笠 議員の代表質疑 | ||
◯47番(笠 康雄)登壇 おはようございます。みらい福岡の笠でございます。 私は、みらい福岡市議団を代表して、平成26年度予算案並びに諸議案に対し、質問と提案をしてまいります。 詳細については、補足質疑や総会質疑で我が会派の議員が質問してまいりますので、代表質問では大局的な見地から何点かだけを質問いたします。 福岡市の未来を考える私たち、みらい福岡市議団の質問と提案に対しまして、市長の明快な答弁を期待するものであります。 さて、我が国経済を見ますと、安倍政権が発足し1年が経過しましたが、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の三本の矢、いわゆるアベノミクスによる一体的な取り組みの政策効果から、家計や企業のマインドが改善し、消費などの内需を中心として景気回復の動きが広がっています。また、企業収益の増加から設備投資が持ち直しつつあり、雇用、所得環境が改善していくもとで、景気回復の動きが見込まれているところです。 また、昨年9月には、2020年の東京オリンピック開催が決定され、試算によると、外食、旅行関連や建設、小売業を中心に、2020年までの7年間で約3兆円の経済波及効果や約15万人の雇用創出など、中期的にも景気回復への足がかりになることが期待されています。 実態経済の回復に明るい兆しが見え始めてきたところであり、景気回復への期待感から短期的には変動はあるものの、おおむね円安、株高傾向が続いており、この20年間なし得なかったデフレ脱却と経済再生がいよいよ実現されるとの期待が高まっています。我が会派も現政権の経済政策については、大いに期待したいと思います。 一方で、安倍政権は、こうした経済再生とあわせて、プライマリー・バランスについては、国、地方を合わせ2015年度までに、2010年度と比較して赤字の対GDP比を半減し、2020年度までには黒字化を目指すという具体的な目標値を示し、中期財政計画に基づき財政健全化に取り組むこととされています。このため、平成26年度予算においては、社会保障を初めとする義務的経費等を含め、聖域なく予算を抜本的に見直した上で、経済成長に資する施策に重点化を図ることとし、デフレ脱却、経済再生と財政健全化の両立の実現を目指しているところです。 このような状況にあって、福岡市においては、昨年、人口が150万人を超え、日本の人口が減少する中で全国的にも元気のあるまちとなっております。 福岡市の第9次基本計画の中では、生活の質の向上と都市の成長の好循環をつくり出すという基本戦略が掲げられております。元気なまちがさらに元気になり、九州や日本の元気を牽引する役割を果たしていかなければなりません。 また、この基本計画を推進するに当たって、具体的な事業を示した4年間の中期計画である政策推進プランと行政運営の仕組みや手法の見直し、財政健全化の取り組みを示す行財政改革プランが昨年策定されました。本市では、これまでも行財政改革に積極的に取り組み、スリムで効率的な行財政運営に努めてきたことは承知しており評価いたしておるところでありますが、地方分権や少子・高齢化がさらに加速していく中、基礎的自治体が対応すべき課題はますます増加し、多様化していくことは間違いありません。 私は、この2つのプランが車の両輪のように連動して着実に実施されることによって、基本計画に掲げた戦略が実現されるものと期待しています。 平成26年度は両プランの2年目であり、プランに掲げた項目を具体的に実行していく年であります。ぜひ任期の最終年度を迎えられる市長には、この政策推進と行財政改革に不退転の覚悟を持って取り組んでいただきたいと思います。 そこで、福岡市政の今後の方向性について、我が会派がさきに行った施策要望の五つの柱に沿って幾つか質問をしていきたいと思います。 まず第1は、我が会派がこれまでもさまざまな指摘や提案を行ってきた、行財政改革の推進についてであります。 財政の健全化については、市債の残高は平成16年度末のピーク時には約2兆7,100億円にも上っていたものが、着実に縮減を続け、平成26年度末見込みで約2兆4,300億円となり、ピーク時から約2,800億円も縮減させていることは評価できるところであります。しかしながら、市債残高を市民1人当たりに換算すると、約165万円と依然として政令市の中では高い水準にあります。市債は金利上昇のリスクをはらんでおり、現在は超低金利ではありますが、国の国際収支が悪化する中で、今後金利が上昇すれば、新たに発行する市債や借換債、変動金利の市債などに係る金利負担の増大を招いてしまいます。 また、歳入面では、税収の伸びや消費税率の引き上げに伴う地方消費税交付金の増加にもかかわらず、その影響により、臨時財政対策債を含めた実質的な地方交付税が減少するため、一般財源総額の大幅な増加は見込めないところであります。 一方、歳出面においては、老朽化した公共施設の更新や社会保障費の増大などに伴い大幅な増加が見込まれており、本市財政は引き続き厳しい状況にあります。そのため、時代の変化に伴って、必要性や緊急性が薄れた事業、あるいは相対的に優先度が低い事業については、これまで聖域とされてきた分野であっても思い切った見直しを行うなど、さらなる選択と集中が必要になってまいります。 先ほども申し上げましたが、昨年、行財政改革プランが策定され、その中には具体的な改革項目が挙げられています。 まず、外郭団体の見直しについては、事業の必要性や団体の存在意義について検証を行い、人員や運営コストの削減、団体の統廃合をより強力に進めていかなければなりません。行財政改革プランの部門別計画として策定された外郭団体改革実行計画に基づいて、スピード感を持って徹底した見直しに取り組んでいただきたいと思います。 また、組織のスリム化については、本市ではこれまでの職員削減の取り組みにより、人口当たりの職員数は政令市の中で日本一少ない人数となっておりますが、地方分権や少子・高齢化の加速など、今後も増加する課題にしっかりと対応していくためには、必要な部署には適正に職員を配置しながら、縮小すべきところは厳しく見直しを行っていくなど、引き続き取り組みを進めていくことが必要であります。我が会派は、これまで一貫して民間にできることは民間に任せるという考え方に立ち、思い切った民間委託を行っていくことが不可欠であると指摘してまいりましたし、特に現業職員の見直しについては、これまで繰り返し主張してきたところであります。 行財政改革プランにおいても、現業職員関係の事務事業の見直しや退職不補充の項目が盛り込まれ、既に守衛や自動車運転手、調理業務員、学校用務員などの業務の見直しが進められており、そのことについては高く評価するものであります。しかしながら、ほかにも環境事業所のごみの直営収集業務などは民間での担い手が充実している分野であり、積極的に見直しを推し進めていかなくてはなりません。 また、民間に業務を任せる制度として、指定管理者制度が平成18年度から本格的に導入が始まり、本市においてもわずか数年で現在387の公の施設において、市民サービスの向上と経費の削減を目指し、指定管理者による管理運営が行われております。 民間に任せるという点では、引き続き取り組んでいく必要がありますが、余りに急速に広げた結果、さまざまな問題も出てきているのではないでしょうか。例えば、指定管理の受け手となる地場の企業やNPO団体などの育成が間に合っておらず、地場の企業等が受注できず、大手企業が受注しているのではないでしょうか。一旦受注してしまえば、指定期間の5年間はほかの企業が受注できない状況であります。指定管理で運営されている施設は地元に密着したものが多く、地元の実情を的確に把握できる地場の企業やNPOが受注できるよう推進していくべきであると考えます。 市立幼稚園のあり方については、昨年2月議会で市立幼稚園を全て廃園することが適当であるという方向性を示されたところであります。 市立幼稚園の園児は、福岡市内における3歳から5歳の幼児のわずか1%しか在園しておらず、市立幼稚園を全て廃園したとしても、私立幼稚園での受け入れが可能な状況にあること、また、私立幼稚園は市立幼稚園同様、幼稚園教育要領に基づいた教育がされていることなどが、これまで議会でも報告されています。つまり、市立幼稚園の園児については、人数についても、教育内容についても、既存の私立幼稚園で対応することが可能であり、市立幼稚園については廃園の方向で検討することが妥当であると考えております。 補助金の見直しについては、期間の設定や公募の原則化、定期的な外部監査の実施など、全庁的なルールとして補助金ガイドラインが策定されておりますが、このガイドラインに基づき、特に長期にわたる補助金について、徹底した見直しを実施しなければなりません。 道路占用料については、電柱に取りつけられた看板において、過去の経緯から既得権のように許可されながら、その道路占用料単価は、広告事業者が得る広告料単価の6分の1から10分の1程度と非常に低額であるため、これまでも公平性の観点から事業収益に見合うよう増額すべきと指摘したところであります。平成26年度から一部については占用料が増額されるようですが、据え置きの部分もまだあるようで、少なくとも他政令指定都市並みの額に増額する必要があります。歳入の確保の観点からも、道路占用料は貴重な財源であり、本来であれば相応の額を負担させるのは当然のことであります。こういった取り組みを一つ一つ積み上げていくことで、財源の確保を確実に行っていく必要があります。 行財政改革プランに掲げられた取り組み項目について幾つか取り上げましたが、これらを含め、プラン全体を着実に実施し、また、数値目標を達成することで、行財政改革を実現していく必要があります。改革に当たっては、さまざまなしがらみや既得権益からの圧力があるかもしれませんが、プランが絶対に骨抜きになってはなりませんし、確実にその取り組みを進めていただきたいと思います。行財政改革は、トップである市長が一寸たりともぶれることなく、不退転の決意で取り組んでいただきたいと思います。 また、真の改革は、市長ひとりでできることではありません。職員1万人の一人一人がみずから考え行動し、解決していこうとする思いが改革の原動力となります。そして、全ての職員は、それぞれの職場で市長の代理者として改革を実行していきます。そのためには、市長が大きな理念や考え方、いわば大義と最終的な責任は自分がとるという覚悟を明確に示し、あとは職員の力を信じて任せ切ることが最も重要ではないかと考えます。 市長には、ぜひ職員の声に耳を傾け、職員のやる気を高めながら、全庁一丸となって行財政改革に取り組んでいただきたいと思います。 そこで、今後、どのように職員のモチベーションを維持向上させながら、財政健全化や外郭団体の見直し、定員管理など、先ほど掲げた項目について取り組み、真に実効性のある行財政改革を進めていくのか、御所見をお伺いします。 次に、第2は、子どもたちを健やかに育むまちについてであります。 福岡市の将来を担う子どもたちは大切な宝であり、私たち大人は子どもたちの未来に大きな責任を負っています。誰もが安心して子どもを生み育て、子どもたちが健やかに成長することができる環境を整備することは、社会全体の責務であり、本市においても最も重要な課題の一つであると言えます。 全国的には、少子化や人口減少社会の到来が既に大きな問題となっていますが、福岡市の人口は転入超過による社会増が続くことなどから、今後160万人まで人口が増加すると予測されています。 また、出生数については、若者が多く子育て世代の割合が比較的高いため、ここ数年間は1万4,000人程度で推移しており、就学前の児童数も平成25年3月末で約8万3,500人と増加を続けている状況にあります。 このように、人口が増加し、子どもの数もふえているという状況は、福岡市が子育てがしやすく暮らしやすいまちであるとの評価を受けているとも言えますが、近い将来、福岡市でも生産年齢人口の減少が見込まれているところです。このような中、これからも住みやすい都市としてさらに発展していくためには、誰もが仕事と生活を両立させ活躍できる社会とすることが重要であり、そのためにはワーク・ライフ・バランスの推進はもちろん、安心して子どもを生み育てられる環境づくりが不可欠であり、その意味でも保育所の果たすべき役割は非常に大きくなっています。 しかしながら、福岡市の保育所入所は狭き門で、保育所の入所申し込み者数は増加を続けており、平成25年4月の待機児童数は6年ぶりに減少したものの695人を数え、依然として深刻な状況が続いています。まだまだ厳しい経済・雇用情勢の中で、生活のため夫婦共働きをしたいのに保育所に入れないといった切実なる声を多く聞きます。働きたくても保育所が決まらないので働けないといった状況は、早急に解消すべきであります。 高島市長は、平成26年度当初の待機児童解消に向け、さまざまな手法により保育所整備に取り組まれていることは十分に承知していますが、市民が安定して安心な生活を送る上で、保育所の待機児童の解消は緊急を要する重要な問題であり、早急に実現するとともに、その状態を維持していくことが求められています。 今後とも、保育需要の高まりに対応して、さまざまな手法により保育所整備を進めていくなど、今後、待機児童の解消に向けてどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 待機児童解消に向けてしっかり取り組んでいただくこととあわせて、学校に就学した子どもたちを健やかに育むためには、その子どもたちが一日の大半を過ごす学校の学習環境を整備充実することが不可欠であります。 現在、一般家庭のエアコン普及率は90%を超えております。また、商業施設のみならず、交通機関や病院などの公共空間でもほとんどエアコンが整備されております。 このような中、昨年の夏、福岡市は7月、8月と2カ月連続で平均気温が30度になり、日本一暑い都市との報道がなされ、まさに酷暑との言葉が当てはまる暑い夏でした。また、気象庁の資料によりますと、福岡市の気温は観測が開始された120年前から常に上昇傾向にあり、特にこの30年間はその上昇傾向が顕著になっております。 このように、一段と夏の暑さは厳しさを増してきており、子どもたちにとって夏の教室は学習に集中できる空間とは言いがたい状況であります。子どもたちの健康を考慮し、学習環境を整えるために、昨年、我が会派が要望しておりました小中学校へのエアコンの整備に踏み切られたことについては高く評価いたします。しかしながら、財政的な課題などから3カ年での段階的な整備を予定されているようですが、既にエアコンの全校整備を終えている京都市では、中学校を従来の事業手法により2カ年で整備し、並行してPFI事業により小学校を1年で整備し、全小中学校の整備を2年間で終えています。 また、エアコン設置後の運転費用についても、太陽光発電などを活用し、コスト削減に工夫することも必要であります。 年々厳しさを増している暑さの中で、熱中症だけでなく、アトピー性皮膚炎や、近年特に注目され増加が懸念されるPM2.5の影響など、子どもの健康を第一に考えると一日も早い整備が求められますが、エアコンの早期整備など学校の学習環境の充実についてどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、第3は、自然と人に優しいまちについてであります。 都市における緑は、ヒートアイランド現象の緩和やCO2の削減、大気の浄化や騒音の緩和、鳥や昆虫など生き物のすみどころとなるなど、自然にとって重要な役割を果たします。 また、住む人にとっては、快適な住環境をもたらすとともに、レクリエーションや健康づくりの場ともなり、訪れる人にとっては、まちの魅力や風格を感じさせるとともに、憩いや潤い、安らぎの空間ともなり、人にとっても重要な役割を果たします。 福岡市においても、これまで都市の緑をふやすために公園や街路樹の整備などに取り組まれ、一定の成果は上がってきたと思います。しかしながら、まちを歩きますと、街路樹が整然と並んでいるすばらしい通りもある一方で、中には街路樹がなくなって植樹ますだけが残って、並木が歯抜け状態になっている通りも見受けられます。整然と並んでいるはずの街路樹がところどころ抜けていては、全体として機能するはずの街路樹がその役割を十分に果たせていません。特に福岡市の中でも天神、博多といった多くの市民、観光客が集まる都心部で、そういった場所が見受けられますと非常に残念でなりません。 都心部の緑は、訪れる人の目に触れる機会も多く、環境負荷軽減の観点からも、また、福岡市を魅力ある都市にしていくため、都心部の景観や快適性の向上のためにも、特に緑を必要とするエリアであります。福岡市は他都市に比べ特に街路樹については、けやき通り以外はまちの特性に寄与している箇所が非常に少なく、また、緑があふれているという印象も持てません。公共による緑の整備だけでは、量的にも、また、管理の面でも十分行き届かないなど限界があります。全てを行政だけで担うのではなく、民間活力を誘導しながら、官民協働で緑化を推進するための持続的な仕組みづくりが重要であると思います。 また、周辺部の緑においては、松くい虫の被害により危機的な状況があります。福岡市の海岸線は、古来から万葉集にも歌われ、緑なす松に覆われており、江戸時代以降は積極的な植林によって松原が形成され、人々の営々たる営みにより、背後地を潮風、砂から守る防風、防潮、防砂林として保護されてきました。松林から出る松葉や枯れ枝は燃料や肥料として市民生活を支え、白砂青松の景勝地としても市民に親しまれてきました。その松林も昭和40年代以降放置され、本来持つ機能や美しさがなくなってしまい、さらに追い打ちをかけるように松くい虫の大発生により、その姿を変貌させてしまいました。 一方、お隣の唐津の虹ノ松原を見ると、過去の松くい虫による大被害の後、徹底した防除対策と市民による松葉かきや松の里親制度などをつくり、行政と一緒になり保全活動を行った結果、松原が見事に維持され、100年を超えるような見事な松が栄え、市民の誇りとして保全されています。 福岡市においても、さらなる松くい虫被害対策の強化と、市民と一緒になり美しい松原をつくり育てる対策を早急にとるべきと考えますが、御所見をお伺いします。 福岡市では、新・緑の基本計画を策定し、風格ある緑豊かな環境共生都市・福岡を目指してという基本理念を掲げ、市民や企業と協力して緑を守り、つくり、育てていくとしておりますが、単に緑の量をふやすということではなく、全国にアピールできるような、イメージアップにつながる緑をふやしていくべきだと思います。金沢の松などは、今も私の記憶に残っておりますし、ランドマークとして金沢の歴史と風格のシンボルとなっています。 このような視点も含め、福岡市における緑をふやし、緑を保全するためのこれまでの取り組みと、新・緑の基本計画に基づき今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、第4は、文化薫り、魅力と活力にあふれたまちについてであります。 政策推進プランにおいても、重点分野の一つとして福岡の成長を牽引する観光・MICE、都心部機能強化の推進を掲げられていますが、コンベンションなどMICEの開催は、経済効果のみならず新たな雇用の創出や税収増など、さまざまな波及効果をもたらします。 また、MICE関連企業は多く、施設やホテルなどを初め、飲食、お土産、タクシーやバス、会場設営など、地場企業を中心に幅広い経済効果が生まれるのはもちろん、大規模な国際コンベンションの開催は、福岡の国際化の進展や都市のPRにつなげることができます。そのため、これまでも官民連携による誘致活動によりさまざまなMICEが数多く開催されており、日本政府観光局が発表している統計では、国際会議開催件数において、福岡市は4年連続で東京都に次ぐ国内第2位を維持しています。 一方で、国内外におけるMICE誘致の都市間競争は激しさを増しており、民間の力を最大限活用した戦略的な誘致と受け入れ環境整備が重要でありますが、コンベンションゾーンの2つの展示施設の稼働率は8割を超え、平成24年度には52件も利用を断っており、その経済的な機会損失は190億円にもなると聞いています。今後、コンベンションシティづくりをさらに推進し、都市の成長につなげていくためには、福岡の強みを生かしながら、官民連携した誘致体制といったソフト面から受け入れ環境整備のハード面まで、総合的な取り組みが必要ではないでしょうか。 このような中、広域交通の拠点となる博多駅地区、天神地区と並び、国内外の人や物が交流する拠点として重要な地区である中央ふ頭、博多ふ頭におけるウォーターフロント地区については、マリンメッセや国際会議場などのMICE機能が集積するとともに、中央ふ頭においては、国際定期旅客船の就航や東アジアを中心としたクルーズ船が寄港するなど、海外から多くの方々が来訪されており、福岡都心部の新たな拠点となる高いポテンシャルを持っています。 しかし、ウォーターフロント地区については、物流機能と人流機能が混在しているなど、せっかくのポテンシャルが生かされていないことから、既存埠頭の再編も含めた博多港全体の機能再配置が必要です。福岡市の地理的特性上、これまでも、そしてこれからも海に向かって市街地が発展していく特徴があります。そうした中、現在の博多港は決して世界に誇れる港になっていないのではないでしょうか。荒津ふ頭から香椎パークポート、アイランドシティへと続く港を、50年先といった長いスパンでどのように再編し用途を変換していくのか、あるいはその場合の交通等のインフラをどのように整え、世界に誇れる港にしていくのかを念頭に置いた上で、このウォーターフロント地区を考える必要があると思います。 また、先日、マリンメッセで開催されたモーターショーに行きましたが、周辺では来場者による渋滞が発生し、駐車場も満杯の状況になっており、コンベンションゾーン内の歩行者や車の円滑で快適な動線を確保する交通インフラの整備とあわせて、公共交通の利便性を高める必要があります。 今後、MICE誘致を強化していくためには、ソフト、ハード両面での強化が必要であると思いますが、どのようなコンベンションシティづくりに取り組んでいかれるのか、また、ウォーターフロント地区の再整備を推進するに当たって、50年から100年先の将来像を描き、第2期展示場など、MICE機能の強化とあわせて、港湾の人流機能の強化を図るとともに、市民から親しまれる都心部の新たな拠点の形成に取り組む必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。 長期的な展望を早く表明していただき、それに向かい着実に事業を進めていくことは非常に重要であります。そういった長期的に取り組んでいく事業と並行して、市民が利用している施設の運営など市民に身近な事業についても着実に行っていく必要があります。 福岡市には、市民体育館や九電記念体育館、各区の体育館、プールなど数多くの体育施設が設置されており、多くの市民の方々の健康増進の場として、あるいは日ごろの練習の成果を発揮する場として、大きな役割を果たしています。これらの体育施設には指定管理者制度が導入されており、スポーツ教室の開催や施設の維持管理等において、民間事業者のノウハウを生かした運営が図られ、一定の成果が得られていると感じています。 一方で、残念なことですが、市側の工夫が足りないため、せっかくの民間事業者の強みを十分生かし切れていない部分もあります。例えば、使用料収入の取り扱いですが、これらの体育施設では、使用料収入は市の歳入になり、利用者がふえても減っても指定管理者の収入に関係がないため、指定管理者にモチベーションが働きません。また、開館や閉館の時間、一こま当たりの利用時間なども市に決められているため、市民ニーズに即した柔軟な運営も困難となっています。 使用料収入の増減が指定管理者の利益に反映される利用料金制度の導入や、指定管理者によるきめ細かな工夫や柔軟な対応が可能になるよう見直しを行えば、これまで以上に指定管理者のノウハウが発揮され、制度の目的である市民サービスの向上や経費の削減につながるのではないかと考えますが、御所見をお伺いします。 また、福岡市では、これまで地域コミュニティの活性化に向けて、さまざまな支援や取り組みがなされてきましたが、その実現のためには、市民が集い活動できる場の確保が重要であると考えます。 福岡市においては、小学校区ごとに設置されている公民館が地域住民に最も身近な活動の場であると同時に、生涯学習活動を推進し、地域コミュニティ活動を支援する拠点として重要な役割を担っております。現在、公民館は150坪化への整備が進み、その機能がますます充実していることから、多くの市民に喜ばれていますが、平成22年度以降はほぼ年3館の整備となっており、以前は1年間に7館から10館程度整備していたころと比べると、整備数が大きく減少しております。 行財政改革の観点から、事業の選択と集中を図ることは重要であり、まさにこのような地域コミュニティ活動に直結する施設こそ、最優先で予算措置し、スピード感を持って整備促進を図るべきではないでしょうか。未整備校区の地域住民は一日も早い150坪化への整備を心から待ち望んでおります。市長が地域を大事と言われるのであれば、地域コミュニティ活性化のためにも、年間整備館数をふやすべきと考えます。 そのほかにも、地域交流センターの整備や小中学校の余裕教室について、コミュニティ活動の場として積極的に活用するなど、コミュニティ施設の整備や既存施設の有効活用についてどのようにお考えなのか、御所見をお伺いいたします。 次に、第5は、安全で安心して暮らせるまちについてであります。 福岡市では、かつて急速な都市化とモータリゼーションの発展に道路整備が追いつかず、各所で交通事情が著しく悪化し、特に市の中心部につながる道路では慢性的な渋滞が生じていた時代がありました。このため、都市高速道路や福岡外環状道路のほか、市の中心部から各方面に延びる幹線道路の整備が進められ、いわゆる放射環状型の道路ネットワークの構築が図られたことにより、渋滞問題に対して一定の成果を上げてきたところであります。 今後とも、必要な道路整備の推進により、主要な拠点へのアクセス強化を図ることはもちろんですが、次の段階として、既存の交通基盤を有効に活用しながら、より快適な市民生活を支える交通体系の確立が望まれているところであります。 都市高速道路については、平成24年7月に福岡高速5号線が全線開通し、1号線とつながったことで環状化が図られ、移動時間の短縮はもちろん、外回り、内回りのルート選択が可能になるなど、交通の利便性が飛躍的に向上したところであります。環状化以降の都市高速道路全体の利用台数の増加はそのあらわれであり、現在においてもこれを堅持している状況であることから、もはや都市高速道路は福岡の都市活動に欠かせない重要な交通基盤の一つであると感じております。 この事業計画から整備完了までの長きにわたり、多大な困難を乗り越えてこられた多くの関係者の皆様の御尽力に改めて敬意を表するものであります。しかしながら、今の状況は計画時に描いた図面どおりに道路を整備したにすぎません。必ずしも利用者のニーズに合っているとは言えず、あるいは想定と異なるニーズが生じたことなどで改善が必要となっており、柔軟な対応が必要になっております。 具体的な例を申し上げますが、南区の都市高速道路の出入り口である野多目ランプから姪浜方面に向かう場合、移動距離が短くて済む外回りは福重ランプでおり、途中頻繁に渋滞の発生する国道202号の交差点の通過を含め、約2キロメートルも下の一般道を走行しなければなりません。このほかにも、城南区や早良区の南部地域と一方向のみの出入り口である、いわゆるハーフランプである西公園、愛宕、姪浜などの区間では同じような状況となっています。福岡市の南部と沿岸部の地域は、都市高速道路の環状化で大きく近づきましたが、実は依然として不便さが残っているのであります。 福岡市の都市活動に欠かせない重要な交通基盤の一つである都市高速道路のさらなる利便性向上へ向け、ハーフランプを両方向の利用ができるフルランプとするため、再点検を進めるべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 また、我が会派は、かねてから西区西部地区における高速道路、鉄道等の料金体系の是正について要望してまいりました。本市の西区西部地域の住民は、都市高速道路を利用する場合、福岡前原道路を通行し、それぞれ別に通行料金を支払わなければならず、ほかの福岡市民と比べて高速道路料金について不公平感があることは否めません。 福岡市では、それぞれの道路を管理する道路公社や、その設立団体である福岡県に対し、高速道路の利便性向上について働きかけた結果、これまで都市高速道路との乗り継ぎ箇所である福岡西料金所にしか設置されていなかったETCシステムが、全線においてことしの3月20日に供用開始となる運びとなりました。このことにより、福岡前原道路の各料金所における渋滞緩和やキャッシュレス化など、利用者の利便性向上が図られることが期待され、関係された皆様には大変感謝する次第であります。 しかしながら、都市高速道路に目を向けますと、ETCシステム搭載車に対する通行料金について、土曜日には5%、日祝日や夜間、早朝の時間帯には10%の割引がなされておりますが、ガソリンや軽油など燃料費の高騰により、物流業界が大きな打撃を受けている状況を目の当たりにいたしますと、さらなる割引が必要であると実感しております。 そこで、まずはETC割引の効果を十分検証するために、社会実験を実施すべきであります。都市高速道路の通行料金については、ETC割引の拡大など通行料金のあり方について検討すべきであると考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、都心部における地下通路のネットワークについてであります。 天神地区においては、地下鉄、地下街を中心に、民間ビルがつながる面的な地下ネットワークが広がっておりますが、一方で、地下鉄天神駅から天神南駅区間の乗りかえが不便であることや、地下鉄から市役所に至る経路は民間ビル等を介しており、わかりづらい上、バリアフリー化の必要があるなど、さまざまな課題があると考えております。 更新期を迎えた建物が数多く見られる中、天神地区のさらなる魅力向上に向けたまちづくりの一環として、新たな地下ネットワークを整備するなど、充実強化を図るべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、農山漁村地域など市街化調整区域の活性化についてであります。 市街化調整区域は、福岡市は大都市でありながらも、都心からほど近い場所で豊かな山の緑や海などを体感でき、また、農水産物などの自然の恵みにより、食べ物が新鮮でおいしいまちとして本市の魅力を高めている地域であります。 一方で、地域の人口が減少し、また、農林水産業などの産業が衰退する傾向にあり、集落のコミュニティの維持が課題となっている地域もあります。そのような地域では、地域の活力を取り戻していくため、産業の振興とともに、集落内の皆さんが住み続け、また、地区外の方の受け入れも可能となるような定住化の促進など、住民の皆様の声を聞きながら取り組む必要があると考えます。 都心部の開発も都市の成長のために重要ではありますが、市街化調整区域についてもしっかりと活性化に取り組んでいただき、福岡市全体がバランスのとれた成長をしていくことを期待するものであります。 そこで、産業振興や人口減少対策など、農山漁村地域など市街化調整区域の活性化について、御所見をお伺いいたします。 以上、みらい福岡市議団を代表して質問してまいりましたが、冒頭でも申し上げましたように、我が国の経済情勢は明るい兆しが見えてきたものの、まだまだ予断を許さない状況であります。しかしながら、このような状況であっても、しっかりと将来を見据え、百年の計をもって市政運営を行う必要があると思います。 未来を担う子どもたちが、豊かな自然と共生の中で夢を育み、明日への希望に胸を膨らますことができるまち福岡を実現するためには、常に新たな時代の潮流を的確に見きわめながら、事業の選択と集中をさらに進め、持続可能な財政構造を確立しなくてはなりません。 今後、期待されるデフレ脱却と経済再生による景気回復に乗りおくれることなく、生活の質の向上と都市の成長の好循環をつくり出すためにも、市長は若さという特徴を生かしつつ、職員としっかりと対話を重ね、コミュニケーションを図りながら職員とともに切磋琢磨していただきたいと思います。 そして、みずからが職員の先頭に立って実行力を発揮し、1万人の職員が一丸となってさまざまな施策や課題に鋭意取り組まれることを期待し、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。 ◯市長(高島宗一郎)登壇 ただいま、みらい福岡市議団を代表して笠議員より御質問いただきましたので、まず、私から御答弁をいたします。 最初に、行財政改革の推進についての御質問にお答えをいたします。 まず、行財政改革につきましては、社会保障関係費や公共施設の更新、修繕などの経費が引き続き増加するなど、福岡市の財政が依然として楽観できる状況にない中にあっても、平成25年に多くの市民の皆様とともに策定いたしました総合計画を着実に推進し、元気なまち・福岡の活力を生活の質の向上につなげ、都市の成長との好循環を実現していくことが必要であります。 健全な財政運営につきましては、この好循環の実現に向け、政策推進プランを踏まえて投資の選択と集中を図りつつ、平成25年に策定いたしました行財政改革プランに基づき、重要施策の推進や新たな課題への対応に必要な財源を確保するため、歳入の積極的な確保や経常的な経費の見直しを行うとともに、市債残高の縮減に向けた取り組みを引き続き進めてまいります。 具体的な取り組みにつきましては、平成26年度予算の編成に際し、一般職の退職手当の段階的引き下げなどによる人件費の抑制や、市税収入率の向上、市有財産の有効活用などによる歳入の確保などの取り組みにより、52億円の財源の捻出を行っております。また、平成26年度末の全会計の市債残高についても、平成25年度末と比較して146億円縮減することとしております。 次に、外郭団体の見直しにつきましては、第3次外郭団体改革実行計画に基づき、外郭団体で実施している事業の必要性や随意契約を含め、外郭団体で事業を行うことの妥当性などについてさらなる検証を行い、団体の縮小や統廃合を進めるとともに、福岡市からの派遣職員や補助金などの投入資源の最少化に着実に取り組んでまいります。 次に、組織のスリム化につきましては、最少の経費で最大の効果を上げるという地方自治の基本理念にのっとり、これまで他都市に先駆けて家庭ごみの収集、保育所の設置、運営、地下鉄の駅業務などについて民営化や民間委託などを行い、効率化、効果的な職員配置に取り組んできたところであります。平成26年度の組織編成におきましては、重要施策の推進や新たな課題へ対応するため、組織の新設や増員を行う一方で、内野保育所の民営化や地下鉄の駅業務の民間委託を行います。 また、小学校の給食調理等業務の民間委託や学校用務員の業務執行体制の見直し、守衛業務や自動車運転業務の見直しなどを行い、技能労務職全体で73名を減員いたします。技能労務職に係る事務事業につきましては、原則退職不補充とした上で、業務内容を精査し、民間活力の導入を図るなどの見直しを進めているところであり、今後とも、より適正な人員配置となるよう努めてまいります。 今後とも、施策や事業のさらなる選択と集中を行うとともに、全ての事務や事業について、民間が担うことができるものは民間に委ねるという考え方に立ち、局区の自律経営のもと組織のスリム化に取り組んでまいります。 次に、指定管理者制度につきましては、施設の特性に応じて適正な指定管理者の選定を行うことが重要であると認識しております。選定に当たっては、応募資格や財務審査において地場企業などに不利にならないよう配慮しているところであります。今後とも、地場企業などが指定を受けやすくなるよう、施設の目的や性質に応じ、提案価格よりもサービス内容や市の施策への貢献の面を重視して評価するなど、制度の柔軟な運用に努めてまいります。 次に、補助金につきましては、平成25年10月に策定いたしました補助金ガイドラインに基づき、積極的に公募化すること、終期を設定すること、非公募とする場合や補助制度を延長する場合には、その理由をホームページなどで公開することとしており、これらにより見直しを進めてまいります。 また、道路占用料につきましては、電柱添架看板などを含め、今後とも、国、県、他都市の状況や動向を踏まえながら、より適切なものとなるよう検討してまいります。 これらの行財政改革を進めるに当たりましては、職員一人一人がその意義を認識し、改革へのモチベーションを高めることができるよう、市政の方向性をしっかりと職員に示してまいります。その上で、それぞれの職員と対話を重ね、コミュニケーションを図り、市役所一丸となって行財政改革を推進してまいります。 市立幼稚園のあり方に関する御質問につきましては、後ほど教育委員会から御答弁いたします。 次に、子どもたちを健やかに育むまちについての御質問にお答えをいたします。 まず、待機児童の解消につきましては、就学前児童や働く女性が増加していることなどから、今後の保育事業に対応するため、平成26年度は800人分の保育に必要な整備に係る予算を計上しており、平成25年度の補正予算で前倒ししております400人分と合わせて、合計1,200人分の保育に必要な整備に取り組んでまいります。 次に、保育所整備に当たりましては、地域の保育需要なども踏まえ、新築、既存保育所の増改築、学校の余裕教室を活用した分園整備、認可外保育施設の認可化、小規模保育事業など多様な整備手法により、きめ細やかな対応を行ってまいります。あわせて、保育コンシェルジュを各区に配置し、保育を希望する保護者に対して就労や世帯の状況などをお聞きした上で、個々の世帯のニーズに合った情報提供や助言を行うなど、相談体制の充実に取り組んでいるところであります。 また、保育士の人材を確保していくため、保育士の処遇改善を行うとともに、潜在保育士などへの就職あっせんや就職支援研修の実施など、保育士の人材確保のための支援の充実を図ってまいります。 学校の学習環境の整備に関する御質問につきましては、後ほど教育委員会からお答えいたします。 次に、自然と人に優しいまちについての御質問にお答えをいたします。 まず、福岡市における松くい虫被害対策の強化などについてでありますが、農薬散布や枯れた松の伐倒、搬出などの防除をさらに徹底してまいります。また、海岸部に広がる松林は白砂青松の美しい景観を形成し、防風、防砂などの機能を有していることから、今後、市民やNPOなどと協働で松葉かきや植林などの保全活動を行い、美しい松林づくりに取り組んでまいります。 次に、緑の保全や創出につきましては、これまで特別緑地保全地区の指定などにより、市街地に残る貴重な樹林を守るとともに、レクリエーションやスポーツの場として、また、子どもたちの健やかな成長やお年寄りの健康づくり、社会参加の場としても活用できるさまざまな公園を整備してまいりました。けやき通りや大博通りなど、福岡市を代表する街路樹は歳月とともに風格を増しており、福岡城さくらまつりや福博花しるべなど、毎年市民や福岡市を訪れる人々が楽しみにする花や緑を生かしたイベントも着実にふえております。 さらに、地域の緑づくり活動への支援や人材育成、緑化啓発などの緑を通して人と人、人と地域のつながりがより深まり広がっていく取り組みも行ってまいりました。新・緑の基本計画は、市民や企業が主体となった緑のまちづくりを大きな柱とし、福岡市の緑づくりを牽引するプロジェクトとして、都心部における緑づくりを掲げております。今後、この計画に基づき、都心部においては花や緑に彩られたまち並みが訪れる人々を引きつける魅力的な景観づくりを、民間活力も生かしながら進めてまいります。 また、地域の御協力もいただきながら、公園や街路樹などの緑を生かし、コミュニティの活性化につなげる取り組みも検討するなど、風格ある緑豊かな環境共生都市を目指し、都市の魅力づくりや豊かな地域づくりに取り組んでまいります。 次に、文化薫り魅力と活力にあふれたまちについての御質問にお答えをいたします。 まず、MICE機能の強化などにつきましては、国内外の都市でも誘致に力を入れており、福岡市においてもMICE誘致の国際競争力を向上していく必要があります。このため、ソフト面では国内外のマーケティングから開催の受け入れ支援や産業振興のためのビジネスコーディネートまでをワンストップで行う専門的な推進体制を立ち上げ、産学官民一体となってMICE誘致を積極的に進めてまいります。 また、ハード面については、コンベンションゾーンにおいて、現状施設の稼働率がほぼ上限に達しており、平成24年度は年間52件のお断りをしている状況も踏まえて、会議場や展示場、宿泊施設、宴会場などのMICE関連施設が一体的、機能的に配置された拠点を目指し、第2期展示場などの整備やゾーン内のにぎわいの創出と回遊性の向上に向けた検討を進めてまいります。 都心部ウォーターフロント地区につきましては、博多駅地区、天神渡辺通り地区と並ぶ都心部の新たな拠点として中長期的な視点に立って機能強化を図る必要があります。今後、中央ふ頭、博多ふ頭地区における再整備については、民間の活力やノウハウを生かしながら、MICE機能や海のゲートウェイ機能のさらなる強化を図り、都心部とのアクセス性や回遊性を高めるとともに、日常的なにぎわいを創出してまいります。これらの施策により、福岡市の成長エンジンとなる都心部の国際競争力の強化を図るとともに、貴重な海辺空間を生かし、市民を初め、国内外の方々に親しまれる魅力的なウォーターフロントづくりに取り組んでまいります。 次に、体育施設における指定管理者制度の見直しにつきましては、利用料金制度の導入を初めとする指定管理者のモチベーションを高めていく取り組みが、市民サービスの向上や経費の縮減にもつながるものと考えております。今後、利用者の安全性や公平性などにも配慮しつつ、指定管理者の更新時期なども見据えながら検討してまいります。 次に、コミュニティ施設の整備や既存施設の有効活用についてのお尋ねでありますが、公民館の整備につきましては、100坪公民館の150坪化整備方針を踏まえ、生涯学習活動と地域コミュニティ活動の拠点として計画的に進めてまいります。 また、地域交流センターの整備につきましては、早良区中南部地域において、早期の整備に向け取り組んでまいります。 さらに、小中学校の余裕教室につきましても、教育委員会と連携して、学校教育上支障がない範囲で積極的な活用に努め、地域のコミュニティ活動を支援してまいります。 次に、安全で安心して暮らせるまちについての御質問にお答えをいたします。 まず、都市高速道路の利便性向上へ向けたランプの再点検につきましては、環状化に伴う交通状況の変化を見きわめつつ、関係機関と協議しながら取り組んでまいります。 また、都市高速道路のETC割引につきましては、都市高速の経営の健全性の確保を基本としつつ、利便性の向上や交通政策上の観点から調査検討を進め、福岡北九州高速道路公社及び県と協議してまいります。 次に、天神地区の魅力の一つである地下街を中心とした地下歩行者ネットワークにつきましては、民間建築物の計画的な機能更新の誘導などとあわせ、官民連携によりさらなる充実強化に向けた検討を進めてまいります。 最後に、農山漁村地域など、市街化調整区域の活性化につきましては、自然環境や農地、林地などの保全に努めるとともに、農林水産業や観光などの産業振興、定住化の促進など、住民と一体となって活性化に取り組んでまいります。 以上、市政各般にわたり御答弁いたしましたが、承りました御意見、御提言に留意し、市民の代表である議会との対話を真摯に進めてまいります。 私は、経済的な成長と安全、安心で質の高い暮らしのバランスがとれたコンパクトで持続可能な都市づくりを進めることにより、人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市を目指して、全力でこれからの市政運営に取り組んでまいります。よろしく御協力のほどお願いいたします。 ◯教育長(酒井龍彦) 教育に関する御質問に対しまして、教育委員会からお答えをいたします。 市立幼稚園のあり方につきましては、市立幼稚園を全て廃園する方向性をお示しし、その後の説明会やパブリックコメントなどでさまざまな御意見をいただいたことから、市立幼稚園ごとのスケジュールや幼小連携の充実に向けた方策、廃園した場合の跡地の活用などについて検討を続けているところであります。 また、こども未来局において、地域の教育、保育などの状況を把握する福岡市子ども・子育て支援に関するニーズ調査が進められており、今後、その状況も見ながら基本方針を決定してまいります。 次に、学校の学習環境の整備につきましては、平成25年夏の猛暑に際し、複数の学校から教室内で暑さのために児童生徒が体調を崩しているといった報告がなされ、教職員や児童から聞き取り調査をしたところ、これまで以上に夏の教室の環境は厳しいとの認識に至りました。そこで、児童生徒が健康で快適に学習できる環境を整えるためには、できるだけ早期に教室に空調設備を整備する必要があると判断したものでございます。 事業の実施に当たりましては、財政負担の軽減と平準化を図りながら迅速に整備する必要があるため、民間の資金と技術力を最大限活用できるPFIを中心に事業手法を検討するとともに、国の補正予算を活用して、可能な限り整備期間を短縮するよう努めてまいります。以上でございます。 |
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