三角 議員の一般質問と答弁 | ||
◯36番(三角公仁隆)登壇 私は、みらい福岡市議団を代表して、9年間を見通した学習指導について、土曜日授業の活用について、外郭団体の見直しについて、以上3点について質問いたします。 まず、9年間を見通した学習指導についてお伺いいたします。 平成21年度に策定された新しいふくおかの教育計画は、平成25年度までの5年間を取り組み期間としておりまして、16の重点施策を設定するとともに、施策ごとに評価手法を設定、評価し、次期実施計画の改定に生かすようになっております。したがって、今年度は実施検証の時期に来ていると考えます。この計画の中では、義務教育9年間を、小学校1年から4年生までの4年間を前期、小学校5年から中学校1年までの3年間を接続期、中学校2、3年生の2年間を後期という発達段階区分に分け、児童生徒の発達段階や教育的ニーズを踏まえながら、9年間で思考力、判断力、表現力を段階的に育成するとともに、規律ある学び方の指導の積み上げを重視するとあります。その中でも特に、小学校5年から中学校1年生の3年間の接続期は、とても大切な段階ではないかと思います。 そこで、小学校高学年における一部教科担任制の推進についてお尋ねします。平成20年、21年度において専科教員を28名配置し、モデル実施後、22年度から一部教科担任制の取り組みが始まりましたが、一部教科担任制の推進の目的は何でしょうか。また、どのような効果が出ているのか、お尋ねいたします。 次に、土曜日授業の活用についてお伺いいたします。 私はこれまで自分なりにいろいろ調査をして、今議会で土曜日授業の活用について提案したいという思いがありました。しかし、既に6月16日付の各新聞で、土曜日授業の活用について教育委員会の方針として、この時期に記事が出て、大変困惑しております。私の考えを含めて確認の意味で質問させていただきます。平成14年度から始まった公立学校の完全学校週5日制では、子どもが家庭や地域で過ごす時間をふやすという趣旨で現在も続いています。しかしながら、社会情勢の変化や学力向上を目的とし、学習指導要領が改訂され、小学校では23年度、中学校では24年度から全面実施に入ったところです。新学習指導要領の特徴の一つに、授業時数の増加があります。この授業時数の増加の目的は、詰め込み教育への転換ではなく、1、各教科等において充実した指導事項の学習、2、つまずきやすい内容の確実な習得を図るための繰り返し学習、3、知識、技能を活用する学習を充実するために行うものです。小学校では国語、社会、理科、体育の授業時数が、中学校では国語、社会、数学、理科、保健体育、外国語の授業時数が以前に比べて約1割増加しています。そのため、1週間に行う標準授業時数が小学校1、2年生では週当たり2時間、小学校3年から中学校3年生では同じく週当たり1時間、以前より授業時数が多くなっております。平成22年度の文部科学省の調査によりますと、文部科学省が示している、この標準時数を超えて学習している学校が既に9割程度あることがわかりました。そこには、各学校におけるさまざまな工夫があるものと推測しておりますが、一方で、標準時間数が増加することによって各学校において、こうした授業時間を確保していくことが難しくなってきているのではないかと危惧しているところです。 そこで、本市においても数年前から徐々に取り組んできたとは思いますが、平成23年度から全面実施された小学校の授業時数は、先ほどの標準時数に対してどのようになっているのか、お尋ねいたします。 次に、外郭団体の見直しについてお尋ねします。 高島市長におかれましては、少子・高齢化が進展し、社会保障関係経費が増大する中で、暮らしの質の向上と都市の成長を目標に掲げ、行財政改革に取り組んでおられるわけですが、私は市本体だけではなく外郭団体についても見直しが必要であると考えております。社会情勢や法制度、市民意識などの変化に伴い、外郭団体の存在意義そのものが問われる中、本市においては団体の必要性や経済性、効率性などの検証を行い、見直しを行っていくために、平成16年に外郭団体改革実行計画、平成20年に第2次外郭団体改革実行計画を策定し、この8年にわたって取り組んでこられ、本年3月でその計画期間が終了したところであります。 そこで、まずこれらの計画について取り組みの結果をお尋ねいたします。 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて質問いたします。 ◯教育長(酒井龍彦) まず、小学校高学年における一部教科担任制についての御質問にお答えをいたします。 一部教科担任制とは、専科教員が理科や音楽などの一部の教科を専門的に担当することや、学級担任同士で授業を交換して他の学級の特定の教科を教えることを言いますが、児童の興味、関心にこたえたわかりやすい授業を行い、学力の向上を図ることを目的としております。その効果につきましては、平成22年度の専科教員のモデル配置校におけるアンケート調査によりますと、教科担任制を小学校で経験することで中学入学時の環境の変化が緩和され、いわゆる中1ギャップを乗り越え、順応する力につながっているという趣旨の回答がすべての調査対象校から得られております。また、教員が同じ教科の授業を複数の学級で繰り返し行うことにより、教科の指導力を向上させ、専門性を高めることができているという趣旨の回答もすべての調査対象校から得られております。 次に、土曜日授業の活用についての御質問ですが、現在の小学校の授業時数につきましては、文部科学省が示す標準時数に対する平成23年度の146の小学校の平均実施時数は、小数点以下を四捨五入してお答えいたしますが、小学校1年生では年間標準時数850時間に対して882時間実施し、32時間上回っております。2年生では標準時数910時間に対して939時間実施で29時間、3年生では標準時数945時間に対して974時間実施で29時間、4年生では標準時数980時間に対して1,009時間実施で29時間、5年生では標準時数980時間に対して1,007時間実施で27時間、6年生は標準時数980時間に対して997時間実施で17時間上回っており、すべての小学校で標準時数を上回っている状況にございます。以上でございます。 ◯総務企画局長(貞刈厚仁) これまでの外郭団体改革実行計画における外郭団体の見直しの結果についてでございますが、まず、平成16年に策定した外郭団体改革実行計画では、事業の見直しや団体のあり方の見直し、統廃合に取り組むことにより、平成19年度末までに8団体を削減いたしました。また、平成20年に策定した第2次外郭団体改革実行計画では、施設の管理運営の見直しや業務の再編等に取り組むことにより、平成23年度末までに1団体を統合、1団体を廃止するとともに、平成24年度末までにさらに2団体を廃止することとしております。この結果、平成16年時点で43団体あった外郭団体は、平成24年度末には31団体になる予定であり、差し引き12団体を削減したところであります。以上でございます。 ◯36番(三角公仁隆) まず、9年間を見通した学習指導についてですが、私は教科担任制に取り組んでいる埼玉県戸田市立戸田第一小学校を訪問させていただきました。860人児童がいる大規模校でありながら不登校はゼロ、保護者の信頼度も高い学校です。教科担任制の状況ですが、1、2年生は書写、3年生は理科、社会、4年生は理科、社会、体育、5、6年生は理科、書写、家庭、体育、社会、また5、6年生の担任は書写を除く国語、算数、道徳、特別活動、英語活動を指導していました。それぞれの教科に関しては各学年担当の先生の専門性を生かし決定しているようです。また、5、6年生の少人数指導担当者は算数を受け持ち、学年の副担任として配置されています。ちなみに、東京都やその近郊の都市では多くの学校で副担任制が導入されています。教科担任制のねらいとしては、学校全体の児童をその学年の先生全員で学年担任として、児童一人一人を多面的にとらえ、指導することにより、個に応じた指導の充実を図り、そのことにより教科独自の学習方法の指導ができ、教科指導を通じて学年全体の児童に統一した生徒指導もできているようです。そして、中学校における教科担任制への移行がスムーズに行われているようです。また、学年の先生全員で学年の子どもたち全員を見ることができ、同じ授業を四、五回できることで教師の指導力向上にもつながっているようです。 そこで、本市では一部教科担任制を実施している学校はどのくらいあるのか、また、そのうち同一学年の先生で交換授業をしている学校は何校あるのか、お尋ねいたします。さらに、今後、小学校における教科担任制の推進についてはどのように考えておられるのか、あわせてお尋ねします。 次に、土曜日授業の活用ですが、先ほどの答弁にもあったように、本市では標準時数をかなり上回って授業時数がふえているのがわかりました。つまり、入学したばかりの小学校1年生が毎日5時間の授業、2年生以上はほとんど毎日6時間の授業があると言えます。文部科学省では、地域住民や保護者との交流による開かれた学校づくりの一環として土曜日授業実施を認めています。東京都では、授業時間の確保が困難だということで、平成22年度から地域住民や保護者への授業公開を条件に、月2回までの土曜日授業を認めました。そのほか、横浜市、京都府、大阪市などの都市でも実施が始まりました。本年3月には、福岡県も月2回まで土曜日の授業を認める方針を通知しています。北九州市も、この6月16日から土曜日授業がスタートしています。このような状況の中で、本市では土曜日の活用をせずに授業時数の確保についてはどのようにされているのかお尋ねします。 次に、外郭団体の見直しについてであります。 これまでの8年間にわたる外郭団体改革で団体数の削減については一応目標達成されたということで、当局の努力については一定評価しますが、果たしてこれでよしとすべきなのでしょうか。少子・高齢化はこれまでに経験したことがないスピードで進展しており、経済状況もこれから先どのようになっていくのか全く予断を許しません。市の財政状況が極めて厳しい中で、本体である市は相当な努力をしているにもかかわらず、外郭団体への取り組みは、まだまだ甘い部分があるのではないでしょうか。例えば、役員の報酬にしても、いまだに市OBに平均1,000万円を超える高額の報酬を支払っている団体や、職員の給与が同種の民間事業者と比較して高額な団体もあるようです。 我がみらい福岡市議団では、これまで、民でできることは民でとの考えのもとで行財政改革に取り組んでまいりました。この考え方は、市役所本体だけではなく、市が出資しているからこそ外郭団体にも当然に当てはまるものと考えております。市の第2次改革実行計画においても、改革の視点として次のように記載されています。他の事業者に再委託する割合が高い場合は、委託方法の検討とその団体の縮小もしくは廃止等の検討を行う。民間においても提供可能な事業を実施している団体は、団体の民営化、廃止等を検討する。公の施設の管理運営を行う指定管理者については、民間事業者よりすぐれた特質をアピールできない団体については縮小、廃止等の検討を行う。これは福岡市がみずから掲げた改革の視点です。しかしながら、現状はどうでしょうか。例えば、市営住宅の管理は、指定管理者として一括して住宅供給公社で実施していますが、神戸市などでは地域を分割して指定管理者の公募を行い、民間事業者の参入により公社の業務が大幅に縮小されるとともに、これまであった入居者からのクレームがほとんどないというほど減少した、いわゆるサービスにもつながっていると聞いております。また、障がい者施設の管理運営についても、近年では受け皿となる民間企業やNPOが育ってきており、必ずしも社会福祉事業団が運営する必要はないのではないかと私は感じております。さらに、公園管理を行っている緑のまちづくり協会や、地下鉄の広告や清掃業務を請け負っている交通事業振興会などは、業務の多くを民間業者に再委託しているのが実態です。まだまだほかにもこのような団体は存在していますが、この8年間の計画期間中にはほとんど手がつけられておりません。個別の団体についての議論は別の機会にすることとして、依然としてこのような団体が多数存在していることは大変問題があると考えております。 そこで、お尋ねします。そもそも福岡市として外郭団体の現状についてどのように認識されているのか。また、これらの現状を踏まえて外郭団体の改革に今後どのように取り組んでいくのかお尋ねします。 以上で2問目を終わります。 ◯教育長(酒井龍彦) まず、一部教科担任制についてお答えをいたします。 平成23年度において一部教科担任制を実施している学校数は、小学校146校中130校で、そのうち学級担任同士で教科を交換して教えている学校は19校であります。学級担任制に基本を置きながらも一部教科担任制により学年担当全員で児童を指導することは望ましいことと考えておりますので、高学年におきましては個々の教員の専門性を生かし、教科を交換して行う一部教科担任制を拡充するよう指導してまいります。 次に、授業時数の確保についてのお尋ねでございますが、現在、小中学校におきましては教育に必要な授業時数は確保されておりますが、週の時間割に余裕が確かになくなってきております。このため小学校では行事日程を短縮したり、学校行事と授業を組み合わせるなどの工夫を行っております。中学校では定期考査の回数を減らしたり、テスト終了後に授業を行うなどの工夫を行っております。また、夏休みに体験的な学習の時間を設定したり、2学期制の選択により授業時数を確保する取り組みを行っている学校もございます。以上でございます。 ◯総務企画局長(貞刈厚仁) 外郭団体の現状に対する認識と今後の取り組みについてでございますが、外郭団体につきましては、柔軟なサービスの提供や民間資金、知識、ノウハウを生かすことにより市政運営の効率化を初め、市民生活の質の向上や都市活力の増進等に一定の成果があった一方で、社会環境や市民意識等の変化に伴い、外郭団体によってはその事業の必要性や団体の存在意義そのものが問われているものもあるのではないかと認識しております。今後の外郭団体の改革につきましては、改めてその必要性や経済性、効率性の検証を行い、現在検討を進めている行財政改革プランの策定にあわせ、新たな外郭団体改革実行計画を策定し、改革に取り組んでまいります。以上でございます。 ◯36番(三角公仁隆) まず、9年間を見通した学習指導についてですが、私は、交換授業などで3教科以上の教科担任制を行っている香椎下原小学校と平尾小学校を訪問してまいりました。まず、香椎下原小学校ですが、5、6年生において理科を専科教員で、音楽、図画工作、家庭科を学年の担任同士の交換授業がなされており、授業も見てまいりました。校長先生のお話によると、学級経営上、担任一人では難しい状況に陥ったとき、いわゆる学級崩壊ですが、同学年の他の先生や学校全体でかかわるなど、複数の先生の目で子どもたちを見ることで、子どもたちが落ちついた学校生活が送れたという確信をし、昨年より継続しているとのことでした。また、先生方にもどうでしょうかと、お話を伺いました。非常に効果があるし、教師間で子どもたちにかかわる話が自然とふえている、また同じ授業を最低3回もするんですから、私たちの指導力向上にもつながっていますよとのことでした。次に、平尾小学校ですが、6年生において図工、家庭、体育、外国語活動、総合的な学習の5教科について担任同士による交換授業がされており、その授業も参観させていただきました。平尾小学校では、さらに5、6年生で担任と専科教員の2人で理科を、担任と1、2年生の担任2人で算数を教えるといったチームティーチングを活用しているのが特徴です。5、6年生の算数が6時間目に設定されているため、児童が下校した1、2年生の担任が個に応じた指導をする役割として5、6年生の算数に加わっているということです。同一学年だけではなく学校全体で子どもの指導と見守りができているように感じました。どちらの小学校も、中学校の校則である「中学校のきまり」を参考にし「小学校のきまり」を作成し、学習規律や生徒指導に効果が上がっていると聞いております。また、複数の先生の目で見ることで、子ども一人一人のよさが引き出され、教材研究や授業の準備の時間の確保により、わかる授業を展開することも可能となっています。学級担任から学年担任へと教員の意識が変わり、高学年の児童の悩みや問題行動などの早期発見、未然防止に努めることができるのではないかと考えます。このことは、学力向上、生徒指導上の両側面から、中学校における教科担任制へ円滑な接続ができると期待しております。 私は、平成22年度の議会において、広島市の小学校3年生以上で社会、算数、理科、音楽、図工、体育、家庭科の交換授業による教科担任制に取り組んでいることや、宗像市の中学校ブロックで数学、理科、体育、音楽の教科担任が福岡県教育委員会から年間を通じて小学校で授業ができるよう兼務教員として小学校に出向き授業を行っていることを紹介しました。教科の学習効果が出るだけではなく、教科の学習が好きだという子どもがふえている、不登校もゼロになったという調査結果が出ておりました。このことは、小学校から中学校へのスムーズな移行ができているように思います。あれから2年たち、他都市ではどんどん教科担任制が充実しているのに対し、本市の取り組みは遅いように感じます。教科担任制は、充実した教科指導ができ、子どもの学習に対する興味、関心が深まるとともに、学年全体で子どもを見ることで担任一人が問題行動や課題を抱え込むことなく、複数の教師が子どもとかかわることから、多様な個性を引き出すことも可能になり、全教員が連携し学習規律を共通認識のもとに統一的な指導を行うことができます。また、必然的に教員間の話し合いの場もふえていくのではないかと思っています。今配置されている教員の中で交換授業などの工夫をすることにより、複数教科の教科担任制は可能です。また、中学校教員による教科指導や、今後、市内に小中連携校もふえることも踏まえ、さらに発展させ、複数教科の教科担任制の内容の充実を図られますよう強く要望しておきます。 次に、土曜日授業の活用についてですが、私はこの土曜日授業の取り組みをしている東京都港区芝小学校を訪問しました。ここでは、先ほども少し話しましたが、低学年で2人担任制、3年生以上は学年副担任制を進めています。副担任は教科指導のほか、家庭学習などの指導もされています。平成23年度から毎月第1、第3土曜日を授業とし、学校週5日制の趣旨や学力向上の取り組み、学校独自の取り組みを保護者や地域の方に見ていただく機会として活用し、理解も得られています。導入時は、子どもたちの土曜日の塾や習い事の課題があると校長先生も心配されたようですが、校長先生が地域の方や子どもたちが所属する野球やサッカーなどのスポーツサークル関係者に責任を持って協力のお願いをされたことにより、今ではきちんと取り組みが定着しています。また、土曜日は3時間授業とし、うち1時間は勉強の時間でした。土曜日の授業の活用により、ゆとりあるカリキュラムになっていました。特徴としては、水曜日の児童の下校を13時半とし、放課後の時間を教師の教材研究や研修、話し合いの時間に当てられています。また、週1回、わくわくタイムと称した30分の休み時間を設定し、子どもの興味、関心に応じた活動や思いっきり遊ぶ時間の保障もしています。校長先生の学校経営方針は、全職員がスタッフであり、重要なポジションという考えのもと、教育というサービスを提供し、全員が学校経営感覚を持ち、学校の自主性、自立性を確保するというもので、組織的、継続的な努力をしておられました。また、先生たちの土曜日の振りかえは長期休業中にきちんと行われていました。現場の先生方からも、水曜日に十分な話し合いなどの研修時間が持て、教育効果も上がり、長期休業中に連続した休みがとれることで、土曜日の活用に対する理解も得られているようです。 新学習指導要領では、ゆとりか、詰め込みかではなく、基礎的、基本的な知識、技能の習得と思考力、判断力、表現力などの育成との両方が大切だとしています。ただでさえ学習自体の中身がふえている中で、今までより一層生きる力をはぐくむことを目指しているのが今回の新学習指導要領です。そのためには、今まで以上に学校、家庭、地域の連携、協力が必要です。毎日ぎゅうぎゅう詰めの時数の中では、ゆとりは生まれないし、子どもたちの興味、関心のある行事や総合的な学習、自然体験、社会体験などのさまざまな体験が十分に得られないと感じます。以前、土曜日に授業を行っていた時代では、子どもたちが楽しみにしている行事などがたくさんあったと聞いています。先ほどの答弁からしますと、そんな行事さえも精選、縮減するというのはいかがなものでしょうか。また、現場の先生方は毎日時間に追われ余裕がないとの声を聞きます。教科担任制の充実や教師間のコミュニケーションを図るためにも、話し合いの時間の確保が大事ではないかと考えます。完全学校週5日制のほころびを繕うような季節感のない2学期制や中途半端な土曜日授業の活用ではなく、新学習指導要領本来の目指す方向性をしっかり認識していただき、家庭と地域の教育力の充実のために、またさらなる開かれた学校づくりや子どもたちの生きる力をはぐくむために、土曜日授業の活用を早急かつ積極的に取り組んでいただきたいと私は強く思っています。完全学校週5日制を始めて10年たち、その間、地域や家庭に御協力いただいた経緯があります。土曜日授業の活用については、さらなる御協力と御理解をいただかないと実施できないのはわかります。しかし、教育施策というものは無責任に校長の判断に任せるのではなく、方針を立て執行する立場の教育委員会がしっかりと施策をつくり、実施すべきだと考えます。 先ほども述べましたが、土曜日授業の活用について、何度も言いますが、新聞報道がなされたことは、当局の情報管理、いわゆるわきの甘さがあるのではないかと、いささか憤りすら感じているところでありますが、教育委員会として、この土曜日授業の活用についてどうお考えなのか、改めて教育長から明確な御所見をお聞かせください。 最後に、外郭団体の見直しについてですが、2問目の答弁で、新たな実行計画を策定して、今後とも取り組んでいくことはわかりました。削減団体数の目標や団体ごとの具体的な改革案はこれからということになると思いますが、将来人口推計によると、本市の人口は2035年におよそ160万人のピークを迎えるとともに、高齢化が一層進展することが明らかとなっています。また、財源不足は平成25年度からの今後4年間で約851億円との試算もされています。外郭団体に出資している側である市の財政状況がこれまで以上に厳しさを増していく状況は明らかなのに、外郭団体の改革がこれまでの8年間と同様のペースであれば、いかにもスピード感に欠けた甘い取り組みであると言わざるを得ません。本気で外郭団体の改革に取り組むのであれば、市本体の事務事業の見直しと同様にゼロベースで徹底した精査を行い、スピード感を持って見直すべきだと思います。例えば、競争もなく、赤字にならないように市が補助金や委託料を支出しなければ経営が成り立たないような団体は原則廃止、また本日、株主総会がありました博多座は資本金に匹敵するほどの10億円近くの累積赤字となっています。約27%出資している株主として、厳しく経営改善を求めるべきと私は考えます。市長は、せんだっての不祥事を受けて、土地開発公社の廃止に言及しておられますが、そのほかの団体についてもスピード感を持って抜本的な見直しを行う必要があると考えます。 新たな実行計画を策定するに当たっては、ぜひ市の厳しい財政状況を反映した抜本的な改革案となることを期待しておりますが、最後に市長の決意をお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。 ◯教育長(酒井龍彦) 土曜日授業の活用についてでございますが、まず、方針決定前の段階でマスコミ各社の報道に至ったことにつきましてはまことに遺憾に思います。今後は適正な情報管理に努めてまいります。 三角議員お示しのとおり、学校、家庭、地域が連携して教育に取り組むことは児童生徒の健全な育成のために欠かせないものであるというふうに考えております。福岡市における土曜日授業の活用につきましては、新しいふくおかの教育計画にもありますように、家庭や地域とともに子どもたちに生きる力をはぐくむという観点から、保護者や地域住民に授業を公開するなど、開かれた学校づくりのために各方面から御意見も伺いながら推進してまいりたいというふうに考えております。今後、議会の御意見を伺った上で、実施に向けて、最終的に教育委員会の方針を決定することといたしております。以上でございます。 ◯市長(高島宗一郎) 外郭団体の見直しについてでございますけれども、社会環境や市民の意識などの変化にも対応しながら、そしてまた、福岡市の厳しい財政事情も踏まえて、民にできることは民に、こういった考え方に立って、事業や団体のあり方についてゼロベースで検討を進める必要があるというふうに認識をしております。現在、福岡市では新たな行財政改革プランの検討を行っているところでございますけれども、その中で外郭団体についてもオープンな議論を行って、そして、先ほどおっしゃったような効率性ということも非常に大事でございますし、議会からも御意見を伺いながら新たな改革実行計画を策定して、そして三角議員おっしゃるとおり、スピード感を持って抜本的に改革に取り組んでいきたいと考えます。以上です。 |
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