三角 議員の議案質疑

◯36番(三角公仁隆)登壇 私は、みらい福岡市議団を代表して、議案第1号、平成25年度福岡市一般会計補正予算案のうち、学校施設空調整備事業について質問いたします。
 私は、昨年の9月議会において、福岡市ではデパートなどの商業施設だけでなく、病院や交通機関などの公共施設でも、また、小中学生よりも体力があると思われる高等学校など、ほとんどの場所にエアコンが整備されている中で、一部の学校を除き、子どもたちが1日の大半を過ごす小中学校の教室にエアコンがないというのは、我が福岡市の未来を担う子どもたちが学習する環境としてはいかがなものかと、昨年夏の気候の状況や熱中症の発生状況、さらには家庭でのエアコン普及率、文部科学省の学校環境衛生基準など、さまざまな具体的なデータを示しながら小中学校の各教室にエアコンの整備を行っていただけるよう質問を行ったところであります。その際、暑さ対策としては教室には扇風機を設置しており、今後も環境負荷や財政負担の軽減手法なども含め、暑さ対策の検討をすると、これまでと余り変わらない答弁をされております。しかし、今回、教育委員会がその重い腰を上げられ、小中学校の教室にエアコンを整備される方針を打ち出されたことは、これまで我が会派でも要望してきたものであり、非常に喜ばしいところであります。
 そこでお伺いいたしますが、この時期に補正議案での予算計上となぜなったのか、その理由を予算案の内訳とあわせてお聞かせください。
 以上で1問目の質問を終わり、2問目以降は自席にて質問いたします。


◯教育長(酒井龍彦) まず、補正予算案に空調設備の整備費を計上した理由についてお答えをいたします。
 学校施設空調整備事業は、夏季の学習環境を整えるため、小中学校の全ての普通教室に空調設備を整備するものでございますが、事業を進めるに当たっては、本市の厳しい財政状況を考慮すると、国からの交付金を財源として最大限活用することが不可欠であります。今回、平成25年度の国の予算において交付金の確保の見通しが立ったことから、これを活用することにより、教室温度が高く、早期に整備が必要な小学校15校について、平成26年9月の供用に向けて整備するため所要の事業費の計上を行い、予算の補正をお願いするものでございます。
 次に、今回の補正予算案の内訳でございますが、小学校15校の設計を含めた施工費用が6億9,300万円、PFI手法の導入可能性について調査を行う費用と平成27年度以降の整備対象校の立地や校舎配置、室外機設置場所などの現況を把握するための調査費用が1,987万円余でございます。以上でございます。


◯36番(三角公仁隆) 私は昨年9月の質問に際して、福岡市は暑さ日本一、7、8月の月平均気温が連続で30度Cという見出しで大きく報道されていましたが、その後の新聞でも、1日の平均気温が30度Cを超えた日数が41日と日本で一番多かったとの報道もありました。また、猛暑日と言われる35度Cを超える日数についても、全国でも上位に位置していたそうです。昨年の夏は、これらのことからも、本当に福岡市は日本一暑かったようです。さらに、気象庁が公表しています平均気温などの観測データを、観測が開始された120年ほど前からたどってみますと、温暖化の傾向ははっきりしており、特に最近はその傾向が強まっております。昨年のような暑さは一過性のものではなく、今後も続いていくものと考えられます。また、私は質問を行うに当たり、9月に市内の小学校を回ってみました。9月ですので少し涼しさを感じたとはいえ、学校にいる子どもたちの額や鼻の頭には汗が噴き出ている子どもたちもたくさんいました。「学校は暑かね」と聞くと、「学校に来るとはいいとばってん教室は暑かよ、おじちゃん」と答えてくれました。私もこの教室で何時間も授業を受けるとはやおいかんやろねと感じ、これだけの猛暑だと教室の中で熱中症などになる子どもがいるのではないかと心配し、教室へのエアコン整備を進める必要があると痛切に実感いたしました。
 そこでお伺いいたしますが、今回の補正予算案は15校分の整備費と現況調査やPFI導入可能性調査などの費用とのことでしたが、この学校空調設備整備事業を進めるに当たり、全体の事業費はどのくらいを見込んでおられるのか、また、事業をどのような形で進められるのか、お考えをお伺いいたします。


◯教育長(酒井龍彦) 現時点での概算による全体事業費でございますが、小中学校の約3,000教室に空調設備を整備するための費用は約62億円と見込んでおります。このうち3分の1に当たる約21億円につきましては国からの交付金を見込んでおり、本市の負担額は差し引きで約41億円となると考えております。整備のスケジュールにつきましては、今回の補正予算で平成26年8月までに小学校15校の整備を行った後、27年度からの3年間で、年間50ないし60校程度の整備を行い、各年とも9月の供用開始を目指すことといたしております。
 なお、事業の実施に当たりましては財政負担の軽減と平準化を図り、迅速に整備するため、PFIを中心に事業手法を検討することとしており、可能な限り整備期間を短縮するよう努力してまいります。以上でございます。


◯36番(三角公仁隆) ただいまの答弁によりますと全体事業費が約62億円と見込んでおられるということですが、予算的には非常に大規模な事業となります。また、本市の財政負担も41億円と見込まれますし、考えますと設置後のランニングコストも年間数億円かかることが想定されます。この厳しい財政事情の中、大変大きな負担となるかもしれませんが、子どもたちの健康確保と人材育成のための投資と思えば、本市の未来を考えますと大変重要な事業であると言えます。
 現在考えてあります15校で約7億円ということは、単純計算で1校当たり4,700万円ほどになります。我が会派が常々申し上げておりますが、今こそ事業の選択と集中をさらに加速させ、スピード感を持って聖域なき行財政改革に積極的に取り組み、そこから捻出される財源を生かせば、年間の整備校数を1校でもふやしていくことは可能ではないでしょうか。さらには校舎の屋上に太陽光発電設備を設置し、得られる電力を利用してランニングコストを削減することなど環境保全や省エネなどの教育の観点からも、また、財政負担軽減策としてもエアコン設置とあわせて太陽光発電の設備を検討する必要があるのではないかと考えます。加えてPFI手法により事業を進めることを検討されているとのことですが、積極的に地場企業を活用されることを考えられることは、本市経済が活性化することにもつながることだと信じております。
 最後に、今回、子どもたちの健康を第一に考えられ、教室へのエアコン整備に踏み切られたことには、高島市長の英断に敬意を表するものであります。がしかし、本市の子どもたちを取り巻く厳しい環境は暑さだけではありません。PM2.5対策は待ったなしです。市長、今年度も含め4年間は長過ぎませんか。どうか最高の努力をしていただき、少しでも早く全校整備を行っていただきますよう強く要望いたしまして、私の質問を終わります。よろしくお願いします。






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