国分 議員の質問と答弁

◯46番(国分徳彦)登壇 ブルーリボンはつけておりませんけれども、私は元自衛官ですので、そういう面ではどなたよりも認識が深いと理解しておりますので、お許しください。
 それでは、私はみらい福岡市議団を代表して、夏休みの短縮及び土曜授業について、公園の活用について、自治協議会への依頼について、南区の交通対策について、以上4点について質問いたしますので、当局の明快な回答を期待いたします。
 まず、夏休みの短縮及び土曜授業についてお尋ねします。
 ことしの6月、新聞報道等で夏休みの短縮ということが話題になりましたが、その後、学力向上のための教育課程の見直しとして、11月に方針が決定されたと伺っています。しかし、一般的にはどのくらい周知されているのでしょうか。特に小中学校の子どもを持つ保護者、日ごろから学校を支えている地域の方など、教育課程の見直しと言われても、何かぴんとこないのではないでしょうか。そこで、見直しの概要について、改めてお尋ねします。
 以上で1問目の質問を終わり、2問目からは自席にて行います。


◯教育長(酒井龍彦) 教育課程の見直しにつきましては、平成28年度から小中特別支援学校を対象に学期の始業日、終業日の見直しと、土曜授業の実施により、年間8日の授業日数をふやし、学力向上の取り組みを行うものでございます。まず、始業日、終業日の見直しの内容でございますが、1学期の始業日を4月5日から4月7日とすることで、春休み期間を2日延ばします。また、1学期の終業日を7月20日から7月21日に、2学期の始業日を9月1日から8月27日とすることで、夏休み期間を6日短縮いたします。ただし、中学校につきましては、平成28年度に限り、部活動の大会運営の都合上、1学期の終業日を現行どおりの7月20日といたします。冬休みにつきましては、休みの日数は現行と変わりませんが、2学期の終業日を12月24日から12月22日に、3学期の始業日を1月8日から1月7日に変更いたします。
 次に、土曜授業でございますが、1学期に1回、2学期に2回、3学期に1回の、年間計4回実施をいたします。これらの見直しにより、ふえた授業日数の活用につきましては、通常の授業を進める学習ではなく、児童生徒一人一人の学力、課題に応じたきめ細かな学力向上の取り組みを行ってまいります。学力に課題がある児童生徒には、前の学習に戻って学び直したり、繰り返し練習するなどの学習を行い、基礎的な学力が身についている児童生徒には、さらに理解を深めたり、知識を広げるなどの学習を行ってまいります。以上でございます。


◯46番(国分徳彦) 今回の取り組みを検討するに当たり、保護者や教職員などからアンケートをとったと聞いています。その結果、特に保護者については、およそ8割がこの取り組みに賛同するという回答だったということですが、保護者はこの取り組みにどのようなことを期待しているのか、お尋ねします。


◯教育長(酒井龍彦) 保護者アンケートによりますと、始業日、終業日の見直しにつきましては、賛同する理由として、学習時間がふえ、学力向上が期待できる、空調設備が整い、夏の学習環境がよくなったなどの意見をいただいております。また、土曜授業の実施につきましては、賛同する理由として、学校行事などを土曜日に行うことで、学力向上のための時間を平日に確保できる、土曜参観の機会を持つことで、学校を訪れやすくなり、学校の様子がよりわかるようになるなどの意見をいただいております。これらのことから、保護者の皆様の多くが、学力向上に期待しているものというふうに捉えております。以上でございます。


◯46番(国分徳彦) アンケートの結果から、多くの保護者が学力向上を期待していることがよくわかります。こうした親の願いを受けとめ、実効性のある取り組みにするためにも、保護者や地域の理解や協力は不可欠です。また、この取り組みは、子どもの学力向上はもちろんですが、豊かな心の成長を目指しています。そのためにも、この取り組みの内容や目的を保護者や地域にもしっかりと伝え、理解と協力を得る必要があります。特に自治協議会や公民館、PTA、青育連や子ども会などへはしっかりと周知しなければならないと思います。教育長の所見をお伺いして、この質問を終わります。


◯教育長(酒井龍彦) 国分議員御指摘のとおり、この取り組みは児童生徒の学力向上を目指すとともに、平日に行っていた保護者や地域の皆様を招いた授業参観や学校行事などを土曜日に実施することで、家庭、地域と連携した教育である共育の充実を図るものでございます。また、保護者や地域の皆様に学校のことをよく知っていただくとともに、より多くの御支援と御協力をいただきながら、開かれた学校をつくるよい機会でもあると考えております。この取り組みについて、保護者の皆様や地域の皆様へ御理解いただくことは重要であると考えておりますので、趣旨や狙いが十分伝わるよう、リーフレットを作成し、説明を行ってまいります。特にPTA協議会はもとより、自治協議会や公民館、校区青少年健全育成連合会や子ども会育成連合会などへは、さまざまな機会を通じて、学校長による丁寧な説明を行い、周知を図ってまいります。この取り組みが、より多くの保護者や地域の皆様の御理解と御協力のもと、児童生徒一人一人の学力向上と地元を愛する心や将来の夢や希望を育む取り組みとなるよう、努めてまいります。以上でございます。


◯46番(国分徳彦) ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 次に、公園の活用についてお尋ねいたします。
 まずは、最近の公園の管理の状況についてですが、雑草が伸び放題であったり、地元が要望してもなかなか樹木の剪定がされないなど、公園の管理に課題があるように感じます。なぜ、このような状況になっているのか、お尋ねします。


◯住宅都市局長(馬場 隆) 公園の維持管理につきましては、限られた予算の中で、遊具などの施設の点検、修繕など、安全管理に必要な優先度の高いものや、光熱水費などの固定的にかかる経費が必要となる中、除草や剪定などの管理頻度を保つために、固定的な経費を削減する努力を行うとともに、簡易な作業は必要に応じて区役所の職員がみずから行うなどの対応を行っておりますが、管理頻度の維持が困難になってきている状況でございます。以上でございます。


◯46番(国分徳彦) 当局は、いろいろと努力されているようですが、よほど維持管理費を増額しないと、適正な状況にはならないのではないでしょうか。他都市では、例えば、千葉市の豊砂公園では、民間事業者に5年間公園全体の運営管理を任せるとともに、集客イベントを行うことを認め、市が収入を得ているような事例があります。福岡市でもそのような事例はあるのか、お尋ねします。


◯住宅都市局長(馬場 隆) お尋ねのような、福岡市での事例につきましては、西南杜の湖畔公園におきまして、民間事業者に対し、公園施設としてレストランなどの飲食施設の設置、運営及びイベントの実施を許可し、市は使用料収入を得ております。また、平成28年夏に完成予定の水上公園では、飲食施設の設置運営とイベントの実施を認めるとともに、公園全体の管理を任せることを条件に、事業者を決定しております。さらに、現在、事業者公募を検討中の旧高宮貝島邸では、公園として市民に開放しながら、民間事業者による飲食やイベントなどの収益事業を認めることで、市からの管理費の支出が不要となるような仕組みを検討しております。また、舞鶴公園におきましては、公園の活性化を目的として、春のさくらまつりや秋のグリッピキャンペーンを企業から協賛金を募り実施しているほか、民間事業者によるイベントを誘致することで、これらのイベントによる収益の一部を市へ寄附いただいております。以上でございます。


◯46番(国分徳彦) いろいろな取り組みが始まっているようですが、まだ一部の公園だけのようです。福岡市には、ほかにももっと可能性のある公園がたくさんあると思います。どのような公園だったら可能と考えるのか、お尋ねいたします。


◯住宅都市局長(馬場 隆) 民間事業者に公園の運営管理を任せ、集客イベントを認めるような取り組みができる公園につきましては、都心部の公園や広域から多くの人が集まる公園などで可能性があると考えております。以上でございます。


◯46番(国分徳彦) 今後の公園の運営管理に当たっては、可能性のある公園では、民間事業者のイベントなどを積極的に誘致することで、市が収入を得て維持管理費に充てるとか、また、民間事業者に公園を貸し出し、定期的なイベントの開催を認めるかわりに、維持管理をしてもらうことで維持管理費の削減を図るとか、もっと積極的に増収や経費の削減を進めていくべきと考えますが、当局の所見をお尋ねします。


◯住宅都市局長(馬場 隆) 公園の運営管理を民間事業者に任せる方法は、公園の管理費の削減や増収だけではなく、民間のノウハウを生かすことで、公園のにぎわいや憩いの場として活性化していくことにつながり、有効な手法であると認識しております。これまでも先ほど申し上げたような公園で取り組みを始めたところでございますが、今後も民間事業者や地域の御意見等を伺いながら、公園の特性を踏まえ、民間活力を積極的に導入し、効率的な公園の運営管理を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。


◯46番(国分徳彦) 福岡市の緑関連の予算は、年々減少傾向にあり、公園の管理の問題は、より差し迫った危機的な状況ではないかと考えます。こうした中で、今後も福岡市が新・緑の基本計画で基本理念としている、風格ある緑豊かな環境共生都市・福岡を目指すのであれば、今まで以上に積極的に市民、企業の力をかりて取り組んでいく必要があると思います。これからはそのような時代です。今後の公園の運営管理のあり方として、市民に身近な公園は市民に任せ、都心部の公園や多くの人が集まる公園は、民間企業に任せていくといった方向転換が必要ではないかと考えますが、当局の御所見をお伺いして、この質問を終わります。


◯住宅都市局長(馬場 隆) 公園の運営管理のあり方につきましては、現在策定中で、今後の緑行政の指針となるみどり経営基本方針において、方向性を示すことといたしております。その中で、市民に身近な公園については、地域において運営管理と独自のルールづくりを行っていただき、地域ルールのもとで公園を使っていただくことで、地域コミュニティの活性化につなげるような取り組みを展開する方針でございます。また、都心部の公園や広域から多くの人が集まる公園については、民間事業者による運営管理を促進することで、都市のにぎわいや活力の創出を図るとともに、収支の改善を図るような取り組みを展開する方針でございます。このような取り組みを積極的に進めることで、市民に喜ばれる魅力的な公園づくりを行ってまいりたいと考えております。以上でございます。


◯46番(国分徳彦) ありがとうございます。公園ネクストを大いに期待いたします。
 次に、自治協議会への依頼についてお尋ねします。
 地域においては、住民同士のつながりの希薄化や地域活動への参加者の減少などの課題が生じていますが、中でも大きな課題が、地域役員などの担い手不足です。行政からの地域への依頼事項は、依然としてさまざまな部署から自治協議会や自治会、町内会に行われており、地域役員からは、行政からの依頼事項が多くて非常に忙しいとの意見をいろいろなところで耳にします。自治協議会の会長は、毎日のように自治協議会の仕事のほかに、行政からの依頼に対応している状況です。地域の役員は、行政からの依頼で手いっぱいだと思いますが、そのような声は聞いていないのでしょうか。また、行政はどのくらい依頼や情報提供をしているのか、お尋ねします。


◯市民局長(井上るみ) 行政から自治協議会への依頼事項に関してのお尋ねでございますが、平成26年度自治協議会・自治会等アンケートでは、自治協議会会長が時間を割いている活動として、3位に行政が主催する会議、催し等への参加、5位に行政からの依頼事項への対応が上がっておりますが、平素からさまざまな場面において行政からの依頼事項が多いとの御意見を自治協議会の皆様から伺っております。
 次に、行政からの依頼や情報提供の件数につきましては、平成26年度は少ない区では年間39件、多い区では年間89件となっております。以上でございます。


◯46番(国分徳彦) 自治協議会は、行政からの依頼や情報提供を処理するための団体ではありません。現在は各局がばらばらと依頼しているのではないでしょうか。依頼や情報提供については、どういうルールになっているのでしょうか。どこかが責任を持って取りまとめているのでしょうか。実際には情報提供や依頼は誰が行っているのでしょうか。これらの点についてお尋ねします。


◯市民局長(井上るみ) 行政からの依頼や情報提供のルールにつきましては、自治協議会に依頼する以外に方法がないものや、自治協議会に依頼しなければ効果が得られないものに限って依頼を行うこととし、そのほか、住みよいまちづくりに役立つものや地域コミュニティの運営や活動に役立つものについては、情報提供等を行うこととしております。これまで市民局が窓口となり、全庁的にそのルールに沿って実施してきたところでございます。具体的には、事業の担当部署が事前に市民局または区役所と協議を行い、各区で開催されております自治協議会会長会において、事業担当課長が情報提供や依頼を行っているところでございます。以上でございます。


◯46番(国分徳彦) 市民局で依頼事項の見直しや状況の把握に努めているようですが、地域からの意見を聞く限り、状況は全く変わっていないとしか言いようがありません。例えば、市が行う講演会について、以前は地域ごとに動員の割り振りをして依頼を行っていたものを、お知らせや情報提供という形式に変えましたと言えば聞こえはいいのですが、何人ぐらい参加されそうですかとか、どこどこ校区は何人ぐらい出せるだろうと言われましたと言われれば、じゃあ、うちは何人ぐらい出さないといけないだろうという流れになり、結局、動員となってしまいます。依頼をされた会長などは、結局、参加している方に足代を出したりしています。現状の依頼の仕方は、非常にルーズであると思います。地域への依頼については、改めてやり方を見直し、地域の役員の負担軽減に取り組むべきと思いますが、御所見をお尋ねします。


◯市民局長(井上るみ) 議員御指摘の地域への依頼の見直しにつきましては、地域のまち・絆づくり検討委員会からも、市は依頼事項の見直しを継続的に実施する旨の提言をいただいており、地域役員の方々の御負担を軽減するためにも、継続的に実施する必要があると考えております。そのため、ルールや手順を見直し、全庁的に徹底してまいります。以上でございます。


◯46番(国分徳彦) 地域の役員の皆さんは、責任感がとても強い方ばかりです。依頼ではなく、情報提供ですとか、やるかどうかは自由ですが、やっていただいたほうがいい地域になりますなどといって、それは依頼と同じことです。市民局として、どこの部署が、どのような形で、どのような依頼を地域に行っているのかをきちんと把握し、地域にお願いするやり方を見直し、地域に何かをお願いする場合のきちっとしたルールづくりが必要と考えます。例えば、市民局が了解していないものや、報償費などの予算措置がなされていないものなどは、お願いできないようにするとか、委員などの推薦は、地域に丸投げせず、担当部署が現場に通い、一緒に汗を流して探すようにするといったことが考えられます。また、各区自治協議会の代表者会などで、担当部署が説明しているお知らせや情報提供については、地域支援課長が代表して、こういう催しがあるので、参考にチラシを配付していますといった簡単な説明だけにするとか、公民館にチラシを置くなどの方法で足りると考えます。先ほどの答弁では、具体的な取り組みがわからないので、具体的に市民局との事前の調整やイベントへの参加依頼、地域への推薦依頼などについて、どのように取り組むか、お答えください。


◯市民局長(井上るみ) 地域への依頼の具体的なルールづくりについてですが、各局が地域に依頼する予定があるものにつきましては、早い段階で市民局や区役所が把握し、事業の担当部署と協議を行うことを検討しております。また、イベント開催時に参加者の取りまとめの依頼を行わないことや、委員等の地域からの推薦が困難な場合は、市としてもその確保に努めることなど、地域の御負担を軽減するための具体的なルールについて検討してまいります。以上でございます。

◯46番(国分徳彦) これは地域コミュニティの窓口となっている市民局だけの問題ではなく、全庁的な問題です。市民局だけが頑張るのではなく、それぞれの局がいかに地域に負担をかけないかを真剣に考えるべきです。地域では、安全で安心したまちづくり活動が善意の上の自治活動として行われています。もし、地域の活動が疲弊、衰退したら、一番困るのは市です。地域が行政からの依頼に振り回されるのではなく、地域が必要とする取り組みに自主的に取り組めるように依頼を減らすことに真剣に取り組むべきと考えます。この全庁的な問題に対して、今後どのように取り組まれるのか、貞刈副市長の御所見をお尋ねいたします。


◯副市長(貞刈厚仁) 地域の実情に応じた自主的なコミュニティ活動が活発に行われるためにも、市から地域への依頼事項は、可能な限り減らしていく必要があると考えております。今後行政から地域への依頼のルールを見直し、その内容を各局に徹底し、地域の負担をできる限り軽減するよう、取り組みを進めてまいります。


◯46番(国分徳彦) 依頼や情報提供を見直したとしても、ゼロになるわけではありません。しかし、地域役員の活動は、基本的にボランティアです。役員手当として自主財源から支給されているケースもあるようですが、日ごろの活動や地域でのつき合いなどにより、結局、手出しで対応している状況です。これではボランティアの域を超えています。自治協議会の会長の手当や活動費はどうなっているのか、お尋ねします。


◯市民局長(井上るみ) 自治協議会会長の手当につきましては、平成26年度自治協議会・自治会等アンケートによりますと、支給ありが85.8%となっており、支給されている方の平均額は、年間11万1,000円となっております。また、活動費につきましては、支給ありが75.6%となっており、支給されている方の平均額は年間5万1,000円となっております。以上でございます。


◯46番(国分徳彦) ただいまの答弁によれば、自治協議会の会長の手当は、月に1万円に満たないことになります。これでは地域の防災、防犯から子どもやお年寄りの見守りまで、1万人の校区全体を見て、事業を取り仕切る会長の手当や活動費がそんなものでは、担い手がいなくなります。イベントの動員の際の足代やお茶代など、現実にはいろいろな負担をして、市の事業に協力しておられます。それぞれの事業には事情があり、努力はされているでしょうが、そもそも動員しないと人が集まらないようなイベントなどは見直すべきと考えます。それでも地域に講演会等への参加を呼びかける必要がある場合は、参加された方や参加者を募るために動かれた地域役員に対し、それぞれの担当部署が、それなりの報酬を支払うため予算措置をして、市からの依頼に対してきちんとした報酬を払うべきではないでしょうか。また、役員の活動費が足りないという声をよく耳にしますが、役員に対してきちんと活動費を払うべきと考えます。活力あるまちづくり支援事業補助金の制度の充実については、実際に校区において活動費を支出することができるよう、補助金の増額を強く強く要望しておきます。
 では次に、超高齢化や災害への対応など、新たな依頼がふえているにもかかわらず、そのための予算措置をしていないのではないでしょうか。依頼がふえていく中、自治協議会全体に対する事業費についても、増額すべきと考えます。この点に関しても、先ほどの地域への依頼と同じく、市民局だけの問題ではなく、全庁的な問題であります。市長や財政局長は、この点をしっかり認識されているのでしょうか。これまでと同じ対応を続けていては、いい人材は育ちません。これらのことを踏まえ、自治協議会の事業費に関する御所見をお尋ねします。


◯市民局長(井上るみ) まず、依頼事項に対する報酬等につきましては、各種委員の推薦や協議会への参加など、市からの依頼に対して相応の報酬等を検討してまいります。また、自治協議会会長などの地域役員の方の活動費につきましては、活力あるまちづくり支援事業の補助制度の充実に向けて、前向きに検討してまいります。
 次に、自治協議会の事業費の増額につきましては、地域で行われている地域カフェを初めとする交流の場づくりや、高齢者の見守りなど、地域で進められている取り組みを支援するため、活力あるまちづくり支援事業補助金を含め、地域コミュニティへの支援のあり方を検討してまいります。以上でございます。


◯46番(国分徳彦) 先ほど市民局長や貞刈副市長からも答弁があったように、行政から地域への依頼事項を減らすとともに、支援を充実し、全庁挙げて真摯に取り組むことが非常に重要です。地域のパートナーは市民局ではなく、市役所全体です。地域の負担を軽減して、地域の担い手はしっかりと地域コミュニティの活動に取り組めるようにすべきと考えますが、市長の決意をお尋ねして、この質問を終わります。


◯市長(高島宗一郎) 地域コミュニティは、役員の皆様を初め、地域の皆様の献身的な御尽力によって支えられているわけでございますが、負担が大きくて後継者が見つからない、そういう声も伺っております。国分議員御指摘のとおり、地域の負担軽減が大変重要であるというふうに考えております。地域の実情や特性に応じたまちづくりを進めていくためには、行政と地域との共働が不可欠でございますが、地域に一方的な依頼が行われることがないように全庁的に取り組んでまいります。
 また、自治協議会会長を初めとした役員の皆様方の御負担を軽減していくためにも、事業費や活動費など、補助金を含めた地域コミュニティの支援について検討してまいりたいと考えております。
 今後とも、魅力と笑顔にあふれるまちを目指して、地域の皆様とともにしっかりと取り組んでまいります。以上です。


◯46番(国分徳彦) ありがとうございます。高島市長の自治協議会ネクストを期待しております。
 次に、南区の交通対策についてお尋ねします。
 私は、これまでも南区は市内7区の中で、唯一地下鉄が通っておらず、西鉄の天神大牟田線については、区の最東部に位置していることから、バス交通が南区の基幹的な公共交通機関であると述べてきました。南区の住民は、日常の移動手段として、バス交通をとても頼りにしています。バスで出かけるに当たっては、不便さを感じず、地域にバス路線があることによる生活の安心感など、バス交通は便利で安心して利用できる頼れる公共交通機関であるべきと思っています。そこで、南区において、基幹的な交通手段となっているバス交通に関して、どのような課題を持っているのか、お尋ねします。


◯住宅都市局長(馬場 隆) 南区では、バス交通が公共交通の主要な役割を担っており、バス停までの距離や高低差がある地域においては、高齢化の進展に伴い、バス停までの移動が困難となるなど、きめ細やかなサービスの向上が課題となっております。また、バス停と鉄道駅との距離が離れているため、南西部方面からのバスの乗り継ぎが不便な駅があるなど、交通結節機能の強化が課題となっております。以上でございます。


◯46番(国分徳彦) 高齢化の進展に伴い、これまでは簡単に歩いていた自宅からバス停までの道のりがとても苦労するとの声を聞くなど、買い物や通院などの日常の移動に不自由を感じる住民がふえてきており、地域の特性や要望を踏まえた生活交通としてのバス路線の確保が重要と考えます。そこで、生活交通の確保について、どのように取り組んでいくのか、お尋ねいたします。


◯住宅都市局長(馬場 隆) 生活交通の確保につきましては、バス停までの距離や高低差がある地域において、地域が主体となった生活交通確保に向けた取り組みに対し、アンケート調査などの検討経費や交通事業者への試行運行経費に補助を行うなど、バス路線の確保に向け、必要な支援を行っているところでございます。以上でございます。


◯46番(国分徳彦) 南区の住民が公共交通機関を利用して都心に向かう場合は、直接バスで行くか、バスで西鉄電車の駅まで行って乗り継ぎするしかありません。しかしながら、例えば、屋形原・那珂川方面からのバスに乗り、高宮駅で鉄道に乗り継ぐ場合には、最寄りのバス停から駅まで、約400メートル歩かなければならず、天候が悪い場合は、さらに移動が大変であることから、バスと鉄道の乗り継ぎを向上させる対策の実行は重要と考えます。そこで、バスと鉄道の乗り継ぎの向上について、どのように取り組んでいくのか、お尋ねします。


◯住宅都市局長(馬場 隆) 公共交通の充実を図るためには、国分議員御指摘の高宮駅を初め、鉄道駅において、バスとの乗り継ぎ利便性を向上させる必要があると認識しております。そのため、バス停の移設もしくは新設による鉄道駅出入り口への近接化や、わかりやすい乗り継ぎ案内の強化など、交通事業者と連携しながら、実現に向けて取り組んでまいります。以上でございます。


◯46番(国分徳彦) 南区内の道路については、福岡外環状道路の完成や都市計画道路の整備が進んでいる中、依然、渋滞問題は解消されておらず、南区内の人や物の移動、経済活動にかなりの影響を与えていると考えています。特にバス交通に頼る南区の住民にとって、バスの定時性、速達性が確保されることは大変重要であり、これまでも即効性があり、費用対効果が高い対策として、片側1車線道路におけるバス停カットの整備の重要性を訴え、当局からも具体的な整備の箇所などについて答弁をいただくなど、バス走行環境の向上に向けた取り組みが進められています。今後、バスの走行環境の向上に向け、さらにこの取り組みを加速させる必要があると考えますが、どのように取り組んでいくのか、お尋ねします。


◯道路下水道局長(清森俊彦) 南区におけるバスの走行環境の向上につきましては、これまで屋形原一丁目交差点などにおける右折レーンの設置や自動車免許試験場前などにおけるバス停カットの整備に取り組んできており、平成27年6月には自動車免許試験場前及び花畑二丁目バス停において、バス停カットの整備が完了しております。また、南区内の片側1車線の道路を対象にバスの運行状況や沿道状況を踏まえ、対策が必要なバス停や交差点の抽出を行っており、今後、早期実現の可能性や事業の効果などを見きわめながら、関係機関との協議や詳細な検討を進め、バス停カットの整備や交差点改良などに取り組んでまいります。以上でございます。


◯46番(国分徳彦) バスの走行環境の改善にしっかり取り組むよう要望しておきます。
 一方、少子・高齢化の進展や生産人口の減少に伴い、将来、公共交通機関の利用者が減少していくと予測される中、バス事業者においても、利用者の増加が難しく、最近ではバス運転手の確保が困難な状況もあると聞いており、今後、より一層、現状のバス路線や運行本数を維持していくことが難しい状況にあると考えます。また、過去の質問でも明らかになったように、既に南区内でもバスの運行本数が減っているバス路線もあり、今後も南区の各地域で交通事業者の意向により、バス路線そのものがなくなってしまったり、なくならなくても、バスの運行本数が減っていくことが懸念されます。
 そこで、交通事業者がバス路線を休廃止する場合や、運行本数を減らす場合、市に対して事前に協議がなされているのか、お尋ねします。


◯住宅都市局長(馬場 隆) バス路線の休廃止につきましては、国や地方公共団体などで構成される福岡県バス対策協議会に対し、交通事業者が6カ月前までに休廃止の申し出を行うこととなっており、それを受けて、福岡市が地域とともにその対応について協議や検討を行っております。路線の減便につきましては、交通事業者から事前に具体的な協議はなされておりません。以上でございます。


◯46番(国分徳彦) バス交通が基幹的な公共交通機関である南区において、交通事業者の意向によりバスの運行本数が減らされることは、日常生活に影響する問題であり、将来、その地に住み続ける上で、地域の生活交通が不便になることは、地域コミュニティの維持にも課題が生じると考えます。運行本数が減れば、利便性が悪くなり、ますます乗らなくなるといった悪循環が生じます。そうなる前に、今後は、より一層、地域、交通事業者、行政の三者が共働し、バス交通の利用促進やバス路線の維持、充実などに取り組むことが重要と考えます。具体的には、運行本数を減らす前に、三者による話し合いの場を設ける必要があると思います。三者が話し合うことにより、バス会社は運行状況について地域に説明する機会が得られますし、地域の皆さんは、運行状況や運行本数が減ることについて認識し、バスに乗ろうという運動を行うことも考えられます。
 そこで、地域との共働の視点を持ち、バス路線の維持、充実に向けてどのように取り組んでいくのか、お尋ねします。


◯住宅都市局長(馬場 隆) バス路線の維持、充実は、地域住民の日常生活にとって重要な課題であると認識しております。このため、バス減便に関する早期の情報提供を交通事業者に求め、利用促進策について、地域、交通事業者、行政が共働して取り組むなど、バス路線の維持、充実に努めてまいります。以上でございます。


◯46番(国分徳彦) 南区の人口は東区に次いで2番目で、昼間人口に比べて夜間人口が多い、くらしのまちであり、高齢化が進む現状を踏まえると、日常生活を支えるバス交通の充実や利便性の向上が活気あふれる地域コミュニティの維持形成に必要不可欠であると考えています。7区の中で唯一、地下鉄がない南区では、取り組むべき交通対策は明快であり、バス交通の利便性向上や便数維持、走行環境の充実など、各関係者が連携した総合的な対策の重点化を図り、スピード感を持って取り組むべきと考えますが、高島市長の南区交通対策ネクストをお尋ねして、私の質問を終わります。


◯市長(高島宗一郎) 南区におきましては、バス交通が公共交通の主要な役割を果たしておりまして、国分議員御指摘のとおり、活気あふれる地域コミュニティの維持形成を図っていくためには、バスの交通の維持、充実に取り組むことが重要というふうに考えております。福岡市では、平成22年3月に制定をされました、いわゆる生活交通条例に基づきまして、地域主体の取り組みに対する支援、また、バス停カットの整備など、走行環境の向上に努めてきたわけでございますが、引き続き地域や交通事業者と連携をしながら、バス交通の総合的な対策に積極的に取り組んでまいります。以上です。