浜崎 議員の質疑と答弁

◯35番(浜崎太郎)登壇 私は、みらい福岡市議団を代表し、固定資産税の課税の対象について、所有者不明の土地について、都心の集合住宅の自動車保管場所について、今後の再生可能エネルギー等の普及について、都心の緑化について、以上5点について質問をいたします。
 まず、固定資産税の課税の対象についてお尋ねいたします。
 私の事務所の御近所さんから相談がありました。こちらの方は賃貸アパート経営をされておられます。その方いわく、「アパートとかのごみ捨て場なんだけど、基本は夜間収集というのはわかるが、ワンルームアパートとかは専用のごみ捨て場があるので、いつでも住民はごみを捨てられる。そうなると、カラスや猫などが袋を破ってごみが散乱している光景をよく見ますよ。これではいけないので、私のアパートはちゃんと壁、屋根をつくり、近隣に迷惑がかからないようにしているのだけれども、今度はこれが固定資産税の課税の対象になってね。何かちゃんとしている人が多くお金を払うようになって腑に落ちない。近くのワンルームとかいつも汚いとよ。不動産屋にはよく電話するっちゃけど工事はせんもんね」とおっしゃいます。ここには2点問題点があると思います。1点目はアパート等のごみの出し方について。2点目が固定資産税の課税の対象について。
 まず、アパートのごみの出し方についてお尋ねします。
 福岡市民の基本ですが、確認のため、ごみ出しの基本ルールをお答えください。
 以上で1問目を終わり、2問目から自席にて行います。


◯環境局長(吉村隆一) 福岡市の家庭ごみの出し方につきましては、戸建て住宅の場合は各家の前にごみを持ち出すことといたしておりますが、アパートなど集合住宅の場合には、集合住宅に設置されたごみ置き場に出すことといたしております。なお、ごみを出す時間につきましては、決められた日の日没から夜12時までといたしております。以上です。


◯35番(浜崎太郎) それでは、アパートを建築するとき、ごみ捨て場についての規定はどうなっているのか、お尋ねします。


◯環境局長(吉村隆一) アパートを建築する際のごみ置き場につきましては、住戸数が3戸以上の場合は福岡市廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例により設置が義務づけられておりまして、コンクリートブロックで周囲を囲うなど、同条例の施行規則に定められた立地、形状、設備及び必要面積等を満たす必要がございます。以上でございます。


◯35番(浜崎太郎) ごみの出し方について、たまに指定日以外にごみを出す居住者がいるのですが、市としてはどのような指導を行っているのか、お尋ねします。


◯環境局長(吉村隆一) ごみの出し方につきましては、福岡市のホームページや家庭ごみルールブック等で分別の仕方やごみを出す時間帯などをお知らせし、ルールの周知徹底を図っておりますが、指定日以外のごみ出し等、ルールに違反して出されたごみにつきましては、ごみ袋に警告シールを張り、ごみの正しい出し方を指導するとともに、排出者が特定できた場合には個別に指導を行っております。以上です。


◯35番(浜崎太郎) 最近は、しっかり壁と屋根で囲ってあるごみ捨て場も多いようですが、そのようなごみ捨て場では、ごみの持ち出し時間帯はわかっていながら、早目に出してもカラスや猫の被害から回避され、大丈夫だろうと思う入居者も多いかもしれませんので、なかなかごみ出しルールが徹底されていないように感じます。
 最近のアパート経営では、入居者の確保も競争が激しくなってきているので、大家さんもいろいろ取り組みをされていることでしょう。ごみ出しルールを守ってもらいたいと思いながら、ごみ捨て場もしっかり整備されているところが多いのではないでしょうか。
 そこでお尋ねしますが、ごみ置き場は固定資産税の課税対象になるのでしょうか。固定資産税の計算方法についても、あわせてお答えください。


◯財政局長(赤岩弘智) ごみ置き場につきましては、不動産登記法の建物に該当する場合は、家屋として固定資産税の課税対象となり、家屋に該当しない場合は、事業の用に供することができる資産で、その減価償却額または減価償却費が法人税法または所得税法の規定による所得の計算上、損金または必要な経費に算入されるもののうち、その取得価格が少額でないもの等の一定の要件の満たす場合は、償却資産として固定資産税の課税対象となります。
 また、固定資産税額につきましては、基本的には課税標準額に税率を乗じることにより算出するものでございます。以上でございます。


◯35番(浜崎太郎) 課税標準額から算定されるようですが、世の中にはいろんなごみ捨て場があり、家屋かどうか、それと事業用か家庭用か、つまり賃貸なのか分譲なのかで固定資産税が異なるようです。
 ちょっと写真を用意させていただきました。(パネル表示)例えば、これは壁や屋根などの工作物はありません。しかし、ブロック塀やコンクリートが使われています。この場合、分譲マンションなら税金がかかりませんが、賃貸マンションの場合はこの小さなブロック等が償却資産として課税をされる。
 次に、こちらがですね、(パネル表示)これは柵だけですね。少し立派になりましたが、同じように分譲マンションなら税金がかかりませんが、賃貸マンションの場合、フェンス等が償却資産として課税をされるということになりますね。あと2つあります。
 (パネル表示)次に、こちらは何とも豪華なものですが、しっかりとした壁もあります。しかし、これは屋根が実はないんですね。金網になっていますので、これまでお見せしたものと同じような考えの課税対象になるということになります。
 最後に、こちらですね、(パネル表示)こちらは壁も屋根もあります。この場合、家屋に該当するため、賃貸マンションでも分譲マンションでも固定資産税が課税をされるということになります。
 それでは、これらの課税標準額の計算の方法はどうなるのか、お尋ねいたします。


◯財政局長(赤岩弘智) 課税標準額につきましては、家屋に該当する場合は、再建築価格を基礎として、その損耗の状況に応じた減価補正を行うなどして算出し、償却資産に該当する場合は、取得価格等をもとに、その耐用年数に応じた減価を考慮するなどして算出するものでございます。以上でございます。


◯35番(浜崎太郎) ごみ捨て場のようなものは、必ず生活に必要なものであるので、減免の対象になってもいいのではないかなと考えるのですが、まあ難しいのでしょう。しかし、固定資産税の制度の中には、例えば、自治会集会所など、直接、公益のために利用される固定資産や火災などの災害により損害を受けた固定資産などが減免される場合があります。冒頭にお伝えした大家さんの話のように、まちの景観を考慮して、みずから費用を出された人の気持ちを察すると大変申しわけなく感じます。これから少しでもよい環境と生活しやすいまちを市民と行政がともにつくり出していくために、しゃくし定規とならず、お互い理解し合うことでよいまちづくりにつながるよう関係局で検討していただくことを要望して、この質問を終わります。
 次に、所有者不明の土地についてお尋ねします。
 ある雑誌に掲載されている記事に、所有者不明の土地が多数存在し、各自治体が施策展開に支障を来しているとありました。よく読むと、地方から都心へ人口が流出、過疎化し、資産価値の低い土地や山が相続や管理を放棄されたことに原因があるようです。都心には無関係の話であろうかとも感じましたが、福岡市の実態をお聞きしたいと思います。
 過去に福岡市の公共事業、ここでは道路下水道局の道路整備事業を例にとりたいと思いますが、所有者不明の土地がかかわる事例はあるのか、あるとすれば、事例の用途地域及び用地買収面積についても、あわせてお尋ねいたします。


◯道路下水道局長(二宮 潔) 道路下水道局の道路整備事業における所有者不明の土地に係る事案につきましては、最近のもので申しますと、平成16年度と17年度に都市計画道路博多姪浜線道路改良事業の西区愛宕西工区においてそれぞれ1件ずつ、合計2件ございます。平成16年度の事案につきましては、商業地域内にある専用住宅敷地の一部で、用地買収面積は70.42平方メートル、平成17年度の事案につきましては、同じく商業地域内にあるマンション敷地の一部で、用地買収面積142.13平方メートルのうち、共有持ち分割合1万分の160を取得しております。以上でございます。


◯35番(浜崎太郎) ただいまの事例において、この不明な土地にどのような処理を行ったのか、お尋ねします。


◯道路下水道局長(二宮 潔) 所有者不明の土地に係る用地取得手続についてのお尋ねでございますが、所有者不明の土地に関する手続としまして、民法の規定に基づく不在者財産管理制度や相続財産管理制度などがございます。平成16年度の事案につきましては、土地所有者の生死が不明であったため、不在者財産管理制度を活用し、福岡市の申し立てにより家庭裁判所が不在者財産管理人として土地所有者の血縁者を選任し、用地買収を完了しております。
 また、平成17年度の事案につきましては、死亡した土地所有者の相続人が不明であったため、相続財産管理制度を活用し、福岡市の申し立てにより家庭裁判所が相続財産管理人として司法書士を選任し、用地買収を完了しております。以上でございます。

◯35番(浜崎太郎) それでは、その財産管理制度を利用した場合、どれほどの費用がかかったのか、お尋ねいたします。


◯道路下水道局長(二宮 潔) 財産管理制度活用に係る費用についてのお尋ねでございますが、財産管理制度を活用する場合の経費につきましては、財産管理制度の申し立て手数料、官報公告料及び財産管理人報酬が必要でございます。先ほどお示しした2つの事案につきましては、いずれも用地買収案件であり、官報公告料及び財産管理人報酬は管理財産で対応することとされたため、財産管理制度の申し立て手数料それぞれ約2,000円を福岡市が負担したところでございます。以上でございます。


◯35番(浜崎太郎) 公共事業の場合をお聞きしましたが、次に、福岡市の中に一体どれほどの所有者不明の土地があるのか、確認したいと思います。固定資産税等の課税徴収業務を市が行っていることから、現在どれほど存在しているのかわかると思いますので、お尋ねします。
 また、どのような状況が所有者不明の原因だと思われているのか、お尋ねいたします。


◯財政局長(赤岩弘智) 固定資産税制度におきましては、地方税法に基づき非課税や免税点未満といった理由により課税されない土地がありますことから、所有者不明の土地の全ての件数につきましては、税務担当部署では把握することは困難であると考えております。
 また、所有者不明の土地が生じる原因につきましては、一般的には、所有者が住民票に係る転出届け出をしないまま転居を繰り返すこと等により、その所在が不明となる場合が多いものと認識しております。以上でございます。


◯35番(浜崎太郎) 所有者がはっきりわかり、固定資産税等についてしっかり納税につながっていくことが望ましいと思いますが、それでは所有者不明の場合、どのような処理を行っているのか、お尋ねします。


◯財政局長(赤岩弘智) 送付した納税通知書が不着となり、返戻された場合には、所有者の住民票や戸籍等の調査に加え、必要に応じ、現地調査などにより、所有者の所在調査を行い、このような調査を進めてもその所在が判明しない場合は、地方税法に基づき公示送達を行い、具体的には、区役所等の掲示場に一定期間掲示することで書類の送達があったものと見なされます。以上でございます。


◯35番(浜崎太郎) 所有者の所在が判明しない場合は、公示送達を行うとのことですが、それでは、公示送達の平成27年度の件数についてお尋ねします。
 また、先ほど道路下水道局の答弁で相続財産管理人の説明がありましたが、固定資産税の徴収においてもこの制度を活用しているか、あわせてお尋ねします。


◯財政局長(赤岩弘智) 固定資産税の納税通知書に係る公示送達の平成27年度の件数につきましては115件となっております。なお、公示送達を行った後も引き続き所有者の所在調査を行い、それでもなお所在が判明しない場合には、通常の滞納処分と同様に、地方税法等に基づき、財産の差し押さえ、公売などを行っております。
 また、所有者の所在調査の結果、所有者が死亡していることが判明した場合は、地方税法に基づき、相続人に対して課税を行いますが、相続人のあることが明らかでない場合において、相続財産管理人制度の活用が適当である場合には、民法に基づき家庭裁判所に相続財産管理人の選任を請求し、その選任を受けて、所要の手続を経て、土地の売却を行うなどして徴収を進めております。以上でございます。

◯35番(浜崎太郎) 税の徴収について、相続財産管理人の制度を利用し土地を処分する方法は、司法書士さんなどの費用がかかり、費用対効果の観点から制度を利用できる事例が限定されているとお聞きしております。
 しかし、東日本大震災では、高台の住宅造成予定地に所有者不明の土地や所有者が複数いる共有地が多く、所有者の探索や権利関係の調整で多くの時間を要し、復興が進まない大きな原因となったそうです。
 処分され、新しい土地所有者になれば、少ないかもしれませんが固定資産税は徴収できるわけですので、市税収入の面で長い目で見るとどうなんでしょうか。最後に御所見を伺い、この質問を終わります。


◯財政局長(赤岩弘智) 議員御指摘のとおり、市税収入につきましては歳入の根幹であると認識しております。
 所有者不明の土地につきましては、所有者の住民票や戸籍等の調査に加え、現地調査などにより、所有者の所在調査を行い、さらに必要に応じ、地方税法や民法等に基づく制度も積極的に活用して市税収入の向上を図っているところですが、今後とも、このような調査の充実及び市税徴収の強化に努めてまいります。以上でございます。


◯35番(浜崎太郎) 次に、都心の集合住宅の自動車保管場所についてお尋ねします。
 私が若いころ、女性をデートに誘うとき、やはり車があるのとないとでは大きな違いがあったような気がします。高校を卒業後、すぐさま自動車学校に通い、最初は父親の車を借り、その後、月賦でスポーツタイプでも買うぞ、そして、あの子をデートに誘おうと西鉄自動車学校の門をたたいたと同時に鬼教官に出くわし、運転の危険性と怖さを徹底的にたたき込まれ、おかげで今もゴールド免許保持者として日々安全運転に努めている次第でございます。
 ところが、最近の若い人は、よく皆さんも耳にすると思いますが、何と車離れがふえているそうです。その要因は、維持費などの金銭的な条件もありますが、何と無関心が多いのだそうです。
 社団法人日本自動車工業会が全国の大学生に2009年に調査を行ったら、車の保有、購入の障害となる理由に維持費がかかる、価格の手ごろ感がない、興味があるのはパソコン、ファッション、携帯音楽プレーヤーだったそうです。車は何と17位だったそうです。
 確かにこの福岡でも都心に住めば車の必要性は余り感じないかもしれません。福岡市営地下鉄は空港から博多駅、中洲、天神、大濠公園、ドームに行く唐人町、主要な大学に行くのもほとんどの公共交通機関で行けます。バスも至るところに行けるようになっています。西鉄、JR等があり、とても交通の便がいい、過ごしやすいまちが福岡です。
 そのような中、ある賃貸アパートの経営者の方からお話がありました。福岡市の条例で、賃貸の集合住宅に駐車場を必ず設けないといけないようになっています。少し郊外なら車の需要はかなりあるのでしょうが、都心の駅の周辺などは駐車場を希望される入居者はそんなにいないように感じます。現実にそのような賃貸物件は駐車場の契約者が駐車台数に達していない状況があります。少し調査してみてほしい、現実と合っていないのではないかとの御指摘を受けました。
 まず、集合住宅の自動車保管場所について福岡市の条例はどのような規定になっているのか、お尋ねいたします。


◯住宅都市局長(光山裕朗) 集合住宅における自動車保管場所の設置につきましては、福岡市建築紛争の予防と調整に関する条例において、集合住宅の建築に伴う路上駐車の防止を図ることを目的に、10戸以上の集合住宅について、住戸の数や用途地域、容積率に応じて、入居者のための自動車保管場所の確保を義務づけております。以上でございます。


◯35番(浜崎太郎) この条例では、郊外も都心のど真ん中も一律に定めてあるのか、お尋ねします。


◯住宅都市局長(光山裕朗) 条例に基づく自動車保管場所の必要区画数の算定につきましては、集合住宅の住戸の戸数に都市計画法で規定する用途地域及び容積率の区分に応じて0.3から0.7のいずれかの数字を乗じて得られた区画数以上と定めております。例えば、容積率80%の第一種低層住居専用地域では0.6を、高容積率の商業地域などでは最小の数値である0.3を乗じることとしており、建設地の用途地域に応じた規定となっております。以上でございます。


◯35番(浜崎太郎) それでは、例えば、商業地域、例えば、地下鉄の入り口のすぐそばに50戸の賃貸集合住宅を建築するとしましょう。その場合、何台分の駐車場が必要なのかというと15台。駐車場の規定が普通車で2.5メートル掛け5.5メートルが1台で、それが約14平米、それが15台というと210平米で63.5坪になります。商業地域で63.5坪というのは結構な額になると思います。事業者も相当な負担になっていることでしょうが、条例ですから守るべきなんです。路上駐車などの防止が目的だろうと感じますが、現状はどうでしょうか。時代は少し変わってきているかもしれないと感じていますが、こういう現在の状況を把握されているのか、お尋ねします。


◯住宅都市局長(光山裕朗) 自動車保管場所の必要区画数につきましては、都心部のマンション管理組合などから機械式駐車場について、利用が少ないため、維持費の負担が重いという意見や、学生専用のワンルームについて、自動車保有の可能性が低いので、自動車保管場所の緩和をしてほしいなどの意見をいただいております。
 条例制定から15年が経過し、交通手段の多様化や若い世代の自動車保有率の低下など、条例制定当時と比べ、交通を取り巻く環境やライフスタイルなど社会的な背景が変わってきているものと認識しております。以上でございます。


◯35番(浜崎太郎) 何か考えてあげないと、理にかなった事業展開に進めないのではないでしょうか。少し優遇措置など考えていかないといけないと思います。
 例えば、駅から5分、宅建業法では徒歩1分が80メートルですので、駅から半径400メートル以内は自動車保管場所の緩和を考えるとかできないのでしょうか、お尋ねいたします。


◯住宅都市局長(光山裕朗) 現在の制度におきましては、駅に近接しているなど交通の利便性が高いことを理由に、自動車保管場所の区画数を緩和する仕組みについては設けておりません。以上でございます。


◯35番(浜崎太郎) そのまちで過ごす人へよい環境がもたらされるための条例であるべきです。決まりだからの一辺倒ではなく、時代の流れに沿って見直しが必要な状況という場合もあるでしょう。もちろん必要と思われる駐車場の台数は必ず確保するべきであり、見直しには、基準を緩和する場合もあれば、強化する場合もあると思います。今後、条例について見直しも必要かと感じますが、御所見をお尋ねしてこの質問を終わります。


◯住宅都市局長(光山裕朗) 集合住宅における自動車保管場所の規定につきましては、条例制定から15年が経過し、交通手段の多様化や若い世代の自動車保有率の低下など、社会的な背景が変わってきているものと認識しており、現在、条例に基づき設置された自動車保管場所の利用状況について調査を行っているところでございます。
 今後は、この実態調査の結果や他都市の状況などを踏まえ、集合住宅の建築に伴う路上駐車防止の観点から、基準の見直しの必要性も含めて検討してまいりたいと考えております。以上です。


◯35番(浜崎太郎) 次に、今後の再生可能エネルギー等の普及についてお尋ねします。
 これまで我々人類はさまざまな経済発展を遂げてきたのでありますが、その過程でエネルギーをつくり出すため、いろいろな取り組みを行ってきました。しかし、化石燃料を燃やすことによる地球温暖化や福島第一原子力発電所の事故などの代償は大きく、未来の市民にすばらしいまちを残していくには、今後さらなる再生可能エネルギーの普及促進に努めなければならないと私は思います。
 海外の再生可能エネルギーの導入先進国では普及が進んでいると聞いており、我が国でも近年、多くの自治体が再生可能エネルギーの普及に予算を立て取り組んでいると感じています。当然我々福岡市も同様です。
 それではまず、日本のエネルギー政策について質問いたします。
 国のエネルギー政策はどのように進められてきているのか、また、再生可能エネルギーについてはどのように位置づけられているのか、お尋ねします。


◯環境局長(吉村隆一) 国のエネルギー政策につきましては、エネルギー基本計画に基づき、安定的なエネルギー需給構造の確立等に向けた取り組みが進められており、その中で再生可能エネルギーは安定供給やコスト面での課題はあるものの、温室効果ガスを排出しない、国内生産できる有望なエネルギーとして最大限導入を図るべきものと位置づけられております。以上です。


◯35番(浜崎太郎) それでは、日本の再生可能エネルギーの状況について、年間発電量に占める再生可能エネルギーの割合は過去3年と比較して上がってきているのか、また再生可能エネルギー導入先進主要国と比較するとどのような水準なのか、お尋ねします。


◯環境局長(吉村隆一) 日本の年間発電量に占める再生可能エネルギーの割合は、平成24年度が10.0%、25年度10.7%、26年度12.2%と上昇しておりますが、再生可能エネルギーの導入に先進的に取り組んでいるスペインの40.1%、ドイツの26.2%などと比べますと、いまだ低い水準でございます。以上です。


◯35番(浜崎太郎) 日本の再生可能エネルギーの導入は年々ふえているものの、先進主要国と比べると低いということは、これからも歩みをとめることなく進めていかなければなりません。
 国は、再生可能エネルギーの導入を進めるに当たり、固定価格買取制度を設けていますが、制度の概要についてお尋ねします。


◯環境局長(吉村隆一) 固定価格買取制度につきましては、太陽光などの再生可能エネルギーで発電した電力を電力会社に一定期間、一定の額で買い取ることを義務づける制度で、これによってコストが高いなどの理由で普及が進んでいなかった太陽光や風力などの発電設備の導入を促進しようとするものでございます。
 なお、この制度による電力の買い取り価格は、再生可能エネルギー発電事業者の事業採算性を考慮し、適正な利潤などを勘案して定められております。以上でございます。


◯35番(浜崎太郎) 電力会社が再生可能エネルギーにより発電された電気を買い取る費用は誰がどのような形で負担しているのか、その仕組みをお尋ねします。


◯環境局長(吉村隆一) 電力会社が再生可能エネルギーで発電した電力を買い取るために必要な費用につきましては、電力会社との契約により電気を使用している消費者が再生可能エネルギー賦課金、いわゆる再エネ賦課金として電力料金の支払いにあわせて負担する仕組みとなっております。以上でございます。


◯35番(浜崎太郎) 固定価格買取制度は、再生可能エネルギーによる発電設備を設置する事業者や市民に適正な利潤を見込んだ制度となっていること、また、そのコストは電気を使う消費者が負担していることがわかりました。
 さて、ここで具体的に買い取り価格と再エネ賦課金についてお尋ねします。
 まず、太陽光発電に関して、買い取り価格が年々低下してきていますが、今年度の買い取り価格はどのようになっていますか、また、その価格で例えば、メガソーラーで売電したら利潤は出るのか、そして、個人が自宅の屋根に太陽光発電装置を設置したら果たして利潤は出るのか、御所見をお尋ねします。


◯環境局長(吉村隆一) 太陽光発電による電力の平成28年度の買い取り価格につきましては、発電能力10キロワット以上の設備では、電力量1キロワットアワー当たり25.92円とされております。また、住宅などの発電能力が10キロワット未満の設備につきまして、余剰電力を売電する場合の買い取り価格は33円とされております。
 次に、その価格で利潤が出るのかということにつきましては、国の資産によりますと、メガソーラーでは発電能力が1,000キロワットの場合、12年間で費用を償還し、13年目以降、利潤が出るものとされております。また、個人住宅で一般的な、発電能力5キロワットの設備の場合、33円の固定価格買い取り期間は10年間でございますので、その後、11円程度で売電を続けたといたしますと、自家消費による電気料金節減効果との合算で13年間で費用を取り戻し、14年目以降、利潤が出るものとされております。以上でございます。


◯35番(浜崎太郎) 買い取り価格が低下しても一応利潤が出るような制度設計になっていることはわかりましたが、一方で、私たち消費者から集めている省エネ賦課金は増加しています。制度導入時の平成24年は1キロワットアワー当たり0.22円に始まり、28年は2.25円と増加していますが、今後もこの賦課金は増加するのか、御所見をお尋ねします。


◯環境局長(吉村隆一) 再エネ賦課金につきましては、固定価格買取制度開始当初の高い買い取り価格の対象設備からの買い取りがあと15年続いていくことや、設備の導入により年々買い取り量が増加していることなどから、今後とも、上昇し続けるものと考えております。以上でございます。


◯35番(浜崎太郎) このまま再エネ賦課金という形で国民負担が増加するのであれば、再生可能エネルギーの導入は進まなくなるのではないかと考えますが、そのような懸念はないのか、お尋ねします。


◯環境局長(吉村隆一) 国においては、国民の負担をできる限り抑制し、今後とも、継続的に再生可能エネルギーの導入を推進するため、再エネ賦課金の上昇の主な要因とされている太陽光発電について、買い取り価格が高かった時期に発電設備の認定を受けたままいまだ稼働していない案件を取り消すとともに、入札を実施して買い取り価格を決定することができる仕組みを導入するなどの制度改正を行ったところでございます。以上でございます。


◯35番(浜崎太郎) ここで我が福岡市の取り組みについてお尋ねします。
 国は再生可能エネルギーを最大限導入していくということですが、福岡市においては、再生可能エネルギーの導入についてどのように政策を進めているのか、お尋ねします。


◯環境局長(吉村隆一) 福岡市におきましては、平成26年6月に福岡市環境・エネルギー戦略を策定し、エネルギーをつくる、賢く使うふくおか型の自律分散型エネルギー社会の早期実現に向けて、平成42年度の市内の再生可能エネルギーによる発電規模を40万キロワット以上とすることを目指し、導入を推進しているところでございます。以上です。


◯35番(浜崎太郎) 福岡市内の再生可能エネルギーの導入状況はどうなっているのか、また、そのうち、市の施設などの割合はどうなっているのか、そして、市の施設などで代表的なものはどのようなものがあるのか、お尋ねします。


◯環境局長(吉村隆一) 福岡市内の再生可能エネルギーの導入状況につきましては、平成26年度末で設備の発電能力にして15万7,000キロワットとなっております。そのうち市の施設等への導入は175施設、約7万3,000キロワットで、割合は47%となっております。
 また、代表的なものといたしましては、廃棄物発電設備が清掃工場の4つの施設で6万9,200キロワット、太陽光発電設備がメガソーラー発電所2施設で2,000キロワットとなっております。以上でございます。


◯35番(浜崎太郎) 福岡市内の導入状況は15万7,000キロワットとのことですが、前年と比べてどの程度増加しているのか、また、現在の導入状況をどのように評価しているのか、お尋ねします。


◯環境局長(吉村隆一) 平成26年度の福岡市内の再生可能エネルギーの導入状況は、前年度に比べて設備の発電能力にして2万2,000キロワット、約16%増加いたしております。これにより、平成26年度末の導入量15万7,000キロワットは、福岡市環境・エネルギー戦略の中間目標である平成28年度14万4,000キロワットを上回っているという状況でございます。以上です。


◯35番(浜崎太郎) 中間目標を前倒しで達成していることはいいことだと思っていますが、しかしながら、戦略の目標は平成42年の40万キロワットであり、今後も市役所が率先して再生可能エネルギーの導入を進めるべきであります。
 そこで、エネルギー戦略策定後の平成26年度以降で、市の施設の主な新規施設の開設計画をお尋ねします。


◯環境局長(吉村隆一) 平成26年度以降の新規施設といたしましては、いずれも太陽光発電でございますが、平成28年3月に青果市場に1,000キロワット、4月に西部水処理センターに1,320キロワットと新西部水処理センターに1,000キロワット、3つの施設合計で3,320キロワットを設置いたしております。
 また、今後につきましては、西区徳永の農業用ため池である蓮花寺池の水面に太陽光発電を、また南区の老司井堰及び早良区の曲渕ダムに小水力発電を設置する計画でございます。以上でございます。


◯35番(浜崎太郎) 太陽光発電以外にも小水力の発電の導入が予定されているということですが、他都市ではバイオマスの活用も進んでいます。例えば、川崎市は木質チップを燃料とした川崎市バイオマス発電所が23年に運転を開始し、3万3,000キロワットの発電規模となっています。森林があるまちでもないですが、建築廃材などをもとにチップ燃料を製造しています。
 また、北九州市では、若松区響灘西地区にバイオマス燃料集配基地を建設し、この地をバイオマス発電の拠点にする計画を掲げています。このように処分される木材や輸入ヤシ殻のようなものもバイオマスであり、エネルギーとして利用する際にも、大気中の二酸化炭素濃度に影響を与えないカーボンニュートラルという特性があり、今や貴重なエネルギー資源であります。しかもバイオマス発電は太陽光発電と違って天候に左右されることもなく、安定的に発電を行うことが可能な電源です。福岡市環境・エネルギー戦略の目標達成に向け、バイオマスなどの安定的な発電が行える再生可能エネルギーの導入を進める必要があるのではないかと私は思います。
 そこで、今後の福岡市のエネルギー戦略の方向性について最後にお聞きして、この質問を終わります。


◯環境局長(吉村隆一) 福岡市環境・エネルギー戦略では、福岡市の都市の特性などを勘案し、太陽光発電を中心に再生可能エネルギーの導入を進めることといたしておりますが、議員御指摘のバイオマスにつきましても、廃棄物発電を中心に福岡市の再生可能エネルギー源として大きな役割を担ってございます。このため、今年度、都市型バイオマスのエネルギー利用の研究を実施するなど、さらなる導入の可能性について検討してまいりたいと考えております。
 今後とも、エネルギーを取り巻く情勢の変化等に的確に対応しながら、福岡市環境・エネルギー戦略の目標達成に向け、太陽光、バイオマスを初め、多様な再生可能エネルギーの導入に積極的に取り組んでまいります。以上でございます。


◯35番(浜崎太郎) 最後に、都心の緑化についてお尋ねします。
 依然として人口が増加している福岡市でありますが、それだけ人口がふえれば住民が過ごしやすいまちを形成していくことが行政に求められると思います。
 そこで、緑化の推進についてお聞きします。
 まず、福岡市の緑被率は以前と比べてどう変化してきているのか、お尋ねします。


◯住宅都市局長(光山裕朗) 福岡市における緑被率の推移につきましては、初めて緑被率を算出した昭和60年が60.2%で、その後、平成8年が58.0%、19年は55.4%、一番直近の調査では、平成24年の55.5%となっております。以上でございます。


◯35番(浜崎太郎) このままでは、人口もふえ続け緑被率が下がってきたように、今後も下がっていくのではないかと想像しますが、それではいけません。現在、福岡市の緑化への取り組みをお尋ねします。


◯住宅都市局長(光山裕朗) 福岡市における緑化の取り組みにつきましては、平成21年度に策定した新・緑の基本計画において、緑の将来像を示し、公共空間においては、樹林地の保全、公園、街路樹の整備などの緑化に努めるとともに、民有地においては、特別緑地保全地区における樹林地の保全や開発許可制度に基づく緑化の指導、また、土地所有者との合意により地域の良好な環境を形成していく緑地協定制度などを活用しながら、市民や地域、企業の皆様とともに、風格ある緑豊かな環境共生都市を目指し、緑あふれるまちづくりを総合的に推進しております。以上でございます。


◯35番(浜崎太郎) 市街地の中でも多くの来街者が訪れる都心部の緑化は非常に重要だと考えています。大きく告知されております天神ビックバンですが、今後、このまちを大きく変化させる大プロジェクトなのでしょうが、この中に緑化を誘導する制度があるのか、お尋ねします。


◯住宅都市局長(光山裕朗) 天神ビッグバンにおける緑化を誘導する制度につきましては、都心部の機能強化と魅力を高めるまちづくりの制度である都心部機能更新誘導方策において、沿道のにぎわいや魅力づくりに寄与する緑化、環境負荷の低減、安全、安心に資する建築計画などを評価し、容積率を緩和することといたしております。
 さらに、平成28年5月からは、まちに潤いを与える木陰や花、目に映える緑化の推進やデザイン性の高いビルなどにさらなる容積率の緩和を行う新たなインセンティブ制度である天神ビックバンボーナスを導入したところでございます。以上でございます。


◯35番(浜崎太郎) さまざまな制度により緑化を誘導しているようですが、都心部においては、緑化が進んでいるとは余り感じられません。このままでは昔よく言われたコンクリートジャングル化してしまいますので、何かの行動が必要であると痛感しています。ぜひとも今後にかける意気込みを高島市長にお伺いをして、私の質問を終わります。


◯市長(高島宗一郎) 福岡市では、人と環境と都市活力の調和のとれたアジアのリーダー都市ということで、福岡市を次のステージに飛躍させるための施策を「FUKUOKA NEXT」ということで一体的に推進をして、いろんなまちづくりにチャレンジをしているわけでございます。現在、都心におきましては、セントラルパーク構想ですとか天神ビッグバンなどのプロジェクトを推進していますが、こうしたまちの更新機会にあわせて、市民の皆さんや、また外から訪れる皆さんにとっての活動を支える都心空間を魅力的な場所にしていくということが重要でございまして、特に心に潤いと安らぎを与えてくれる花や緑、これは都市の価値を高めるかけがえのないものだというふうに考えております。
 今後は天神ビックバンボーナスなどの規制緩和ですとか、インセンティブの制度を活用しながら、官民連携による花と緑あふれるまちづくりを進めていって、高質で魅力的な都心空間の形成に取り組んでいきたいというふうに考えております。以上です。