水城 議員の質問と答弁

◯水城委員 私はみらい福岡市議団を代表して、財政再建の見地から私立学校への補助金について、財政健全化に向けた取り組みについて質問する。まず、私立学校補助金について、23年度の私立学校への補助金の執行状況はどうなっているのか尋ねる。

△教育長 23年度は、私立小中学校15校に対して計305万6,000円、1校平均では20万4,000円を交付している。また、私立高等学校22校に対して計4,798万3,000円、1校平均では218万1,000円を交付している。

◯水城委員 補助金の中の福岡朝鮮初級学校補助金の23年度決算の状況はどうなっているのか尋ねる。

△教育長 23年度の福岡朝鮮初級学校への補助金については、既に交付決定を行い、学校設置者の福岡朝鮮学園からは実績報告書が提出されていたが、21年度の補助金に係る住民監査請求が平成24年3月に提出されたことを踏まえ、補助事業の調査確認を厳正に実施することとしたため、補助金の交付については現在まで行っていない。

◯水城委員 福岡朝鮮初級学校補助金については、21年度の補助金に係る住民監査請求が提出されたとのことだが、監査の結果はどのようになっているのか尋ねる。

△教育長 21年度の補助金については、監査委員の監査の結果、補助金で購入したパソコン及びパソコンソフトが既に破損して廃棄されており、補助事業の実績報告書には虚偽の写真を添付していたことが認められた。また、このことについて教育委員会は、実績報告書の審査や現地調査において必要な注意を払えば発見できたにもかかわらず、十分な調査確認を行っていなかったという指摘を受けている。このため、監査委員から市長に対し、交付した補助金190万円のうちパソコンなどに係る補助金相当額の交付決定を取り消して返還請求するとともに、返還金納付日までの加算金を請求するよう勧告がなされている。

◯水城委員 朝鮮学校への補助金については、これまでも福岡県と北九州市において補助金の二重請求が行われていたことが判明しており、私から教育長に対し、本市においても調査を実施するよう求めていたにもかかわらず十分な調査が実施されていない。その結果、朝鮮学校の不正を見抜けないままこれを放置、貴重な市税を補助金として漫然と交付し続け、市民からの住民監査請求により虚偽の報告が判明するなど、行政としてまことにいい加減であり、情けない限りである。監査委員からの勧告を受けたことに対して、教育委員会ではどのような措置をとったのか尋ねる。

△教育長 21年度の補助金については、教育委員会において現地調査、納入業者調査、価格調査などを改めて行った。その結果、実績報告書に添付されたパソコンなどの写真に虚偽があったことと、補助金で購入した体育用品の中に補助対象経費に該当しない消耗品が含まれていたことが確認されたので、これらに係る補助金相当額、計60万7,310円の交付決定を取り消して、福岡朝鮮学園に対して返還を請求し、平成24年6月18日に返還を受けている。また、返還納付日までの加算金17万9,274円についても、6月22日に納付されている。なお、21年度の補助金の実績報告書に虚偽の記載があったことから、24年度の補助金については、現在まで交付手続に入っておらず、過去の他の年度の補助金についても現在、現地調査などの再調査を実施しているところである。23年度及び24年度の補助金の取り扱いについては、これらの調査結果などを考慮し、適切に判断をしていく。

◯水城委員 今、予算が保留状態ということだが、そもそも朝鮮学校は学校教育法第1条で定める学校ではなく、都道府県の認可を受けた各種学校に過ぎない。そして、朝鮮学校の教員は日本の教員免許を取得しようともせず、教育指導要領に基づくことなく、独裁者を絶対化し、礼讃する反日教育が行われている。法令にも、市町村が各種学校に対して補助金を交付すべき定めはなく、憲法や教育基本法の趣旨からもこのような朝鮮学校に補助金を交付することができないと考えられる。しかしながら、本市は市民の血税をもとに、朝鮮学校に対し、日本人が通う私立小中学校への1校当たりの補助金の10倍近い補助金を毎年交付し続けており、全く公平さを欠いている。住民監査請求をきっかけとして朝鮮学校の補助金不正受給が明白となった現在、朝鮮学校への補助金は厳に廃止すべきである。教育長の決意を伺いこの質問を終わる。

△教育長 福岡朝鮮初級学校への補助金については、本市の厳しい財政状況などを考慮し、今後、その必要性を整理し、廃止に向けた検討を行っていく。

◯水城委員 しっかりやってほしい。財政再建は、経費節減に努めなければならない時期なのでよろしくお願いする。次に、財政健全化に向けた取り組みについて問う。景気動向について、平成24年10月12日に発表された月例経済報告では、景気は引き続き底がたさも見られるが、世界景気の減速などを背景としてこのところ弱目の動きとなっているとされ、また、先行きについても世界景気のさらなる下振れなどにより、景気を下押しするリスクとなっている。また、収益や所得の動向、デフレの影響などにも注意が必要であるとされるなど、大変厳しい状況である。本市においても、長引く景気低迷の影響を受け、地域経済や雇用の環境は依然として厳しい状況である。しかしながら、こうした困難の時代であるからこそ、しっかりやってほしいということであり、特に、国や県とのいびつな関係を整理するとともに、本市の財政健全化を推し進めていくことが急務であると考える。このような観点から質問するので、当局の明確な答弁を期待する。初めに、23年度決算における一般会計の実質収支額及び全会計での市債残高について問う。

△財政局長 23年度決算における一般会計の実質収支は約86億円の黒字である。これは、企業業績の回復などに伴い法人市民税を中心に市税収入が約6億5,000万円の歳入超過となったこと、また、特別会計の収支改善により繰出金に約27億円の不用額が生じたことなどが主な要因である。次に、23年度決算における全会計の市債残高は、約2兆4,695億円であり、前年度から約239億円の減となっている。

◯水城委員 23年度予算の執行状況について、予算の流用額及びその内容を尋ねる。

△財政局長 23年度決算における一般会計の予算流用額であるが、約47億8,000万円である。歳出予算額に占める流用額の割合は約0.6%である。流用の主な内容は、道路・交通安全事業が約10億6,000万円、街路事業が約10億6,000万円などとなっており、工事の実施に当たり補償、補填及び賠償金から工事請負費などへの流用を行ったことが主な理由である。

◯水城委員 予算の流用や予備費の内容については、必要最小限度なものであったと受けとめる。予算とは、議会の議決を経たものであり、決して逸脱することがないよう、今後も適切な執行に努めてほしいと思う。さて、決算の状況について、市債残高は縮減されてはいるものの、いまだ2兆4,695億円と非常に高い水準であり、支出の内容、内訳についても社会保障費の増加や高どまりしている公債費などにより義務的経費の割合が増加していることに不安を覚える。これらの状況を考えると、24年度決算の黒字が86億円だったからといって決して楽観視できるものではない。借金に当たる市債はいまだに非常に高い水準である。そこで、本市の預金に当たる財政調整基金の状況、今後の見通しについて尋ねる。

△財政局長 財政調整基金の状況については、基金残高のピークは4年度末の約942億円である。そして、最も少なくなった底は16年度末の約97億円である。18年度以降はおおむね150億円程度の残高で推移をしている。今後も決算剰余金を中心に毎年一定程度の積み立てを行うとともに、必要最小限の取り崩しに努めて、現在の残高である150億円程度確保していきたいと考えている。

◯水城委員 財政調整基金は、ピーク時の15%まで減ってるということだが、大災害などいざというときの財源となるものである。危機管理などきちんと対応できるよう、引き続き確保に努めるよう要望しておく。次に、国との関係において、近年、地方交付税は国から交付される現金で全額交付されるわけではなく、臨時財政対策債という地方自治体の借金である市債で肩がわりさせられている状況である。本市の場合は、23年度は地方交付税が約415億円に対して、臨時財政対策債が約396億円と借金の肩がわりがほぼ半分に迫っている状況である。この臨時財政対策債の増加は、本市の市債残高の削減の取り組みにも大きな影響を及ぼしており、先ほど、高水準と指摘した市民1人当たり市債残高は現在171万円であるが、臨時財政対策債分を除けば155万円である。臨時財政対策債のために本市民全員が16万円もの借金を余計に背負わされている状況である。国の都合で地方自治体の財政運営がより厳しい局面に立たされていることに強い憤りを感じている。本来、国は地方自治体の財政健全化を支援する立場であって、決して歩みをおくらせるようなことをすべきではないと思う。過去の議会においても、国は高金利な公的資金による市債繰上償還ができるようにするとともに、より柔軟な資金調達が可能となるよう、地方自治体の自由裁量の拡大を国に求めていくべきとの意見を述べてきた。国は、資金調達においても地方分権化をもっと進めるべきと考えているが、さらに、国との関係では、24年度は特例公債法案、いわゆる赤字国債発行法案の成立がおくれ、ただでさえ本来よりも少ない地方交付税の交付がおくれるとの報道がなされている。国会運営が政局や政略によって左右され、国の財政運営のみならず地方の財政運営や市民生活にも大きな影響を及ぼしかねず、まさに国の制度や財政運営に地方が翻弄されている状況にあると言える。現政府は地方主権を掲げておきながら、その地方に負担を押しつけるというやり方に市民から怒りの声が上がっている。私が記憶してるだけでも、本市は平成12年からずっと右肩下がりの財政状況である。十三、四年前当時、年間で1,000億円以上の市債を発行していたのである。それから見ても大変厳しい状況に今日あるわけである。そこで尋ねるが、この赤字国債発行法案の成立がおくれていることで国からの地方交付税の交付が一部繰り延べになったと聞いているが、本市の財政への影響はどうであったか。また、この法案の成立がおくれていることに対する所見を問う。

△財政局長 地方交付税については、年4回に分けて交付されるわけであるが、今般の特例公債法案の成立のおくれにより、3回目の9月交付分について交付時期の繰り延べが懸念されていた。当初の交付予定日よりは6日ほどのおくれは生じたが、市町村分については9月10日に全額交付されている。このおくれにより、本市においては一時借入金が増加し、それに伴う金利負担が若干増となったが、影響は軽微であった。ただ、指摘のように、政局や国会運営において特例公債法案の成立がおくれ、地方の財政運営に不安を与えること、また、実際に影響が生じることがあってはならないことだと考えている。国においては、速やかに特例公債法案の成立を図り、地方財政や市民生活に影響を及ぼすことがないよう、必要な措置を講じてほしいと考えている。

◯水城委員 軽微であったということであるが、いずれにしても地方が肩がわりするこの借金にも利息がつくわけである。この利息は国が返すと言っているが、地方交付税がおくれ、最終的には増税で片づけようということに対する市民の怒りの声がやっぱり上がっている。国との関係で、本市の財政健全化が進まない、あるいは必要な施策ができないといったようなことがないよう、国に対しては強く訴えるよう要望をしておく。義務的経費が増加する中で、財政調整基金がピーク時の6分の1程度にまで減少し、また、国は、臨時財政対策債で地方に借金を負わせている上に、自身の借金も毎年大幅に増加させており、本当に頼りにすることができなくなっている。このような状況の中で、臨時財政対策債を含めて市債残高をさらに削減していく必要があるわけであるが、本市の市民1人当たりの市債残高は、財政局でつくった財政のあらましによると、22年度決算では、大阪市に次いで2番目に高く、また、19政令市の単純平均で約115万円である。本市の市民1人当たりの市債残高を政令市平均並みの115万円程度にまで削減し、将来にツケを回さないようにする必要があると考えているが、本市も中間生産人口が減少することを発表している。こういう事実があるわけであるから、毎年度の市債発行額を適正にコントロールし、市債残高の削減につなげていく必要がある。市債発行額の抑制目標をさらに定めていくべきだと思うが、所見を問う。

△財政局長 都市の活力を維持し、発展をさせていくためには、一定程度の市債を活用し、選択と集中による戦略的な投資を行っていくということが重要であると考えているが、一方で、過度な市債の活用は財政の硬直化につながることから、できる限り市債残高の増加を招くことがないよう財政規律を保っていくことが必要であると考えている。このため、市債については、発行額を将来世代への過度な負担とならない水準に抑制するとともに、残高を中長期的に着実に減少させることとしており、現在策定中の行財政改革プランの中で具体的な目標設定を行っていく。

◯水城委員 現在においても大変厳しい状況の中、平成24年5月に発表した本市財政状況の見通しでは、今後、社会保障費や老朽化した社会資本の維持更新経費が大きく増加することから、4年間で851億円もの財源不足が発生すると見込まれているが、この財源不足をどのように解消していくのか尋ねる。

△財政局長 今後4年間に24年度当初予算並みの投資的な事業を実施するとした場合には、約851億円の財源不足が生じるという試算をしている。現在策定中の行財政改革プランにおいて、歳入面については市税等の収入率の向上や税源涵養などによる確保を検討中である。また、歳出については人件費の抑制や組織のスリム化等による行政運営の効率化、個人給付減免制度の見直しや受益者負担などの行政サービスの見直し、また、公共施設の維持管理コストの縮減や施設の必要性、あり方などの見直しなどを検討している。これらの徹底した見直しを行うとともに、投資の選択と集中を行い、必要な財源を確保し、財政の健全化に取り組んでいく。

◯水城委員 徹底した見直しを行うとのことであるが、現在検討している取り組みで851億円の財源不足が全て解消されるのか。

△財政局長 851億円の財源不足を既存事業の見直しのみで解消することは困難と認識しているが、現在策定中の政策推進プランにおいて投資の選択と集中を図り、必要となる施策や事業を厳選した上でこれを推進する財源を確保するため、行財政改革プランを策定し、歳入の確保、事務事業の徹底的な見直しを行うとともに、毎年度の予算編成においてもさらなる見直しや財源確保を推進していく。

◯水城委員 先日、第1委員協議会において行財政改革プラン等の報告があったが、その中で見直しを検討している項目には、我が会派が10年以上前から言い続けてきた技能労務職員の退職不補充もあり、率直に言うと遅過ぎる、もう少し早くから取り組みを始めていれば、今、これほど苦しい状況になかったのにという感想を持っている。先ほどの答弁でもあったとおり、既存事業の全ての見直しを行ったとしても851億円の財源不足を解消することは困難であるということであるならば、単に民間委託化からもう一歩進んで必ずしも市がやらなくてもよいものは全てやめる。例えば、これは私の考えであるが、市立高校や市営地下鉄を民間に移譲してしまうような抜本的な取り組みを行うべきであると意見として述べておく。20年後、人口推計を見ると、高校生が減って市立高校は不要になることは明らかである。20年後に誰も引き取り手がない状況であたふたするのでなく、今のうちに教育に熱心な民間に売却しておくべきと考える。民でできることは民に任せるということは、単に経費削減だけではなく、民間業者の収益につながり、このことが市税の増加につながるとともに、雇用の創出にもつながる。市全体にとって非常に大きな効果があるので、積極的に推進するよう要望しておく。ただし、大企業だけが請け負えるような仕組みづくりでは偏りが生じる。現在、グループ企業がどんどん大きくなって指定管理をとっているけども、中小企業、特に小企業にも雇用が生じるようになるよう、重ねて要望しておく。次に、歳入の確保について問う。経済の劇的な好転が望めず、市税そのものの大幅な増加が見込めないのであれば、行政が営業マンとなりさまざまな歳入確保策を講じる必要があることを10年以上前から議会を通じて述べてきた。今ほど厳しい状況でないうちから、市が取り組みを始める前に、歳入確保策として観光政策やフィルムコミッションによるロケの誘致やインターネットを活用した購買に取り組むよう訴えていたし、広告収入の拡大、未利用地の売却についても折に触れて、それこそ口が酸っぱくなるほど述べてきた。一つ一つの取り組みは今も財源不足の額に比べればスズメの涙のような金額かもしれないが、これの積み重ねである。もっと早くからもっと強力に推進していれば、ここまでの状況にならなかったのではないかと思うと残念でならない。また、平成23年に開催した22年度決算特別委員会において我が会派より、収入未済金の回収について即効性があることや、きちんと税金を納めている市民との法のもとの平等、課税法定主義の観点から、また、公平性の観点から取り組みの状況を質問したところである。そこで、収入未済金の状況について尋ねる。まず、市税について、決算額、収入率及び収入未済額の過去3年間の推移について尋ねる。

△財政局長 市税決算額の過去3年間の推移であるが、21年度2,642億1,000万円余、22年度2,653億9,000万円余、23年度2,682億6,000万円余となっている。次に、市税収入率の過去3年間の推移であるが、21年度95.6%、22年度95.8%、23年度96.1%となっている。次に、収入未済額の過去3年間の推移であるが、21年度107億8,000万円余、22年度103億3,000万円余、23年度94億9,000万円余となっている。

◯水城委員 収入未済額は少し減少傾向にあるようだが、それでもまだ約95億円もある。それでは、市税の収入未済額に対する取り組み及び成果について尋ねる。

△財政局長 主な収入未済額対策として、新規の小額滞納者に対する納税お知らせセンターによる早期納税の呼びかけ、年末等の休日の全市一斉催告の実施、納税に誠意がない滞納者に対する財産調査、差し押さえ、公売など滞納処分の強化などに取り組んだ結果、23年度の市税収入率は22年度の収入率95.8%を0.3ポイント上回る96.1%を達成した。

◯水城委員 少しでも収入未済額が減少するよう、引き続き取り組むようお願いしておく。次に、諸収入の収入未済額についてであるが、生活保護返還金とはどのようなものか。また、生活保護返還金の過去3カ年の収入済み額、収入率及び収入未済額の推移について尋ねる。

△保健福祉局長 生活保護費返還金とは、保護受給者が年金の遡及受給など資産があるにもかかわらず、すぐに活用ができないため保護を受けた場合や、就労による収入の未申告など不実の申請により保護を受けた場合など、受け取り過ぎた生活保護費を返還してもらうものである。また、保護費返還金の過去3年間の収入済み額は、21年度4億5,109万円余、22年度6億1,214万円余、23年度6億445万円余、収納率は平成21年度38.7%、22年度45.2%、23年度42.2%、収入未済額は21年度6億1,342万円余、22年度6億7,516万円余、23年度7億2,547万円余である。

◯水城委員 収納率については一進一退でなかなか向上しないようである。では、収納率向上に向けた取り組みとその成果について尋ねる。

△保健福祉局長 返還の原因となる不正受給等の未然防止を図るため、生活保護開始時や家庭訪問時、収入申告書提出時に届け出義務についての周知徹底を図るとともに、稼働収入、各種年金、生命保険等の調査により収入状況の変化を早期に把握することなどにより、適正実施に努めている。また、不正受給等により返還金が生じた場合には、返還対象者の支払い能力などに配慮しながら、状況の変化に応じて納付しやすい支払い方法へ変更したり、支払いが滞っている者へ督促状を送付するなど、収納対策を実施している。23年度の収納率については、21年度から3.5ポイント、金額にして1億5,336万円余増加するなど、ここ数年改善傾向にあり、取り組みに対する一定の成果が上がっているものと考えている。

◯水城委員 収入未済とは、本来、払ってもらうべきものが入ってきていないということである。公平性の観点からも、取りやすいところから取るのではなく、たとえ難しくとも取らなければならないところから取るということでなければならない。市民からの不評の声は、「市は取りやすい人からどんどん取るけど、うるさい人や怖い人から取らんもんね、逃げるもんね」という声がよく聞かれる。逃げ得、ごね得は断固として許さないという決意を持ち、積極的な収納率向上の取り組みを推進するよう要望しておく。一方で、財政再建の中でもう一つ、県との関係においては問題が多々あり、やってもらうべきことをやってもらっていないというこの不平等に強い憤りを感じている。まずは、県税における本市域の税収額は幾らになるのか尋ねる。

△財政局長 県税における本市域内の税収額については、23年度においては、推計であるが、約2,100億円となっている。

◯水城委員 答弁のとおり、本市民は県民として多額の県民税を納めているにもかかわらず、医療費助成事業に係る県の補助金については、他の市町村とは異なる取り扱いを受けている。この事業が他の市町村と同様に補助金が受けられていた場合、23年度の決算ではどれぐらいの金額が本市民に還元されていたと想定できるのか尋ねる。

△保健福祉局長 医療費助成事業に対する県の補助金については、他の市町村と同様の補助率を適用し23年度決算をもとに積算した場合、子ども医療は約15億9,000万円、重度障がい者医療は約13億7,000万円、ひとり親家庭等医療は約4億4,000万円となる。23年度に県から交付を受けた決算額と比較すると、子ども医療は約8億3,000万円、重度障がい者医療は約13億6,000万円、ひとり親家庭等医療は約1,000万円、合計約22億円の補助金の交付を受けてない状況である。

◯水城委員 本市民はきちんと県に税金を納めているのであるから、本市に居住する県民にも等しく受益が及ぶべきであり、他市町村と同様に補助金を受け取ることは至極当然の権利である。県に対して強く改善を求めていくべきと考えるが、格差の解消に向けた取り組みの状況を尋ねる。

△保健福祉局長 格差の解消に向けた取り組みについては、毎年、県に対する提言の中で最重点項目として要望活動を行っている。また、平成24年6月から、県と両政令市による実務連絡会議が設置され、懸案事項として協議を行っているところである。今後も北九州市と連携を図り、県に対して粘り強く改善を働きかけていく。

◯水城委員 しっかりやってほしい。次に、権限移譲の観点から、こども病院・感染症センターが現在担っている感染症指定医療機関の返上について尋ねる。私が、21年度当初の議会において、新型インフルエンザ発生の危険性を指摘し、早急にこども病院と感染症センターを分離すべきと要望した直後の6月に、本市においても新型インフルエンザが発生し、私が指摘した危険性が現実のものとなっている。その後も、委員会や本会議の場において早期の指定返上について県との協議を早く進めるよう要望し続けた結果、平成21年9月に感染症指定医療機関の指定辞退について県に届け出を行ったということであるが、それから既に3年が経過しており、まだ返上が完了していないことに大変憤りを感じている。これまで県との協議の状況並びに指定感染症病床返上の進捗状況について尋ねる。

△保健福祉局長 平成21年9月に県へ感染症法第38条に基づく感染症指定医療機関の指定辞退の届け出を行ったところであり、その後も引き続き返上時期などについて県との協議を行っている。進捗状況については、平成24年3月末に第2種感染症病床の2床を返上し、その受け入れ先として同年4月から国立病院機構九州医療センターが新たに感染症指定医療機関として指定を受けており、こども病院・感染症センターの指定病床は第1種2床、第2種20床、合計22床となっている。

◯水城委員 21年度には新型インフルエンザが発生したが、こうした感染症はいつ発生するかわからないし、発生してからでは手おくれである。本市の病院としてはもう限界であるということも認めているから、局長みずから先頭に立って、腰の重い県に強く働きかけ、一日も早い指定返上を進めるべきであると考えるが、局長の決意を問う。

△保健福祉局長 こども病院・感染症センターの現実的な対応能力を考えると、感染症指定医療機関の指定返上は差し迫った重要な課題であると認識している。県においては、引き続き代替医療機関との具体的な協議を進めていると聞いているが、本市としても一日も早い指定返上に向けて、県に対しさまざまな機会を捉えて働きかけていきたいと考えている。

◯水城委員 次に、財政再建を進める上での障がいとなる県との二重行政の問題について、現在、本市域内に流れる県管理の二級河川は42河川あり、その延長は約143キロとなっている。平成11年、15年、21年の豪雨により発生した二級河川に起因する公共災害復旧の実施箇所を見てみると、県管理の二級河川から越水等が原因で護岸が壊れた箇所の災害復旧工事は、そのほとんどが道路管理者である本市において復旧しているが納得いかないものである。県管理の二級河川の護岸が豪雨により崩れたのであるから、その復旧は河川管理者である県が実施するのは当たり前であり、なぜ本市が復旧しなければならないのか。また、本市による復旧工事の財源はどうなっているのか尋ねる。

△道路下水道局長 指摘の県管理の二級河川において、本市が護岸の災害復旧工事を行った箇所については、護岸沿いに道路が整備されているいわゆる河川護岸と、市が管理する道路が一体となった兼用工作物となっている。このような兼用工作物が被災した場合については、国が定めた公共土木施設災害復旧事業査定方針に基づき、いずれかが復旧の効用が大きい施設の管理者が災害復旧事業を行うこととなっている。護岸とともに道路が損壊した場合には、沿道の土地利用や道路のネットワーク機能が損なわれるなど市民生活や経済活動にも大きな影響が生じるため、道路管理者として早急な取り組みを行ったものである。また、財源については、3分の2が国庫補助金、3分の1が市債となっており、市債の元利償還金の95%については地方交付税での措置がなされることとなっている。

◯水城委員 本来、河川管理者である県が復旧すべきものを、兼用工作物である道路の管理者が復旧の効用が大きいという理由で復旧が進められているが、それはちょっとおかしいと思う。本来、河川管理者である県において、近年、梅雨前線による集中豪雨及びゲリラ豪雨に対応した改修がスピーディーに実施されていれば被災箇所も減っていたはずである。さらに、その復旧の緊急性を理由に、道路管理者である本市が復旧工事を毎回毎回実施していることは、大変大きな疑問がある。本市が行う復旧工事の財源を見ると、復旧費の3分の2が国庫補助金、3分の1が市債となっており、市債の大部分が先ほどから述べている地方交付税で措置されているとは言え、本市の借金がふえているという事実がある。また、危機管理の観点からも、早急な改修が望めないことは市民に甚大な被害を及ぼすことにもつながる。やはり管理権限を一元化し、事務の効果的、効率的な実施を目指して二級河川の権限移譲によりその諸問題を解決すべきである。そこで、二級河川の権限移譲について現在の状況を問う。

△道路下水道局長 二級河川の権限移譲については、平成7年に成立した地方分権推進法を受けた平成12年の河川法改正により、国及び都道府県に管理権限のある一級河川及び二級河川が政令指定都市において管理することが可能となっている。これを受けて、本市は、平成15年に市内を流れる二級河川42河川のうち起点と終点が市内で完結する28河川について段階的に権限の移譲を受ける方針を決定し、県と協議を進めている。現時点での県からの回答としては、国の出先機関改革や一級河川の管理権限移譲の議論の経過等を踏まえながら、継続検討が必要とのことである。権限移譲に当たっては、財源や人員もあわせて移譲を受ける必要があると認識しており、今後とも県と協議を行っていく。

◯水城委員 県は本市民から多額の税金をもらっているにもかかわらず、本市に対して不合理な取り扱いを行っており、こうした県とのいびつな関係の結果、市債も増加し、財政健全化の障がいになっているので是正すべきである。特に、最初に述べた医療費助成に関する県の補助金については、私は、以前から市長がかわるたびに強く是正を要望している。子どもの医療では前々市長である山崎市長は、補助率が他市町村の2分の1に対し12分の1であるが、年間約1億3,000万円、前の市長の吉田市長は、6分の1からさらに4分の1までの補助率を引き上げ、2億7,000万円の増額、合計で年間約4億円分の補助金を県から取り戻している。強く要望すれば全くできない話ではない。むしろ積極的にやってほしい。高島市長は、本市民のために幾ら補助金を取り戻すのか、決意を問う。

△市長 医療費助成制度に対する現在の県補助金制度においては、政令指定市とその他の市町村との間の補助率の格差が設けられているということに関しては、指摘のとおり、本市民も等しく県税を負担しているわけであるから、早急に是正されるべき重要な課題であると認識している。また、財源確保の面からも大きな課題であり、現在検討を進めている行財政改革プランの素案においても、国、県との財政負担及び財源の適正化を図る中で、この補助率の是正を今後取り組むべき最重点の項目として位置づけているところである。今後も議会の支援を得ながら、また、北九州市とも連携して、県に対して早急な是正をしっかりと求めていきたいと考える。

◯水城委員 厳しい状況であり、財源根拠のない扶助費や医療費はもう限界が来ている。こういったところを整理すれば随分楽になるので、しっかりお願いしておく。次に、高島市長は、常々施策を推進する上で選択と集中が大切であると言っており、国のように人気とりのために借金をふやしながらばらまき続けるということがあってはならない。そこで、23年度は、高島市長になってから初めての決算であるが、どのような選択と集中を行ったのか尋ねる。

△財政局長 23年度は「あんしんFukuoka未来創造予算」と位置づけて、保育所待機児童や特別養護老人ホーム入居待機者の解消など、市民生活に密接した課題の解決に迅速に取り組むとともに、地下鉄七隈線の延伸に向けた計画調査、観光資源の強化など、都市の魅力に磨きをかけ、活力にあふれたまちづくりに向けて積極的な投資を行う一方で、市債残高は着実に減少させるなど、投資と財政規律とのバランスをとりながら選択と集中を行ったところである。

◯水城委員 高島市長が力をいれている観光施策について一言要望等を述べる。現在、本市では、寄港するクルーズ船を契機と捉え、さまざまな施策を講じているが、中国人観光客は天神を中心とする都市部での買い物や食事を楽しむことが多く、一過性のものに過ぎない。また、オープントップバス事業についても、国から民間企業の収益事業と認定され、まちづくり交付金の3,700万円が交付されず、この額を市民に負担させることになった。本来、観光とは、地元の歴史を紹介することが基本であり、福岡城はもちろんのこと、幕末、明治、大正とすばらしい偉人が福岡におり、例えば西郷隆盛や高杉晋作などと親交が深かった幕末の志士、西公園の参道に銅像がある平野二郎国臣を初め、平尾山荘公園には高杉晋作をみとった幕末の女流歌人である野村望東尼など、知名度の高い歴史資源が数多く眠っているので、こうした歴史資源を掘り起こし、魅力を高め、恒常的に国内外から観光客が市内のさまざまな地域に入っていく仕掛けづくりが必要である。そうすることで地域にお金が落ち、地域が潤い、それに伴って商店街など地場の企業も活性化していく。ひいては市税収入も向上する好循環が生まれてくると、私は、平成22年9月議会で述べている。まず、観光の基本は、きちんとそういう地域に引き込むための歴史を掘り起こした基盤づくりが必要である。26年度のNHKの大河ドラマの主演が福岡藩初代藩主になった黒田長政の父である黒田官兵衛に決定したということもあるし、ぜひともこの地元の歴史に重きを置いた観光施策に力を入れシフトしてほしい。23年度の反省を込めて強く要望しておく。さて、今後の財政見通しでは、歳入の大きな伸びが見込めない中、社会保障費や老朽化した社会資本の維持更新経費の増加から851億円もの財源不足が見込まれているということを聞いたが、実際は、これに加えて少年文化会館や拠点体育館など大規模施設の整備が予定されている状況である。財源の見通しが非常に厳しい中、財源根拠なき大型箱物は批判の対象になる。決算状況を踏まえて、どのようにしてこれらの事業を行っていくのか尋ねる。

△財政局長 高度成長期に整備をされ、老朽化していく大規模施設については、将来にわたって施設の安全性や市民サービスを引き続き確保していくために、適切に管理更新、また、再整備を行っていく必要がある。アセットマネジメントの推進やPFIなど民間活力を取り入れるなど、過度に財政負担が生じないように平準化を図りながら、着実に実施をできるように取り組んでいく。

◯水城委員 PFI等を導入していくとの答弁であるが、導入に当たっては、第三セクターなどを使ったまがいもののPFIではなく、業者にきちんと責任を負わせる真のPFIに取り組むよう要望しておく。承知のとおりPFIとは、公共施設等の設計、建設、維持管理及び運営に民間の資金とノウハウを活用し、公共サービスの提供を民間主導で行うということで、効率的かつ効果的な公共サービスを図る考え方であり、もともとイギリスで1992年から財政再建の観点で導入されている社会資本整備の手法である。このPFIについてその必要性を以前から指摘し、平成12年の第1回定例会においても質問しているところである。本市は、(株)福岡クリーンエナジーをこのときつくったが、49%が九電、51%が本市の出資ということで、これを第三セクターといってマスコミも報じたわけであるが、ずっとこの十数年研究していくと、やはり、日本的なPFIが多過ぎる。本市に負担がかからない真のPFIを行うよう強く要望をしておく。最後になるが、4年間で851億円の財源不足という厳しい見通しの中、大規模施設の整備も行わなければならないということであれば、同時にしっかりと見直しを行わなければならない。現在、本市において政策推進プランを策定しているところであるが、これも財源の裏打ちがなければ絵に描いた餅となってしまう。先日、報告のあった財政健全化に向けた取り組み項目について、実際に見直しを行っていくに当たっては、内外からさまざまな声があると思う。決して骨抜きにせず、やり遂げてほしい。大規模な民営化など大なたを振るえるかどうかは、まさしく市長の政治判断になるが、最後に、財政健全化に対する市長の覚悟を伺い質問を終わる。

△市長 本市の厳しい財政状況にあっても、市民の納得と共感を得ながら将来にわたって持続可能な市政運営に取り組んでいきたいと考えている。そのために現在、政策推進プラン及び行財政改革プランの策定を行っており、今後4年間の政策推進に必要な財源確保に向けて既存事業の総点検を実施しているところである。事業の見直しに当たっては、市民の生活の質を高め、将来の成長にとって真に必要となる施策や事業の重点化を図るというビルド・アンド・スクラップの精神で、聖域なき見直しを私の責任でしっかりと取り組んで、持続可能な財政構造を構築していきたいと考える。





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