浜崎 議員の補足質疑 質疑と答弁 | ||
◯35番(浜崎太郎)登壇 皆さんおはようございます。 私は、みらい福岡市議団を代表し、笠議員の代表質疑の補足質疑として、地域包括ケアシステムについて、教員の採用について、老人クラブの活動の促進について、地域生活支援拠点について、以上4点についてお尋ねいたします。 最初に、地域包括ケアシステムについてお尋ねします。 若い世代が多い福岡市ではありますけれども、皆さん御承知のとおり、2025年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、市内の4人に1人が高齢者となります。そうなると、介護保険の利用者が大幅に増加することが予想されます。 そこで、できる限り高齢者が住みなれた地域で安心して住み続けられるために、医療や介護、生活支援や住まいが一体的に切れ目なく提供される地域包括ケアを目指し、課題の抽出、実現に向けた取り組みを実施すると保健福祉局の28年度当初予算案の概要に記されています。しかしながら、地域包括ケアシステムという言葉が世間に出てから大分たちますが、これだというような明確なシステムを認識するには至っていないように感じています。これには理由があるかもしれません。この地域包括ケアシステムは一つの正解があるものではなく、その地域特性に合ったさまざまな形でつくられていくべきものではないかと思います。ですので、都心部と山間部では当然違う形であります。それぞれの地域でそこに合ったものをつくり上げていかなければならないものと認識しています。しかしながら、何か目に見えるようなものが欲しいのも事実です。へえ、そんなことがあるんだと周りに発信できれば、ほかの地域もシステムを構築しやすくなると思います。 例えば、地域の民生委員さんから町内に寝たきりの高齢者がいることが伝えられ、行政とケアマネジャーが動き、介護事業所を利用し、宅配の食事や訪問介護やリハビリが提供され、適切な医療も受けられ、結果的にはその地域の寝たきり高齢者の数が劇的に減ったとか、住みなれた地域で在宅医療を受けながら人生の最終段階を迎えられみとられた事例がたくさんあることなどが伝えられれば、なるほどと感じやすいのですが。 そこで、この福岡市でこのような事例が出てきているのでしょうか。福岡市の地域包括ケアシステムの現状と課題についてお尋ねします。 次に、教員の採用についてお尋ねします。 平成24年3月の補足質疑にて、公明党の楠議員が教員採用試験について御質問されました。講師であるのに正規の教師と同じように教壇に立たされているが、常勤講師という立場で一年一年の契約となり、非常に不安定な就労環境であることが示されました。当時、私も小学校のPTA会長を務めていたこともあり、講師の先生方の教え方や接し方、我々保護者や地域への対応など何も変わるものはないと感じていました。同じ状況なら早く正規教師になれればいいのにと感じていました。 そのほか、私の知っている例で申しますと、ある中学校の先生が、部活動の監督としてチームを率いるようになったところ、生徒たちにみるみる変化が起こり、区で優勝争いをするまでに成長してきたと聞きます。その先生は、生徒たちと同じ目線で個別に足りないところをしっかり指摘した上で、それを克服していく強い心を植えつけているからこそ、生徒から慕われ、部活動での好成績をおさめることにつながっているのだと想像します。そんなすばらしい先生ですが、聞いたところによると、常勤講師だそうです。 近年、日本は人材不足になると言われる業界がたくさんあります。建設業界や介護業界、販売など多くの業界が人材の確保に躍起になっています。どの業界も今からいい人材をできるだけ早く採用し、事業運営の安定につなげていかなければならないと感じていると思います。福岡市教育委員会では新規採用について、これからの少子化も含め、いつどれだけの退職者が出て、どれだけの教職員が必要であるなど、採用の長期計画が必要となってくると思いますが、現在、教員採用数に関する計画などはあるのか、お尋ねします。 その中でもし、講師としての採用枠の設定があるならお尋ねします。講師と新卒者で採用試験の内容が違うのかどうか、また、近年、教員採用試験で受験資格が変わったものがあるのか、お尋ねします。 さらに、現在、福岡市立学校に勤務する講師の数と教職員全体に占める割合をお尋ねします。そして、その数は近年どのように推移しているのか、お尋ねします。 次に、老人クラブの活動の促進についてお尋ねします。 我々福岡市民は一体どんな日々を高齢者として送りたいのでしょうか。私は近所の高齢者の方々に聞いてみました。そうすると、できるだけ今の環境が続くことがいいねえ、今さら遠いところに行っても知り合いもおらんし、できることならこの場所で過ごしていけることが幸せかなと言われます。ある程度高齢になられると、落ちついた環境の中で、いつもと変わらず、その地域の仲間の方々と楽しく過ごしていけることを幸せと感じておられます。またそれは、ストレスを減らし、ひいては健康寿命の延長にもつながる秘訣であると、一見平凡なことのようですが、これがとても大切であると感じています。その中でも老人クラブは以前から続く歴史と実績のある活動であり、今までも多くの高齢者の私生活を支えてきたと感じています。昨今、働く高齢者の増加などにより、全国で加入率が下がり気味ではあるようですが、超高齢化を迎えていくこれからの老人クラブの活動には重要な要素を多く含んでいるのではないかと思います。 その活動の一部ですが、福祉バス事業についてお聞きします。 皆さんも御承知のとおり、立て続けに起こったバスの事故により、安全、安心な貸し切りバスの運営のため、人員配置やその人件費、車両点検費用、燃料費、また保険などを反映させた料金をしっかり収受することを一昨年の4月1日から義務づけています。 こういった動きから、福祉バスの利用にも大きな変化が起こってきています。私の地元の老人クラブの会長さんは、毎年行っているバスハイクの参加料金を大幅に上げなければならない、これでは参加者がいなくなるのではないかと、とても心配をしている、1人当たりバス代だけで1,000円になるので、食事をしてイベントを見たりすると3,000円を超えてしまう、誰かがお金を出してあげるものではない、みんなが平等に参加できるものが今までのバスハイクだったと言われます。 そこでお尋ねしますが、貸し切りバスの価格が全国一斉に引き上げられましたが、福祉バスのうち老人クラブが利用するものについて、27年度は1人当たりどれほどの負担増になったのか、わかりやすいように一例を挙げて答弁いただきたいと思います。 また、このような影響で、老人クラブの福祉バスの利用状況はどのような変化があったのか実績をお尋ねします。 次に、地域生活支援拠点についてお尋ねします。 ここで、重度障がいを持つ息子さんのお母さんの手記を御紹介いたします。 息子が通っている通所施設の仲間のお母さんが急死されました。葬儀などが終わった後、その仲間は、家族からも、通いなれた通所施設や友達からも、住みなれた家や地域からも遠く離れた入所施設に入りました。それしか方法がなかったのです。大好きなお母さんを亡くした上に、家族とも遠く離れ、日常生活まで激変してしまうという状況の中、どれほどの悲しみや混乱が彼女を襲っただろうと想像すると、同じ障がい者の親として胸がつぶれる思いでした。しかし、このことは彼女の場合だけではないのです。今は家族が子どもの介護、生活を支えているけれど、一たび家庭が介護不能になったとき、同じことが私たちの子どもにも起こってしまうのです。将来必ずやってくる親との別れの後の子どもの長い暮らしを、私たちは絶対に幸せなものにしてやらないといけません。親亡き後もそれまでの人や地域との関係が断ち切られることなく、生涯にわたって幸せと安心、安全が保障され、その人の希望する生き方を守ることに、親として今、取り組む責務を強く感じています。まずは、子どもの自立への準備としての、また高齢化していく親のレスパイトとしてのショートステイ、それも本当に利用しやすい、利用する人の立場に立ったショートステイの実現、そして、障がいを持った子どもたちの永遠の幸せを獲得できるように努力していこうと考えています。 これは認定NPO法人障がい者より良い暮らしネットの服部理事長さんたちが書かれたものです。福岡市だけのことではありませんが、今、障がい者のショートステイ、短期入所やグループホームが不足していると言われています。今後、我々はこれらの充実を図り、いわゆる親亡き後の安心、安全、そして尊厳が保たれた自立生活を送ることができる社会の実現を目指していかなければならないと強く感じています。 そこで、福岡市には、いわゆる重度と言われる方々で、重度の身体障がいと知的障がいが重複している重症心身障がい者と専門的な支援が必要な強度行動障がい者が何人ぐらいおられるのか、お尋ねします。 また、これらの重度障がい者が地域での生活を継続するためのサービスや、介護者が事故や急病になった場合に利用できるサービスはどのようなものがあるのか、その利用状況はどうなっているのか、お尋ねします。 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。 ◯保健福祉局長(野見山 勤) まず、地域包括ケアシステムにつきましてお答え申し上げます。 平成25年度及び26年度に、医療と介護の専門職の連携強化を図る医療介護の連携強化と地域で高齢者を支える仕組みづくりを進める高齢者地域支援の2つのモデル事業を実施いたしまして、また平成27年度からは、関係団体とともに作成した地域包括ケアアクションプランや第6期介護保険事業計画に基づく取り組みを進めているところでございます。 主な課題としましては、福岡市は日常生活圏域が数多く存在する大都市でございますので、それぞれの圏域ごとにその特性を踏まえた医療と介護の連携や生活支援の仕組みづくりを進めていくことが必要となっていることが挙げられます。 在宅ケアの事例につきましては、高齢者からの相談を主に市内57カ所に設置している地域包括支援センターで受け、支援を行っておりますが、地域の医療、介護などの関係者の連携により、病院退院後に希望する自宅での生活を継続できた事例も出てきておる状況でございます。 地域包括ケアの実現に向け、引き続き在宅医療と介護の提供体制の構築を進めるとともに、医療ニーズが高い高齢者でも在宅生活ができることを市民や関係者に御理解いただくことも重要でございます。今後、在宅ケアの好事例などの情報提供にも力を入れてまいりたいと考えてございます。 次に、老人クラブに関しまして、まず福祉バスでございますが、この負担につきまして例を挙げて申し上げますと、3月と4月及び6月から8月の標準期に、10時に市内を出発し、宗像大社を参拝、道の駅むなかたで昼食をとり、16時帰着というコースを大型バスで利用した場合、平成26年度は利用者負担はございませんでしたが、平成27年度においては1回当たりで利用者負担額2万5,900円、40人で利用された場合、1人当たり約650円の負担増となっております。 また、利用状況につきましては、4月から12月までの貸し切りバスの累計台数で見ますと、平成26年度は445台でしたが、平成27年度においては276台となっており、差し引き169台の減となってございます。 次に、地域生活支援拠点などにつきまして、福岡市内の重症心身障がい児・者につきましては、平成25年度に福岡県が実施した調査において852人となってございます。 また、強度行動障がい児・者につきましては、平成24年度に福岡市が実施した実態調査により190人と把握してございます。 次に、重度障がい者が地域での生活を継続するためのサービスですが、自宅での介護を提供するサービスとして、入浴、排せつ及び食事の介護などを行う居宅介護や、常時介護を要する方に生活全般にわたる援助並びに外出時における移動中の介護を総合的に行う重度訪問介護、障がい者が行動する際に生じ得る危険を回避するために必要な援護を行う行動援護などがございますが、いずれも利用者数は増加傾向でございます。 また、障がい者が地域で共同生活を営む上で相談、入浴、排せつ、食事の介護、その他の日常生活上の援助を受けるサービスとして、グループホームがございますが、ほとんど定員にあきがない状況でございます。介護者が事故や急病になった場合に利用できるサービスにつきましては、ショートステイがございますが、介護者の負担軽減を目的とした、いわゆるレスパイトサービスによる利用が多く、利用者数も増加している状況でございます。以上でございます。 ◯教育長(酒井龍彦) 教員の採用に関する御質問に教育委員会からお答えをいたします。 まず、教員採用数に関する計画についてでございますが、今後の退職者数や教職員定数の推移を見込んだ上で、毎年の採用数を平準化するよう計画をしており、当分の間は300人程度の新規採用を行う予定としております。 次に、教員採用試験における講師経験者の採用枠に関するお尋ねでございますが、受験者の講師経験の有無による採用枠は設定をしておりません。 次に、講師経験者と新卒者での試験内容の違いについてのお尋ねでございますが、新卒者は一般選考での受験となり、筆記試験については教職教養、一般教養及び専門教科の3科目を課しておりますが、過去5年間で福岡市の講師としての勤務経験を24カ月以上有する者については、教職教養試験を免除し2科目としております。 また、過去10年間で、他都市などで正規教員として3年または常勤講師としての経験を5年以上有する者については、一般選考とは別に教職経験者特別選考の制度を設けており、試験内容は一般教養試験と論文試験とするなど、受験者の負担軽減を図っております。 次に、教員採用試験の受験資格に関する近年の変更点についてでございますが、先ほど申し上げました教職経験者特別選考について、より多様な人材の確保を図るため、平成24年度実施試験から受験可能年齢の上限を40歳から59歳に引き上げております。 次に、福岡市立学校に勤務する講師数と教職員全体に占める割合についてのお尋ねでございますが、平成27年5月1日現在の教諭等の定数のうち、常勤講師の数は525人であり、その割合は8.9%でございます。 また、近年の推移でございますが、平成23年度の常勤講師数は503人で、教職員全体の8.8%、24年度は497人で8.6%、25年度は438人で7.6%、26年度は544人で9.3%でございます。以上でございます。 ◯35番(浜崎太郎) 2問目です。 地域包括ケアシステムについてお尋ねします。 地域包括ケアシステム構築を基本的に担うのは誰なのでしょうか。行政だけでなく、医療機関、介護事業者、生活支援を行うNPO、ボランティア、そして地域で生活をされる住民の皆さんとともに地域包括ケアの実現に向け取り組んでいくことが必要ですが、私はその中心は地域包括支援センター、いわゆるいきいきセンターが担うべきものと考えています。 地域包括支援センターの基本的な役割の中に、個々の高齢者への充実した支援のために、地域の関係者の相互連携を図っていく役割があり、その一つの取り組みとして地域での地域ケア会議の開催が義務づけられていると思います。 そこで、この地域包括支援センターの担当圏域での地域ケア会議ですが、開催するのは当然として、どのような会議をするように要請をしているのか、お尋ねします。 最初は、当然顔合わせからでしょうが、顔合わせをして、その先がなかなか進んでいないのではないかととても心配をしています。 この地域ケア会議の開催頻度は決まりがあるのか、構成メンバーの規定はあるのか、また、どのようなことを協議すべきなのか、マニュアル等存在するのか、お尋ねをします。 また、その地域の住民をどうやって知っていくのかについてですが、自治会長さんも住民全てを知っているわけではありません。地域包括ケアシステムを構築した後は、どれだけその住民を把握し、困っていることに手を差し伸べられるかが重要であります。例えば、ある独居の高齢者がいつも病院を利用しています。かなり病状がひどいが、知り合いも少ない。都心の地域ではもしかしたら誰も気づくことができず、こんな場合は見過ごされて悪化していくことが想定されます。こんな場合はどうするのでしょうか。 そこで、画期的だなと感じています福岡市地域包括ケア情報プラットフォームについて、その内容と今後の活用の仕方についてお尋ねします。 また、在宅医療を積極的に促進していかなければならないと感じていますが、その現状をお聞きいたします。 次に、教員の採用についてでございますが、講師経験2年以上は教職教養試験免除であるそうですが、さきの楠議員さんへの答弁では、平成24年採用試験では、経験年数2年以上の受験者が261人、1次合格者が86人、2次合格者が42人と答弁がありました。講師経験が5年以上は教職教養試験と専門教科が免除となり、一般教養と論文の2科目で試験されます。その受験者が93人、1次合格者が41人、2次合格者が23人だったと答弁がありました。それぞれの合格者数を合わせて65人でした。また1次試験を受かり、2次試験で落ちる方がそれぞれ44人と18人の62人。 2次試験では、ほぼ半数の人が不合格になっているんですね。それでは27年度の1次試験と2次試験の受験者数と合格者数はどうだったのか、お尋ねします。 次に、2次試験では面接試験が行われていると聞きますが、面接評定員の中に教職員経験者はいるのか、お尋ねします。 それから、講師であれ、大学新卒者であれ、やはり情熱や使命感、子どもたちへの愛情など、福岡市が求める人物像として明示した要素を備えているかをしっかり確認するという、人物を重視した面接や選考が行われるべきと考えます。そのような教員としての適格性を備えているかをどのようにして確認して選考しているのか、お尋ねします。 次に、老人クラブ活動の促進についてお尋ねします。 福祉バスについて、28年度から老人クラブの福祉バスの利用について助成の拡充を行うと聞いていますが、どのような内容なのか、お尋ねします。 また、その助成の拡大により利用者1人当たり幾ら負担軽減されるのか、お尋ねします。 さらに、ほかの政令指定都市ではこのような助成を行っているのか、行っていれば、その内容をお尋ねします。 次に、地域生活支援拠点についてお尋ねします。 親亡き後や障がいの重度化など、不安な要素を払拭していかなければならないと考えますが、しかし、現在ではグループホームやショートステイは不足しており、重度障がい者が安心して利用できる状況にはないとの声があります。 どのような課題があると認識し、それに対して平成28年度はどのように取り組まれているのか、お尋ねします。 また、障がいのある方々が地域での生活を継続するための支援を充実させるためには、平成26年5月に国から基本的な考え方が示された地域生活支援拠点の整備を推進することが大変効果があるとお聞きしていますが、地域生活支援拠点とはどのようなものか、また福岡市の計画はどうなっているのか、お尋ねします。 以上で2問目を終わります。 ◯保健福祉局長(野見山 勤) まず、地域ケア会議についてでございますが、高齢者が地域で生活しやすい環境整備を重層的に進めていくため、平成27年4月から個別、小学校区、おおむね中学校区、区、市の計5階層に分けて設置してございます。 地域包括支援センターでは、おおむね中学校区以下で開催する会議を担当しており、医療、介護などの専門職や地域住民と担当圏域内の課題把握や解決策の検討、連携の仕組みづくりなどの協議を進めることとしてございます。 地域ケア会議の開催につきまして、開催頻度や構成メンバーの定めはなく、それぞれの状況に応じて開催しており、各階層の会議の概要などについては、地域ケア会議実施マニュアルを作成してございます。 次に、福岡市地域包括ケア情報プラットフォームにつきましては、保健、医療、介護等に関するデータを一元的に集約、管理する情報通信基盤でございまして、活用方法といたしましては、地域ニーズや課題の見える化により、エビデンスに基づく効果的な施策の立案を可能にするとともに、情報共有ツールの活用により、医療、介護関係者間の効率的な連携を実現し、高齢者やその家族に対して必要なサービスが一体的に切れ目なく提供される仕組みを目指しているところでございます。 また、在宅医療につきましては、福岡市医師会と連携しながら、地域の医療資源の情報共有や専門職への研修などに取り組むとともに、今後、増加が予想される在宅医療のニーズに対応するため、訪問診療を行う医師の確保や急変時受け入れなど、病院との連携の方策について協議を進めているところでございます。 次に、福祉バスに関してですが、まず、利用助成の拡充につきましては、安全確保のため義務化がされました出庫前と帰着後の1時間ずつ、合計2時間分の点呼、点検の時間単価相当について、市の負担上限額を引き上げたいと考えてございます。 この拡充により、先ほどの例で説明いたしますと、1回当たりの負担額が、平成27年度は2万5,900円、40人で利用された場合、1人当たり約650円に対し、28年度は1回当たり1万4,900円、1人当たり約370円となり、1人当たり約280円の軽減ができるものと考えております。 また、他の政令指定都市におきましては、札幌市と千葉市が類似の事業を行ってございまして、札幌市は1台当たり定額で5万5,188円の助成でございます。千葉市は1台当たり4万円を上限に助成をしてございます。ちなみに福岡市は平成27年度の大型バスの場合、助成上限額は4万7,000円でございますが、28年度においては5万8,000円となる見込みでございます。 次に、地域生活拠点に関しまして、まずグループホームでございますが、これは毎年、民間事業者による新設や増設などにより、定員は増加しておりますが、定員の増加以上にサービス利用希望者が増加している状況がございます。 引き続き、グループホームの設置を促進するとともに、平成28年度からは強度行動障がい者や重度障がい者を新たに受け入れるグループホームに対して補助金制度を創設するなど、重度障がい者が安心して利用できるような取り組みを進めてまいります。 ショートステイにつきましては、特に重度障がい者が利用できる施設が少ないことが課題であると認識してございます。事業所設置の勧奨に努めております。その結果、平成25年度末の39事業所から平成26年度末は44カ所、平成27年度は28年1月末現在で51カ所と増加はしてございますが、引き続き事業所設置の勧奨に取り組んでまいります。 また、ショートステイの利用につきましては、個々の利用者の特性に合わせたサービスを提供する必要があり、突発的なニーズには十分応え切れないことが今の課題というふうに考えてございます。ショートステイを安心して利用するためには、緊急時の利用に対応できる事前準備が不可欠でございまして、御自身の介護手順などを詳細に記載したパーソナルブックを準備しておくことや、ふだんから複数の事業者を利用してなれたスタッフを確保しておくことなどを利用者に御案内し、引き続き効果的な利用方法の周知に努めてまいりたいと考えてございます。 さらに、生活支援拠点につきましては、障がい者の地域生活を推進するため、居住支援などの総合的な機能を確保するものでございます。 具体的には、障がい者やその家族からの暮らしに関する相談などに応じる機能や、ひとり暮らしの体験の機会や場などを提供する機能、介護者の急病など緊急時受け入れを行う機能、障がいの特性に応じ専門的な対応ができる人材の確保や要請を行う機能、障がい者のさまざまなニーズに対応できるサービス提供体制の調整を行う合計5つの機能を確保する必要があるとされており、国の基本指針においては、平成29年度末までに市町村またはおおむね保健所が設置される程度の圏域に少なくとも1つの拠点などを確保するよう規定されてございます。 福岡市におきます計画でございますが、第4期障がい福祉計画において平成29年度末までに1カ所確保することを目標として定めてございます。 また、現在策定中の保健福祉総合計画においては、将来的に各区に拠点の機能を確保する方向で検討してございます。以上です。 ◯教育長(酒井龍彦) 教員の採用について教育委員会からお答えいたします。 まず、教員採用試験における講師経験を有する者の受験者数及び合格者数についてのお尋ねでございますが、福岡市の講師としての経験を24カ月以上有することによる一般選考の一部試験免除区分で平成27年に受験した人数は230人で、そのうち1次試験の合格者は111人、2次試験の合格者は53人でございます。 また、常勤講師としての経験を5年以上有することで受験することができる教職経験者特別選考においては、280人が受験し、そのうち1次試験の合格者は137人、2次試験の合格者は59人でございます。 次に、2次試験における面接評定員に関するお尋ねですが、2次試験の面接試験では1人の受験者に対して4人の面接評定員で面接を行っています。そのうち2人を教職の経験者とし、教員としての適性や実践力が的確に評定できるような体制としております。 次に、福岡市の教員としての適格性の確認に関するお尋ねでございます。 教員採用試験においては、教員としての適格性を十分確認する必要があると考えております。そのため、面接試験では教育者としての情熱と強い使命感、教育専門家としての確かな力量、子どもたちへの愛情と豊かな人間性といった福岡市の求める教員像に合致する人物であるかどうかを確認するため、主としてコミュニケーション能力、対人関係構築力、情緒安定性、社会性、責任感、積極性の観点から教員としての資質や適格性を4人の面接評定員が多角的な視点で評定し、人物重視の選考を行っております。以上でございます。 ◯35番(浜崎太郎) 3問目です。 地域包括ケアシステムについてお尋ねします。 これからますます地域包括ケアシステムの構築が重要性を帯びてくると感じています。高齢者が地域で安心して生活を続けることができるようにしていくためには、地域の高齢者の情報をできる限り把握し、すぐさま手を差し伸べられる仕組みづくりが必要です。その中で、地域包括支援センターは、高齢者の身近な相談窓口として地域のまとめ役にもなっていく必要があり、その役割はますます重要になると考えます。 平成27年4月から57カ所への増設や土曜日の開所など体制が充実しましたが、今後も引き続き強化をしていく必要があると感じていますが、最後に御所見をお伺いしてこの質問を終わります。 次に、教員の採用についてお尋ねします。 平成24年から受験年齢が59歳まで引き上げになりました。そのこと以外は余り変化を感じていないのですが、私思うんですけれども、講師の先生は既に教壇に立っているんですよね。子どもたちに今、教えているんですよ。にもかかわらず、市の採用試験には受からないということは、何かおかしい気がしています。学校の主役である生徒たちは何か差を感じているのでしょうか。また、保護者はどう思うでしょうか。今教えている講師の方と今から先生になるであろう方の何が差なのでしょうか。 私は心配をします。福岡市の講師として力を発揮している人が、福岡市の教師になることを諦め他都市へまたは私学へ、もしかすると別の業種へ行ってしまうと、私としては貴重な人材を逃してしまったのではないかと感じてしまうようでなりません。何かすべはないでしょうか。親として公立の中学校で難関大学に必要な難しい方程式が解けるようになってもらいたいとは、そこまで思っていません。もっと教員としての実践力を重視した選考があってもいいのではないかと思っています。 どう生徒たちと向き合い、どんな考えを持ち、日々の立ち振る舞いが児童生徒の成長を思いやったものであるかどうかは、教師を選考する上で重要なポイントであると考えます。つまり、福岡市教育委員会が求める教員像として掲げているものに値するか否かを十分に確認していく努力が求められているのではないでしょうか。 教員の採用に当たっての教育長の御所見をお伺いし、この質問を終わります。 次に、老人クラブ活動の促進についてお尋ねします。 福岡市は以前より、先駆けて老人クラブの福祉バス利用に助成を行い、活動の促進に努めてきました。そんな中、痛ましいバスの事故が起こり、新たな運行規定の導入で安全を確保していくことが国の方針であり、福祉バスにも当然適用されることは当然理解します。今回は余りにも突然のことであり、老人クラブの福祉バス利用の減少が顕著に出ています。 元気な高齢者の集まりである老人クラブの社会参加を促進し、その活動を活性化させる福祉バスは、老人クラブの活性化の観点からも非常に重要なツールであると考えます。 28年度においては、バスの利用時間や走行距離にかかわらず発生する点呼、点検に係る費用相当分の助成を拡充し、27年度に比べ、自己負担がかなり減額されたことにより、福祉バスの積極利用に昨年よりつながると思います。 今後、福祉バスを初め、老人クラブのいろいろな活動が促進されることにより、健康寿命が一日でも延びていくことが福岡市の高齢施策の基本になるのではと思っていますが、御所見をお聞きして、この質問を終わります。 次に、地域生活支援拠点についてお尋ねです。 冒頭に述べたとおり、多くの障がいのある本人や家族から、親が亡くなった後の生活の不安や障がいの重度化、障がい者及び介護者の高齢化に対する不安の声が聞かれています。特に重度の障がい者にとって大変切実な問題です。 障がいのある本人も、その家族も、安心して生き生きと生活をしていくためには、緊急時の対応など障がいのある方のセーフティネットを確保し、将来自立して生活できる環境を整備するために必要性の高い施策を重点的に実施する必要があると考えます。 障がいの重度化や障がい者や介護者の高齢化、親亡き後の生活の不安などに対応する施策の推進は待ったなしと考えています。超高齢社会を前に財政的にも厳しさが増す中で、福岡市は今後どのように取り組んでいくのかお尋ねして、私の質問を終わります。 ◯保健福祉局長(野見山 勤) まず、地域包括支援センターにつきましては、平成28年度は高齢者人口の増加に伴う相談、支援体制の強化のため、2つの圏域において職員の増員を行うこととしてございます。 地域包括支援センターでは、高齢者からの個別相談への対応を中心に行っておりますが、地域の社会資源の掘り起こしや住民と社会資源のマッチング、圏域内の多職種間のネットワーク構築など、地域のつなぎ役としての役割が今後ますます重要になると考えてございます。 地域包括ケアの実現を目指し、高齢者が地域で生活しやすい環境整備を進めていく中で、地域包括支援センターがその役割を十分に果たしていくことができるよう、現場の実態を踏まえながら、継続的に機能の改善、向上を図ってまいります。 次に、老人クラブにつきまして、地域の元気な高齢者の集まりでございます老人クラブの社会参加の促進あるいは高齢者の生きがいづくり、健康づくりによる健康寿命の延伸といった重要な役割を持っております。また、支援が必要な在宅高齢者に対する見守りなど、地域の支え手としての貢献も期待できるものと考えてございます。 このような観点から、老人クラブが地域の支え手として魅力ある活動を行っていただけるよう、現在、福岡市老人クラブ連合会で行われている老人クラブの活性化、会員拡大に向けた活動に積極的に協力、連携してまいりたいと考えてございます。 次に、障がい者施策の取り組みでございますが、現在、策定中の保健福祉総合計画において、高齢障がい者や親亡き後の地域生活の継続に関する課題の解決など、必要性の高い施策を重点的に実施することを念頭に、施策の再構築を進めていくこととしてございます。 障がいのある方が必要な支援を受けながら地域や家庭で生活を続けられるよう、地域生活支援拠点などの整備を初め、障がいのある方の意思決定の支援などの権利擁護の推進あるいは障がいの特性に配慮した支援の充実などの施策を総合的に実施してまいりたいと考えてございます。以上です。 ◯教育長(酒井龍彦) 教員の採用に関する御質問にお答えいたします。 福岡市の求める教員像に合致した人材をいかに確保するかというお尋ねでございますが、教員の採用に当たりましては、教員採用試験を通して、確かな力量だけでなく、教育への情熱や愛情あふれる人間性、そして学校がチームとしての組織力を高めていくために必要となる協調性など、さまざまな面で教員としての総合力を備えた人材を確保することが求められると考えております。 そのため、単に知識の量が多い者や記憶力のよい者のみが合格しやすいものとならないよう、これまでも人物重視の選考を行ってまいりましたが、さらに平成28年度に実施する試験からは1次試験の段階での面接試験を拡大するなど、試験実施方法についてさらなる工夫改善を図りながら、優秀な人材を確保できるよう努めてまいります。以上でございます。 |