三角 議員の質問と答弁

○40番(三角公仁隆)登壇 私は、みらい福岡市議団を代表して、ごみ収集における直営業務の見直しについて、給食費の滞納対策について、保育料の滞納対策について、確かな学力の向上について、特別支援教育について、以上5点について質問いたします。
 最初に、ごみ収集における直営業務の見直しについて質問いたします。
 私は、平成22年度決算特別委員会において、市の施設から排出されるごみの収集については市の直営で行われているが、民間収集業者に委託すれば市の経費の削減が図られ、さらには委託を受けた民間収集業者は企業収益の増加につながり、ひいては市税の増加につながるなど、その効果は非常に大きいと考え、直営業務の見直しについて検討すべきと質問し、それ以降も市に要望を続けてきたところです。
 平成27年度から、市の施設から排出されるごみについては民間収集業者に委託を開始したと聞いております。
 そこで、平成27年度から開始されています民間収集委託とはどのような内容なのか、お尋ねします。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○副議長(石田正明) 星子環境局長。
○環境局長(星子明夫) 民間収集委託とは、平成26年度まで環境局環境事業所が実施しておりました福岡市の本庁舎、区役所、学校、公民館等、約560施設のうち、博多区南部及び南区の119施設から排出されるごみの収集運搬を平成27年度から一般廃棄物収集運搬業者など民間の18社に委託しております。なお、委託に当たり、環境事業所の3つの係のうち博多区那珂に配置しておりました第3係を廃止しております。以上です。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) ただいまのお答えにありました民間収集委託業者18社に対する委託の内訳はどのようになっているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(石田正明) 星子環境局長。
○環境局長(星子明夫) 内訳につきましては、ごみは一般廃棄物収集運搬業者6社に、古紙、ペットボトル、空き瓶は資源回収業者10社に、蛍光管、土砂は産業廃棄物収集運搬業者2社に委託しております。以上です。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) 民間活力の導入により、平成27年度から環境事業所の係を1減し、市内2カ所となったとのことですが、職員配置数はどのように変わったのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(石田正明) 星子環境局長。
○環境局長(星子明夫) 平成27年度の環境事業所の職員配置数につきましては、1係の減に伴い、平成26年度の55名から12名減の43名となりました。以上です。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) それでは、民間収集委託に切りかえたことによる効果として、環境事業所第3係が収集に要していた費用及び本年度の民間収集委託に係る費用が幾らだったのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(石田正明) 星子環境局長。
○環境局長(星子明夫) 平成26年度末までで廃止した係が収集に要していた費用につきましては、平成26年度で人件費が約8,750万円、施設維持等に係る物件費が約440万円、車両整備等経費が約130万円、合計で約9,320万円でございます。
 また、平成27年度における民間収集委託に係る費用につきましては、委託料等を総額で約5,800万円計上しております。以上です。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) ただいまのお答えで、直営収集から民間収集委託に切りかえることで約3,500万円以上の経費の削減効果が見込まれています。さらには、事業所があった土地、建物についても、有効活用が考えられます。
 このように、ごみ収集における直営業務の見直しは、本市の財政健全化や民間の業務拡大による雇用の創出につながることから、全庁一丸となって積極的な民間活力の導入を着実にスピード感を持って進めていただくよう要望いたしまして、この質問を終わります。
 次に、私はこれまで議会で、滞納対策について幾つかの指摘も含め、その取り組みについて質問してきました。
 まず、給食費の滞納対策についてお尋ねいたします。
 給食費の過去3年間の収納率と未納額、さらに各年度末の累積滞納額はどう推移しているのか、お尋ねします。
 
○副議長(石田正明) 酒井教育長。
○教育長(酒井龍彦) 学校給食費の収納率と未納額につきましては、平成24年度は収納率98.8%で未納額6,590万円余、25年度は収納率98.9%で未納額6,022万円余、26年度は収納率98.9%で未納額5,793万円余でございます。
 また、各年度末の累積滞納額につきましては、平成24年度末が3億472万円余、25年度末が2億8,692万円余、26年度末が2億6,503万円余でございます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) それでは、次に、就学援助や教育扶助など保護者が直接給食費を負担していない人数と、全体に占める割合はどのようになっているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(石田正明) 酒井教育長。
○教育長(酒井龍彦) 就学援助や教育扶助の制度を利用することにより、保護者が直接学校給食費を負担していない人数につきましては、平成26年度末において就学援助が2万7,811人、教育扶助が3,295人で、合計3万1,106人でございます。この児童生徒が全児童生徒に占める割合は27.4%でございます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) 給食費の納付方法とそれぞれの納付に占める割合と納付方法別の収納率はどのようになっているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(石田正明) 酒井教育長。
○教育長(酒井龍彦) 学校給食費の納付方法につきましては、原則として口座振替としております。口座振替によることができない場合には、納付書を使って銀行などの金融機関の窓口で納めることができることとしております。納付方法別の納付に占める割合につきましては、平成26年度では口座振替による納付が96.3%、納付書による納付が3.7%であり、それぞれの収納率は口座振替による納付が99.3%、納付書による納付は89.3%でございます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) やはり納付書より口座振替のほうが、かなり納付率が高いようですね。それでは、口座振替の登録をふやすため、どのような方策を立てられているのか、また、再振替はどのように行われているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(石田正明) 酒井教育長。
○教育長(酒井龍彦) 口座振替の登録をふやすための方策につきましては、まず小学校の新1年生の保護者には、入学説明会の際に学校給食費の口座振替について文書により説明をいたしております。また、口座振替の登録のない全ての保護者に対し、年度当初に学校給食費の決定をお知らせする際に、口座振替依頼書を同封するとともに、8月には再度、口座振替を勧める文書と口座振替依頼書を送付し、登録をお願いしております。
 次に、月末の納期限の日に口座振替ができなかった場合の再振替につきましては、再振替による納付を確実に行うため、振替が不能となった保護者に対し、振替日の1週間後に再振替の通知をした上で、翌月の15日に再振替を実施しております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) 滞納世帯を分類すると、滞納額が少額である初期滞納世帯と、長期にわたって納付の意思を見せずに滞納金額が累積した高額滞納世帯に分けられると考えますが、まずは初期滞納世帯への対策について、現在どのような対応をしているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(石田正明) 酒井教育長。
○教育長(酒井龍彦) 毎月の学校給食費について、納期限までに納付されなかった保護者に対しましては、納期限後3週間程度で督促状を送付し、その後、2カ月ごとに催告書を送付するとともに、電話や訪問による催告を行っております。
 また、通常の督促や催告に加え、特に小学校低学年の児童がいて滞納額が少額である世帯に対しましては、早い段階で滞納が解消できるよう、1学期が終了した後、電話による納付督促を行っております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) それでは、高額滞納世帯に対してはどのような対応をされているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(石田正明) 酒井教育長。
○教育長(酒井龍彦) 滞納金額が累積して高額となった世帯に対しましては、法的措置予告の対象世帯として、電話や訪問による催告を強化しております。一括納付が困難な場合は分割納付も認めておりますが、それでも支払いの意思を見せない世帯に対しましては、裁判所へ支払督促などを申し立て、法的措置を実施しております。
 なお、電話や訪問により保護者に接触した結果、経済的に納付が困難な様子があれば、就学援助などの助成制度を紹介し、新たな滞納の発生を防いでおります。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) 法的措置を実施しているとのお答えがありましたが、法的措置予告の対象世帯の滞納額は幾らからでしょうか、また、どのくらいの世帯に実施されているのか、それと訪問による勧告の件数はどれくらいなのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(石田正明) 酒井教育長。
○教育長(酒井龍彦) 法的措置予告の対象としている世帯の滞納額の基準は5万円以上としております。
 また、法的措置予告を実施した世帯数につきましては、平成24年度は93件、25年度は203件、26年度は199件でございます。
 最後に、訪問による納付勧告につきましては、現在4人の嘱託員を配置して、まずは電話による納付勧告を行い、電話で連絡がとれないなどの状況にある世帯を対象として訪問を行っております。平成26年度は、36日で延べ193件の訪問を実施いたしました。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) 新聞でも報道がありましたが、どの自治体においても給食費未納は深刻な課題となっております。最近では、埼玉県北本市のように、給食費を3カ月未納したら給食停止のような思い切った対応をしたところや、新潟市や名古屋市などではスクールランチによるプリペイド方式を導入しているところもふえてきております。
 家庭での食事や弁当をつくる場合でも、食材は家庭で購入して調理しています。それと同様に給食費も食材料費を払うことになりますので払うのが当然だと私は考えています。
 また、経済的に厳しい家庭については、教育扶助なども対応しておるので、払っていただきたいものです。
 法的措置予告の基準から見ても、1年以上滞納させないことが大事で、初期の段階での対応が望ましいと考えます。金額ではなく、3カ月、6カ月などの期間に対応してはいかがでしょうか。また、入学時において全世帯口座振替の登録を徹底していただきたいと思います。
 民間のノウハウなどを生かした対策も考え、収納率100%を目指して、あらゆる対策をとっていただくことを要望しておきます。
 次に、保育料の滞納対策についてお尋ねします。
 過去3年間の保育料の収納率と滞納額を現年度分と滞納繰越分、そして全体ごとについてどのようになっているのか、お尋ねします。
 
○副議長(石田正明) 石橋こども未来局長。
○こども未来局長(石橋正信) まず、収納率についてでございますが、現年度分は平成24年度98.4%、25年度98.6%、26年度98.5%、滞納繰越分は24年度9.7%、25年度9.3%、26年度11.4%、合計で24年度90.5%、25年度91.0%、26年度91.6%でございます。
 次に、滞納額についてでございますが、現年度分は24年度9,698万円余、25年度9,191万円余、26年度1億161万円余、滞納繰越分は24年度4億9,184万円余、25年度4億9,165万円余、26年度4億8,396万円余、合計で24年度5億8,882万円余、25年度5億8,357万円余、26年度5億8,557万円余でございます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) それでは、保育料の納付方法とそれぞれの納付件数に占める割合はどうなっているのか、また、口座振替のうち、引き落としできなかった件数の割合はどうなっているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(石田正明) 石橋こども未来局長。
○こども未来局長(石橋正信) 保育料の納付方法につきましては、口座振替と納付書払いがございます。納付件数に占める割合につきましては、平成26年度末で、口座振替が全体の87%、納付書払いが13%でございます。
 また、口座引き落としできなかった件数につきましては、平成26年度で4.1%となっております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) 現年度の滞納者を解消していくことが大変重要だと私は考えます。現年度の滞納世帯、未納者に対して、具体的にどのような対策を立てられているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(石田正明) 石橋こども未来局長。
○こども未来局長(石橋正信) 滞納対策の体制といたしまして、担当職員のほか、滞納整理等の経験を持つ保育料徴収嘱託員4名で対応いたしております。
 次に、滞納整理につきましては、まず未納のまま納期限を1カ月程度徒過すれば、督促状を送付し、さらにその後、1カ月程度納付がない場合には、保育所を通じて滞納世帯に対し、文書による納付勧奨を行っております。それでも納付がない場合には、文書や電話相談による催告など、重ねての納付指導を行うとともに、個別事情により一括納付が困難な世帯につきましては、分納による納付対応も行っております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) ただいま現年度の滞納対策をお聞きしましたが、滞納額も多くなる滞納繰越分についてはどのように対応されているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(石田正明) 石橋こども未来局長。
○こども未来局長(石橋正信) 平成25年度から長期・高額滞納者等に対する専任の嘱託職員を配置し、納付指導を強化しております。また、再三の催告にも応じない場合は差し押さえの処分を行っております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) それでは、ただいま言われた専任の嘱託員の人数と経費はどのようになっているのか、また、差し押さえなどの法的措置を実施した件数なども含め、どのような効果があったのか、お尋ねをいたします。
 
○副議長(石田正明) 石橋こども未来局長。
○こども未来局長(石橋正信) 人数は1人で、経費は人件費として約330万円となっております。
 差し押さえの件数につきましては、平成24年度ゼロ件、25年度31件、26年度37件となっております。
 専任の嘱託員の配置により、資力調査や面接、納付指導、差し押さえ等を積極的に行うなど、取り組みの強化を図っているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) 先ほどのお答えの中で、保育料の口座振替率が87%とありましたが、給食費の96%と比較すると低過ぎると私は思います。初期滞納を防ぐためには、まずは口座振替を推進していただくよう申し上げておきます。
 また、現年度分の収納率は98.5%と、数字だけを見ると高水準に見えますが、近年、保育所への入所児童が年々ふえており、1.5%の未納者ということで、金額にすると1億円を超える未納額となっております。先ほど聞いた給食費の現年度の未納額と合わせると、2億円近い高額となり、その未納額は、保護者以外の多くの市民の皆さんの税金で補?していただいていることになります。
 本市の財政健全化のためにも、保育料や給食費などは、現年度の滞納ゼロを目指し、対策を行っていただくことを強く申し上げて滞納対策についての質問を終わります。
 次に、確かな学力の向上についてお尋ねいたします。
 本市においては、新しいふくおかの教育計画は前期5年間が終わり、後期実施計画が始まっています。確かな学力の向上では、義務教育9年間を見通した学力向上プランや発達段階に応じた基礎、基本や学習規律の定着、本市独自の生活習慣・学習定着度調査で明らかになった課題について取り組んでおられると思います。
 そこで、学力パワーアップ総合推進事業推進拠点校は何校あるのか、その取り組み期間と推進拠点校の選び方、また、そのことによりどのような効果があったのか。また、この8年間の取り組み期間を考えると、推進拠点校についてはどの学校も1回は体験できるような計算になるのではないかと思いますが、お尋ねいたします。
 
○副議長(石田正明) 酒井教育長。
○教育長(酒井龍彦) 学力パワーアップ総合推進事業の拠点校につきましては、平成27年度は小学校14校、中学校7校の計21校で、取り組み期間は1年間としております。
 拠点校の選び方につきましては、各学校に希望を募り、課題の大きい学校及び特色のある取り組みで他校のモデルになる学校を選定しております。
 効果といたしましては、拠点校の先進的な取り組みを公開し、全市に広げることによって、各学校の事業改善の取り組みが推進していることでございます。
 なお、事業開始からの8年間における拠点校の延べ数につきましては235校でございます。これは全ての学校が拠点校を体験できる延べ数になりますが、複数年にわたって拠点校となっている学校があるため、全ての学校が拠点校を体験しているわけではございません。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) 今お聞きしましたように、推進拠点校は同じ学校が何度も手を挙げている現状があるようです。私は、できる学校ばかりが手を挙げているのではないかと思ったりもします。それでしたら、手を挙げていない、課題を抱えてなかなか改善できない学校を教育委員会が指定して、課題に取り組めるシステムをつくっていくべきではないでしょうか。
 それでは、本市が独自に行っている生活習慣・学習定着度調査については、毎年検証しているとは思いますが、特に顕著な課題はどのようなことでしょうか、また、各学校の取り組みについて、家庭学習の充実、学力課題の大きい児童生徒への授業の中での支援や補充学習などの進捗状況はどうなっているのか、お尋ねをいたします。
 
○副議長(石田正明) 酒井教育長。
○教育長(酒井龍彦) 生活習慣・学習定着度調査の結果から検証した課題につきましては、一人一人の学力の実態に応じたきめ細かな指導をさらに進めていくことが必要であると考えております。
 各学校では少人数指導や複数教員による授業実施などの取り組みにより、学力課題の大きい児童生徒の支援を行っております。また、放課後や試験前に補充学習を実施するとともに、家庭学習の手引きを保護者に配付するなどの取り組みを行っておりますが、さらなる支援が必要であると考えております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) 課題の多い学校については、さまざまな要因のクロス集計を行い、その相関関係を見ながら、きめ細かい分析を行い、課題に応じた具体的な取り組みを推進するよう要望しておきます。
 次に、一部教科担任制の担当教員とは、どのような教員のことをいうのでしょうか、また、具体的な取り組み、教科や取り組み方法と実施している学校数は何校あるのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(石田正明) 酒井教育長。
○教育長(酒井龍彦) 一部教科担任制の担当教員につきましては、教科指導において、より専門的な指導ができる教員を学校長が決定しております。
 具体的な取り組みにつきましては、小学校5、6年生の理科を中心として専門に指導する教員が授業を行っております。また、同じ学年を中心に、教員がそれぞれの専門性を生かして授業を交換するなどの方法で行っております。
 一部教科担任制を実施している学校数は、平成26年度は小学校143校中129校でございます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) 私は複数の教員で学年全体の児童を育てることや教員も同じ授業を何回もすることで授業力アップになるなど、わかる授業にもつながり、よい点がたくさんあると考えますので、今後さらに一部教科担任制を進めていただくよう要望しておきます。
 前回質問したときに、本市では全国学力・学習状況調査の全分類において、全ての学校が全国平均を上回ることが基本だと言われていました。先日、平成27年度の調査結果が新聞でも公表されました。福岡県が依然として厳しい状況の中で、福岡市は、10分類中6分類で全国平均を上回り、小学校は回復傾向、中学校は昨年度の好結果を維持しているように書いてありましたが、目標とされている全国平均を上回っている学校数、上回らなかった学校数は何校なのか、お尋ねします。
 
○副議長(石田正明) 酒井教育長。
○教育長(酒井龍彦) 平成27年度の全国学力・学習状況調査の5分類を平均した値で全国と比較をいたしますと、小学校につきましては、上回った学校が60校、上回らなかった学校が81校、中学校につきましては、上回った学校が37校、上回らなかった学校が32校でございます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) 今のをお聞きしましたところ、小学校はまだまだ半分以上が下回っている。目標達成にはまだまだ課題が多く、新たな取り組みが必要かと思います。
 そこで、夏休みが短くなるとお聞きしましたが、具体的にどのようになるのか、お尋ねします。
 
○副議長(石田正明) 酒井教育長。
○教育長(酒井龍彦) 夏季休業日の短縮につきましては、1学期の終業日や2学期の始業日を変更することで、最大6日間の短縮を考えております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) 時数がふえた内容は、通常の授業がふえたと考えていいのでしょうか、また、特別な内容を検討しているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(石田正明) 酒井教育長。
○教育長(酒井龍彦) 増加した授業時数につきましては、通常の授業を行うのではなく、児童生徒の学力課題に応じた補充的な学習と発展的な学習を行うための時数としております。その授業内容につきましては、効果的な教材や指導方法など、具体的な指針を示していくよう検討しております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) やはり学力課題の大きい児童生徒の支援が必要だというふうに受けとめました。
 私は、東京都教育委員会を訪問させていただきました。学力向上施策検討委員会を設置し、学力の定着に課題が見られる児童生徒に対する効果的な指導方法など開発を行う、学力向上パートナーシップ事業が開始されております。主な内容としては、小学校の国語、算数、理科、社会の教科において、小学校4年生までの内容、いわゆる基礎、基本的学習内容を確実に身につけることを目的として東京ベーシックドリルを26年度に開発し取り組んでいます。このドリルを反復練習することで4年生までの学習を身につけさせています。新学年で前年度の学年のテストを行い、できなかったところは練習問題をし、もう一度テストに挑戦してもらい合格してもらうやり方で、個別のチェックシートをつけ、その評価を保護者にも渡しているようです。
 また、学力ステップアップ推進地域を指定し、算数、数学における基礎学力の定着を図るため、外部人材の派遣を行えるよう予算化しているそうです。
 本市の教育委員会はいつも、個に合わせたきめ細やかな指導という言葉を繰り返し言われていますが、私は非常に抽象的で具体性に欠けると日ごろ思っております。
 とにかく、わからないのに席に座ることは苦痛だし、できないことは自信を失っていくことになります。わかるという体験をたくさんすることで自己肯定感も上がっていくのではないでしょうか。単純に授業を進めることも大事ではあるかもしれませんが、わからないことをそのままにせず、増加する時数を有効に使い、徹底的にわかるようにしていく特別な授業時間を設けて、効果的な教材を用いるなど、手厚い指導を今まで以上に行ってほしいと思います。
 最後に、継続して取り組む必要もありますが、本市においても課題の多い学校や課題の多い子どもに対して具体的な対策を立てておくべきだと考えますが、所見をお伺いし、この質問を終わります。
 
○副議長(石田正明) 酒井教育長。
○教育長(酒井龍彦) 福岡市の児童生徒の学力実態は、平均正答率で見ると、ほぼ全国平均と同等でありますが、各学校や児童生徒の学力には大きな開きがあることから、昨年度から各学校の学力課題を分析した学力分析シートを作成し、担当指導主事の学校訪問で活用しております。児童生徒の学力課題につきましては、少人数指導や一部教科担任制などによる指導方法のさらなる工夫や改善に取り組んでおります。
 また、学力課題の大きい学校につきましては、教育委員会が提供する教材を活用した授業の改善、保護者と連携した家庭学習の充実、地域人材や外部人材の協力による補充学習の充実を図るなど、具体的な対策を立て、さらなる強化を図ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) それでは、次に、特別支援教育の充実についてお尋ねします。
 我が国は、平成26年1月に障害者権利条約を批准し、その第24条には教育について障がい者の権利を認め、実現するために、あらゆる段階におけるインクルーシブ教育システム及び生涯学習を確保することが求められています。
 このインクルーシブ教育システムとは、障がい者がその人格、才能及び精神的、身体的な能力を可能な最大限まで発達させること、障がいを理由として教育制度一般から排除されないこと、個人的に必要な合理的配慮が提供されることなどを目的として、障がいのある者と障がいのない者がともに学ぶ仕組みを構築することと定義されています。
 このインクルーシブ教育システム構築に当たっては、特別支援教育のさらなる充実を図る必要があるかと私は考えておりますが、そこで、通常の学級における発達障がいの傾向のある児童生徒のこの3年間の推移はどのようになっているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(石田正明) 酒井教育長。
○教育長(酒井龍彦) 発達障がいの傾向のある児童生徒数につきましては、発達教育センターが作成したチェックリストに基づく学校からの調査報告によりますと、平成25年度1,656人、26年度1,919人、27年度2,317人でございます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) 発達障がいの傾向のある児童生徒が増加していく中、私はこれまでも特別支援教育支援員の配置と内容の充実についてお願いをしてきました。特別支援教育支援員の配置学校数、そして個別の支援内容、その配置を決定するに当たっての基本的な考え方をお示しください。また、2年連続で配置したケースは何件あるのでしょうか、あわせてお尋ねいたします。
 
○副議長(石田正明) 酒井教育長。
○教育長(酒井龍彦) 特別支援教育支援員の配置学校、園数につきましては、現在、幼稚園6園、小学校133校、中学校40校の合計179校でございます。
 次に、配置している幼児児童生徒に対する個別の支援内容につきましては、食事や排せつなどの身辺介助、教室や階段などの移動補助、授業場面における励まし、促しなどの活動支援でございます。
 配置決定の考え方につきましては、安全確保の観点から緊急度の高い幼児児童生徒に対して優先的に配置することとしております。
 また、2年連続で支援員を配置した学校数につきましては、116校でございます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) 今の答弁を聞きますと、希望されている学校にはほとんど配置がされているようで、安心しました。私は、発達障がいの傾向のある子どもは校内に複数存在していることを勘案し、支援員の柔軟な活用ができるよう要望してまいりました。その後、この要望がどうなっているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(石田正明) 酒井教育長。
○教育長(酒井龍彦) 特別支援教育支援員の活用につきましては、対象となる幼児児童生徒への支援を必要としない時間帯は、学校長及び園長の判断で、個別の支援を必要とする他の幼児児童生徒の支援を行うなど、柔軟な業務を可能としております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) 以前は限定した支援であったと記憶していましたが、学校のニーズに応じた柔軟な活用が可能になったことは評価いたします。
 特別支援教育支援員は、教室を飛び出すなど、緊急度の高い児童生徒だけにとどまらず、子どもの特性からくる学習のおくれなど、さまざまな個別の支援が必要であると考えます。このような児童生徒に関してはどのように取り組まれているのか、お尋ねします。
 
○副議長(石田正明) 酒井教育長。
○教育長(酒井龍彦) 学習のおくれなど個別の支援を必要とする児童生徒への支援につきましては、一人一人の個別の教育支援計画及び個別の指導計画に基づき、担任の指導のもと、学習活動上の支援を行っております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) 私は、インクルーシブ教育の実践から大阪市立大空小学校と東京都の武蔵野東学園を視察させていただきました。
 大空小学校では、障がいのある子もない子も全て通常の学級でよいという教職員の考えから、同じ教室で過ごすインクルーシブ教育が始められています。担任だけでなく、全教職員がチームとして児童にかかわっています。子どもたちはお互いの個性を認め合い、協力し合うことで育ち合っています。地域の協力も得て児童の見守りも十分にできているので、不登校児童がゼロだということです。
 また、武蔵野東学園は健常児と自閉症児が分け隔てなく学ぶ混合教育と自閉症児への愛と根気による独自の教育、生活療法に取り組んでいます。これまでに小学校、中学校、技能高等専修学校を設立しており、平成26年度までに高等専修学校を卒業した自閉症児は904名で、そのうち企業等への一般就労は479名、作業所等への福祉就労は325名、大学、短大などの進学は90名というすばらしい実績を上げています。
 私も教室に入ったんですが、自閉症児のみの教室も1クラス10名で編成しており、担任1人で指導しています。とにかくびっくりです。子どもたちは静かに先生の話を聞いており、ノートも私の字以上にきれいな字できちんと整理されております。体育の授業では、苦手とする集団での行動も見事にこなしており、本当にびっくりいたしました。日ごろから個の特性を理解し、特性を生かした教育により、子どもたちは落ちついて伸びやかに成長していると感じてきました。
 最近は、その特性を理解せず、不適切な対応によって不登校などの二次障がいを招き、苦しんでいる子どもも少なからず存在しております。このような課題に対して緊急に取り組む必要があるかと考えます。
 中教審の報告によると、障害者の権利に関する条約に基づくインクルーシブ教育システムの構築のため、特別支援教育を着実に進めていく必要があると述べられています。
 そこで、多様な学びの場の一つである、小中学校に設置されている知的障がい特別支援学級の過去3年間における設置率の推移について、小中学校別にお尋ねいたします。
 
○副議長(石田正明) 酒井教育長。
○教育長(酒井龍彦) 知的障がい特別支援学級の設置率につきましては、小学校は平成25年度86.9%、26年度90.9%、27年度94.4%でございます。中学校は平成25年度81.2%、26年度87.0%、27年度91.3%でございます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) 東京都では、仮称ですが特別支援教室の構想を打ち出し、各学校に、障がいのある児童生徒の実態に応じて特別支援教育を担当する教員が柔軟に配置され、原則として通常の学級に在籍し、障がいの状態に応じ、特別支援教室で特別の指導を受けるなど、必要な支援を受けることができるような弾力的なシステムを構築することを目指して取り組んでいます。
 本市は全国から見ても、特別支援学級の設置率が90%を超えるというすばらしい環境にあります。その環境を十分に生かし、取り組みをさらに充実させ、児童生徒や学校が抱えるさまざまな課題に対して、柔軟に対応できる弾力的な仕組みの構築を期待しております。
 最後に、本市はインクルーシブ教育システムを構築するため、特別支援教育を今後どのような方針で推進していこうと考えてあるのか、お尋ねします。
 
○副議長(石田正明) 酒井教育長。
○教育長(酒井龍彦) インクルーシブ教育システムにつきましては、文部科学省は、「障がいのある児童生徒と障がいのない児童生徒が、同じ場でともに学ぶことを追及するとともに、個別の教育的ニーズに最も的確に指導を提供できる多様な仕組みが重要」としております。
 福岡市におきましては、特別支援学校の児童生徒が、居住する地域の学校に副次的に籍を置き、障がいのある児童生徒と障がいのない児童生徒の交流及び共同学習を推進する、ふくせき制度のさらなる充実を図ってまいります。さらには、特別支援学校、特別支援学級、通級指導教室など、対象となる児童生徒数の推移や将来動向を踏まえ、多様な学びの場を整備するとともに、障がいのある児童生徒が、その能力や可能性を伸ばし、自立し社会参加することができるよう、特別支援教育のさらなる推進に努めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 三角公仁隆議員。
○40番(三角公仁隆) 文部科学省は、「特別支援教育は、障害のある幼児児童生徒への教育にとどまらず、障害の有無やその他の個々の違いを認識しつつ様々な人々が生き生きと活躍できる共生社会の形成の基礎となるものであり、我が国の現在及び将来の社会にとって重要な意味を持っている」と述べています。
 ユニバーサル都市・福岡を掲げている本市におきましては、共生社会の実現をより確かなものにしていくためにも、障がいのある人たちやその家族が、福岡市に住んでよかった、福岡市で育ててよかったと思えるように、インクルーシブ教育推進のため、特別支援教育に必要な施策の充実及び展開を図っていただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。




皆様のご意見、ご質問、ご感想、ご主張、ご要望をお気軽にお寄せください。   ページの先頭へ戻る