りに思ってもらえるまちづくりを進めていくことが、おもてなしの心に満ちた国際集客文化都市の実現となるのではないか。24年度に特に力を入れて取り組む観光・集客都市の形成に向けた事業推進において、達成すべき目標とはどのようなものか、市民にもわかりやすい具体的な数値目標や、その積算の考え方、また向こう3年間の目標について尋ねる。 △経済振興局長 観光・集客都市の形成に向けた平成24年の目標としては、観光客数1,770万人、外国人入国者数85万人としている。また、向こう3年間における数値目標及び積算の考え方については、観光客数は平成27年の目標を2,000万人とし、平成23年見込みの1,670万人を平成27年までの4年間で毎年100万人の増を目指すこととしている。外国人入国者数については、平成23年は東日本大震災等の影響により前年比約18万人の減となったが、この状況を過去最高であった平成22年の約76万人まで回復させ、さらにクルーズ客船の寄港増や大型化などによる増加を見込み、平成24年は85万人としたものである。今後、24年度中に策定する新たな集客戦略の中で、民と官が一体となって取り組むべき新たな数値目標や具体的な施策について検討していく。 ◯国分委員 平成24年の目標を達成するために、24年度は特に何に力を入れて取り組むのか尋ねる。 △経済振興局長 24年度の取り組みについては、まず基盤づくりとして、鴻臚館跡、福岡城跡などの歴史資産を観光資源として活用する取り組みのほか、戦略的観光プロモーションでは、直行便のある東アジアの数都市にターゲットを絞ったアジア観光市場開拓事業及び外国クルーズ客船の寄港増や大型化に対応した受け入れ事業などに取り組んでいく。また、祭り振興、観光客受け入れ環境の整備としては、どんたく、山笠の支援のほか、観光関連事業者に対する外国人受け入れ研修の実施、福岡検定の実施、福岡オープントップバスを生かした観光振興などに取り組んでいく。さらにコンベンションシティの充実強化として、コンベンションの開催支援、再来福のためのプロモーションに取り組むほか、コンベンションゾーン機能強化として第2期展示場の整備に向けた検討を進めていく。 ◯国分委員 この事業推進により本市に与える経済的な効果について、どのようなものがあるのか尋ねる。 △経済振興局長 経済的な効果については、国内外から多くの方々が本市に訪れることで新たな消費効果を生み出し、地域経済活性化を促す効果があると考えている。具体的には、平成22年の本市観光統計において、観光客が本市内で消費をもたらす宿泊や飲食、買い物のほか、市内移動の交通費などを含む観光消費額は3,086億円となっている。また、平成24年の目標である観光客数1,770万人を達成した場合は、約3,400億円の観光消費額となると推計している。 ◯国分委員 その効果を得る一方で、観光客の受け入れにおける課題もあると思う。どんな課題があるのか、またその対策はどうするのか尋ねる。 △経済振興局長 課題や対策については、まず外国人に対する観光情報提供の充実などがあり、現在、福岡市観光情報サイト「よかなび」の情報をスマートフォンに対応させ、英語、韓国語、中国語、台湾語、日本語の5カ国語で閲覧できるようにするとともに、今後さらに韓国人観光客向けに交通案内などの機能を拡充していく。また、文化や生活習慣が異なることから、食事やトイレ利用などマナーについての情報提供のほか、観光関連事業者を対象とした外国人受け入れ研修についても行っていく。また、外国クルーズ客船の寄港増や船舶の大型化に伴う課題に対応して、国に対し入国審査体制強化の要望活動を行うとともに、天神地区などにおける外国語案内表示の充実、きめ細かいショッピング・観光情報の提供など、受け入れ環境の拡充に努めていく。 ◯国分委員 観光、集客を進めるに当たっては、課題や問題点が発生した場合においても先送りせず、速やかに対応し、また予定していなかった施策を即決して実施しなければならないことも多く想定されることから、民間企業のようなフットワークの軽い行動力が必要とされている。まさに新しく再編される経済観光文化局は、それを求められていると思う。例えば、本市を訪れる観光客をさらにふやすために、福岡のファンとなるリピーターをふやし、その人たちにより口コミで福岡の魅力を広く発信してもらうことも大変重要である。観光客は、観光地の情報はホームページ等から入手しているのが一般的である。観光客が求めている課題や問題点をいかにスピード感を持って取り組んできたかをホームページで公表し、観光客が目にすることで、本市のおもてなしのすばらしさが国内外に発信され、さらなる観光客の増加につながるのではないか。このため、2カ月に1回くらいの頻度で観光客へのニーズ調査を行い、課題や問題点を的確に把握することが大変重要である。課題や問題点を解決する中で、ハード施策は費用的、時間的にもすぐに対応はできないと思うが、ソフト施策にあっては、今までのやり方である、契約のための業者選定から完了までに数カ月かかるような対応では、観光客のニーズにこたえたことにはならない。簡易なことであれば、職員みずから手づくりでもいいのですぐに対応すべきであるが、すべてのことを観光、集客を所管する経済観光文化局だけで解決できるわけはなく、また市役所全体で取り組んでも対応できないことも発生する。このため、課題解決に向け全庁一丸となって取り組むことは当然ではあるが、市内には観光・集客に精通するさまざまな観光関連組織や団体もたくさんあることから、これらの力を結集して、ともに取り組んでいく必要があるのではないか。市長みずからが先頭に立ち、柔軟かつスピード感を持って取り組み、おもてなし満足度ナンバーワン都市・福岡を目指すべきと考えるが、市長の所見を伺う。 △市長 観光や集客の取り組みについて、指摘のとおりであり、例えば具体的に話があったリピーターの獲得などの細かいニーズに応じた対応を、スピード感と行動力をもって、すぐに施策に移していくことが重要であると考える。また、そうしたニーズの把握に努めて、課題の解決や魅力の向上を図り、指摘のようにホームページやほかの手段も使いながら、積極的な発信を力強く進めていきたいと考えている。あわせて、各局が観光の視点を持ってそれぞれ、縦割りではなく、このような施策を進め、連携を図っていく必要もあることから、4月から経済観光文化局をスタートさせ、一体的に取り組んでいきたいと考えている。また、役所だけではなく、観光に関して力を注いでくれる、民間の組織や団体の皆様との連携ということも指摘をいただいた。そうした皆様と一緒になって、新年度は新たな集客戦略を策定し、民間企業やいろんな団体との連携、役割分担をしっかりして、オール福岡で多くの観光客に来ていただく。福岡は8割が第3次産業であり、観光で交流人口がふえてくるということは、福岡の経済に非常に大きな影響を与えるので、経済の活性化をしっかり図っていきたいと考えており、また私自身もその先頭に立ってスピード感と行動力で、しっかり旗を振っていきたいと思っている。 |
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