国分 議員の質問と答弁

◯46番(国分徳彦)登壇 私は、みらい福岡市議団を代表して、地域包括ケアの推進について、福岡市立高等学校の現状と今後について、東京五輪関連施設改修に伴う主要大会の地方開催について、以上3点について質問いたします。当局の明快な回答を期待いたします。
 質問に入ります前に、九州北部豪雨災害によりお亡くなりになられた皆様の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災された多くの皆様方に心からお見舞い申し上げます。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 まず、地域包括ケアの推進についてお尋ねします。
 現在、日本は超高齢社会の真っただ中にあり、人口に対する高齢者の占める割合が日に日に増加しております。医療技術の進歩などにより長寿が実現されることは、本来、大変喜ばしいことですが、一方で、高齢者を支える現役世代は減少しており、今後、高齢者の人口比率はますます高まっていくこととなり、医療や介護の需要はさらに増大することが予測されます。こうした中、各自治体においては、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目標に、高齢者が尊厳を保ちながら、介護が必要な状態になっても住みなれた地域で自分らしい暮らしを続けることができるように、医療、介護、予防、生活支援などのさまざまな支援が高齢者の日常生活の場で一体的に提供されるような、いわゆる地域包括ケアの構築が進められております。福岡市においても、介護や医療の専門職の方のみならず、民生委員の皆様や社会福祉協議会、さらに地域の介護事業者や専門職の関係団体など、たくさんの関係者の皆様がそれぞれの地域において、多くの高齢者を支えるために、地域包括ケアを構成する一員として日々懸命に取り組んでおられます。私はその皆様方の日ごろの努力に対して心からの敬意を表するものであります。この地域包括ケアの推進というのは、社会の仕組み全体にかかわることですので、その成果を一概に語ることは難しいと思いますが、福岡市における介護支援の現状と今後の方向性について質問してまいります。
 それではまず、現段階において福岡市が把握されている地域包括ケアの取り組みと成果についてお尋ね申し上げます。
 以上で1問目の質問を終わり、2問目からは自席にて行います。
◯保健福祉局長(永渕英洋) 団塊の世代が75歳に到達する2025年に向け、福岡市といたしましても、医療や介護の関係機関、団体、そして地域団体とともに、介護予防、生活支援、介護、医療、住まいの5分野において、地域包括ケアの推進に必要な仕組みづくりとその関連施策を進めてきたところでございます。その結果、介護予防や生活支援の分野については、地域に根差した活動が生まれてきたところであります。
 具体的には、まず、介護分野におきましては、より在宅での生活が継続できるよう地域密着型サービスの拡充などに努めており、また、医療分野におきましては、在宅医療提供体制の充実に向けて、福岡市医師会と取り組み方針を定め、各区医師会において在宅医療に係る医師間のネットワークづくりなどの取り組みを開始したところであります。さらに、保健、医療、介護等に関するデータを一元的に集約、管理するための情報基盤を整備し、地域課題の見える化や医療、介護における多職種間の連携を進めるなど、ICTを活用した地域包括ケアの推進に取り組んでいるところであります。その他、住まいの分野におきましては、高齢の方の民間賃貸住宅への住みかえ支援に取り組んでおり、それらの支援策に加えて、今年度から社会福祉協議会による少額短期保険制度を活用した葬儀や家財処分等の死後事務を行うやすらかパック事業を開始したところであります。また、医療や介護などの関係機関や関係団体においては、事業者や専門職団体による業務向上のための研修や市民向けシンポジウムの開催、高齢者のシームレスな支援のための福祉関係者のネットワークづくりなど、多様な取り組みを行っているところであります。以上でございます。
◯46番(国分徳彦) 御高齢になると、病気などで入院され、治療を受けて退院することになっても、入院前と同じように御自宅で生活できるかどうか、非常に不安になるものです。そのような不安を抱えたまま退院し、問題が起きたときにどこに相談していいかわからず、身体の回復がおくれ、結果的に介護状態に戻ってしまうようなケースもあるのではないでしょうか。入院していた医療機関のスタッフと高齢者やその御家族が相談できる窓口などが協力して支援していただければ、市民の大きな安心につながると思いますし、そういった取り組みが重要であると思います。
 そこで、このような医療と介護の連携についてどのように取り組んでいるのか、お尋ねします。
◯保健福祉局長(永渕英洋) 御高齢の方が退院して御自宅にお戻りになる際、安心して、できるだけ早くもとの暮らしに近い状態で暮らしていただくため、福岡市から医療機関や介護事業所の専門職の方々に働きかけ、異なる機関の専門職が御高齢の方を一体的に支援できる体制をとるように努めているところでございます。その結果、医療機関、介護事業所、地域包括支援センターが連携し、介護認定申請の手続の支援やリハビリ計画、介護サービス計画などを事前に調整できる事例が出てくるなど、退院後の生活を円滑に開始できるようになってきたところであります。
 今後とも、このような取り組みを継続して、多職種間の連携を進めてまいります。以上でございます。
◯46番(国分徳彦) 関係機関の連携については、引き続きしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 次に、介護の需要がふえるのに対し、介護支援を行う側の体制はどのような状況にあるのでしょうか。近年、全国的に雇用状況が改善の兆しを見せる中、介護業界では、職員を募集してもなかなか人材が集まらない状況にあると聞き及んでいます。また、介護業界は他の業種に比べて雇用条件が厳しいということも話題になっています。
 そこで、他の業種と比べて、介護職員の賞与を含めた給与条件をどのように把握されているのか、あわせて、正規雇用と非正規雇用の割合や正規雇用の賃金体系をどのように把握されているのか、お尋ねします。
◯保健福祉局長(永渕英洋) 給与条件につきましては、福岡市独自の統計はございませんが、厚生労働省社会保障審議会の資料によりますと、平成28年賃金構造基本統計調査をもとに、全産業では、平均年齢42.2歳、勤続年数11.9年、平均月額給与40万8,000円、介護職員では、平均年齢41.1歳、勤続年数6.3年、平均月額給与26万7,000円と算出されております。勤続年数等が異なり、単純に比較はできませんが、平均給与は低くなっております。
 また、正規、非正規雇用の割合につきましては、公益財団法人介護労働安定センターで実施した平成28年度の国の調査結果を参考にしますと、介護労働者全体の約55%が正規、約45%が非正規雇用となっております。また、賃金体系につきましては、それぞれの介護サービス事業所で決定している状況でございますが、賃金水準や正規、非正規雇用の状況は福岡市におきましても同様の状況にあると認識しております。以上でございます。
◯46番(国分徳彦) 介護業界では、長年勤めても昇給がないため、就職をしてもなかなか定着しないといったお話も伺うことがあります。先ほどの答弁でも職員の給与が決して高くないという実態が示されたように、人材の確保が非常に厳しい状況にあると感じています。
 そこで、介護職員の確保についてどのように認識されているのか、お尋ねします。
◯保健福祉局長(永渕英洋) 介護職員の確保につきましては、公益財団法人介護労働安定センターが実施した28年度の介護労働実態調査の結果によりますと、福岡県においては、従業員が大いに不足している、不足している、やや不足していると回答した事業所が合計で62.6%となっております。また、平成27年度の国の介護人材に係る需給推計によりますと、福岡県全体では2025年時点で約1万人の介護人材が不足すると推計されており、このうち福岡市ではおおむね2,000人程度不足するものと見込んでおります。福岡市保健福祉総合計画におきましても、介護人材の確保については大きな課題の一つと認識しているところでございます。以上でございます。
◯46番(国分徳彦) そのように介護人材の不足が予測されているのであれば、一刻も早く人材を確保するための取り組みを進めるべきではないでしょうか。
 そこで、介護職員の人材確保についてどのような取り組みを行っているのか、お尋ねします。
◯保健福祉局長(永渕英洋) 介護人材の確保のための取り組みにつきましては、国において福祉人材確保指針を定め、介護職の社会的評価を高める取り組みや介護職員処遇改善加算の充実などが行われております。この指針において、福祉人材の確保につきましては、まずは国や都道府県の役割とされており、国、県に対して引き続き介護人材の確保策の充実を要望してまいります。また、福岡市といたしましても喫緊の課題であると認識し、合同就職面談会の実施、有資格者で働いていない人への研修、就職して間もない職員の職場定着のための研修などを実施しており、引き続き独自の取り組みを進めてまいります。以上でございます。
◯46番(国分徳彦) 私も実際に高齢者を介護する御家族から相談を受けたことがあります。例えば、施設に入所していた親の要介護認定の更新の結果、要介護度が下がった場合には在宅介護となるようなケースもあるわけですが、自宅に戻ったために生活環境が変わり、転倒などで骨折でもするようなことがあれば、逆に御本人の状態が重度化し、一層御家族の負担がふえることにもなり、危惧するところです。一律に在宅介護と言われても、御本人を取り巻く住宅環境や家族の状況、経済状況など、さまざまです。在宅介護が高齢者御本人や御家族にとって本当に幸せな結果をもたらすのかということにつきましては、必ずしもそうではないのではないかと思っているところです。高齢者一人一人の身体の状態だけで要介護度を決めてしまうのではなく、住宅環境や家族の状況なども踏まえた、御本人と御家族がともに精神的に支えられるような制度の姿があってもよいのではないかと考えます。
 介護保険制度は国の制度である以上、全国一律に一定の基準に基づいて公正な認定を行うことが必要なことは重々承知しておりますが、地域で介護を支える事業者等と行政が気持ちを合わせて、介護を必要とする人やその御家族を支えていくことが最も重要なことではないでしょうか。地域や事業者の皆さんは本当に一生懸命、支援や介護が必要な方々を支えておられますが、福岡市の認識は私と一緒でしょうか。
 高齢になって体も弱まり、介護が必要になっても人生の最期のときまで日々の生活を営む中で、少しでも安心して幸せを感じながら過ごしていただくための支援を相互扶助の精神のもとで提供できるよう、また、御家族が介護を抱え込まず、できる限り介護の負担を減らし、従来の生活を続けることができるような取り組みが大切ではないのでしょうか、お尋ねします。
 今後とも、地域包括ケアの推進については、保健福祉局が中心となって引き続きその構築に向けて邁進していただくことが必要だと考えますが、最後に、今後の取り組みの方向性について御所見をお伺いし、この質問を終わります。
◯保健福祉局長(永渕英洋) 議員御指摘のとおり、高齢期において住みなれた地域で人生の最期のときまで安心して暮らし続けるためには、介護保険などの制度だけでなく、住民同士の支え合い、助け合いなどのつながりや、介護事業者や医療関係者などが日ごろから地域の高齢者を支える懸命な取り組みがあって初めて、そのような暮らしが実現するものと考えております。日ごろから地域において高齢者を支える取り組みを進めていただいている住民の皆様や事業者の皆様の御尽力には、改めて深く感謝申し上げる次第であります。
 このような社会の実現を目指す地域包括ケアの今後の方向性につきましては、これまでのさまざまな成果を踏まえながら、高齢者お一人お一人の生活状況に寄り添い、適切な社会資源を組み合わせて生活を支えていくことができるよう、医療、介護、生活支援など幅広い分野にわたって先進的な活動状況などを共有しながら、その取り組みを進めてまいります。以上でございます。
◯46番(国分徳彦) 次に、福岡市立高等学校の現状と今後についてお尋ねします。
 福岡市立高等学校については、戦前には専門技術など社会生活に実際に役立つ学問を中心とする学校が創設されています。最初に、現在の福翔高等学校は、明治33年に福岡市商業学校として開校され、地元福博のまちを支える政財界人を数多く輩出されているところです。次に、現在の福岡女子高等学校は、大正14年に第一女学校として開校され、福岡市内の公立高校で唯一の女子校として、生涯にわたって主体的に生きる女性を育てることを目標に指導が行われています。その後、昭和15年には第一工業高校と第二工業高校が開校され、昭和23年に統合し、現在の博多工業高等学校に名称を改め、工業教育を通して、物づくりへの興味や関心を育て、産業社会に信頼される人材を育てることを目標に指導が行われているところです。戦後になって、昭和51年には、高等学校への進学率の上昇を背景に、普通科高等学校として福岡西陵高等学校が開校され、国公立大学への進学を目指す普通科進学重点校として生徒を育成しています。
 私は博多工業高等学校の卒業生でありますが、多くの同窓生がその専門性を生かして各方面で活躍している話をよく耳にしております。また、博多工業高等学校の宮崎校長先生からは、市立高等学校のそれぞれがその特色に磨きをかけて、より一層活性化に取り組んでおり、一定の成果を上げているというお話も伺っています。市立高等学校の活性化については、新しいふくおかの教育計画において重点施策に掲げられ、これまでさまざまな取り組みが進められてきたところです。
 そこで、これまでの学校の活性化に向けた取り組みの進捗状況及び福岡市の教育において学校が果たすべき役割や求められる機能など、今後のあり方についてどのようにお考えなのか、質問してまいります。
 まず、現在、市立高等学校は4校ありますが、これまでどのような役割を果たしてきたか、お尋ねします。
◯教育長(星子明夫) 福岡市立高等学校は、議員から御紹介がありましたとおり、4校それぞれが市民や産業界など各方面からの要請を受け、創設されたものでございます。福翔高等学校は、明治に入り急速に発展する商都福博の商人の熱い願いを受け、福岡女子高等学校は、実技訓練に重点を置いた裁縫、家事の実業学校として、博多工業高等学校は、技術者養成の工業教育を県立だけでなく、福岡市でとの要請を受け、福岡西陵高等学校は、国際化の進展と中学校の生徒数増加を背景として新しい時代に即応する高校像を目指して開校いたしました。
 今日まで社会や市民のニーズに対応し、改革に取り組みながら多様な高等学校教育の機会を提供し、福岡市を担う人材を育成するなど、重要な役割を果たしてきたと考えております。以上です。
◯46番(国分徳彦) 次に、これまで推進されてきた市立高等学校の活性化の取り組みはいつからどのように進められてきたのか、お尋ねします。
◯教育長(星子明夫) 市立高等学校につきましては、社会情勢の変化や高等学校教育の進展に対応するため、昭和63年に学識経験者、産業界代表、保護者代表及び教育職員で構成する福岡市立高等学校教育の在り方に関する検討会議を設置し、高等学校教育の改革に取り組んでまいりました。平成6年設置の福岡市立高等学校活性化検討委員会、18年設置の第2次福岡市立高等学校活性化検討委員会、22年設置の福岡市立高等学校改革プロジェクト会議を経て、24年3月に5カ年計画として福岡市立高等学校活性化に向けた取組方針を、また、29年6月には3カ年計画として第2次福岡市立高等学校活性化に向けた取組方針を策定し、社会や市民のニーズに即応した高等学校教育改革を推進しております。
 これまでの主な取り組みといたしましては、平成2年度に博多工業高等学校の学科転換、6年度に福岡女子高等学校に国際教養科を新設、12年度に福翔高等学校を総合学科に改編、25年度に福岡西陵高等学校に特進クラスを新設するなど、高等学校教育の充実に努めてきております。以上です。
◯46番(国分徳彦) 平成23年度から5カ年の活性化取組方針に基づき、市立高等学校の活性化を推進してこられたということですが、その取り組みによってどのような成果があったのか、お尋ねします。
◯教育長(星子明夫) 学力の向上や資格取得、検定合格に向けた成果指標を掲げた各高等学校の重点的な取り組みが、希望大学への進学や希望する職業への就業など、着実な進路実現につながっており、卒業生の学校生活に対する満足度も高くなってまいりました。また、各高等学校の重点的な特色ある取り組みと成果が認められ、入学者選抜の志願率も上昇しており、市立高等学校に進学したいと希望する生徒が増加しております。以上です。
◯46番(国分徳彦) 市立高等学校全体の志願率が増加傾向にあるということは、今後ますます学校の果たす役割が期待されるのではないでしょうか。
 また、成果指標においても成果が上がっているということですが、各学校の主な成果としてどのようなものがあるのか、お尋ねします。
◯教育長(星子明夫) 福翔高等学校の主な成果につきましては、国公立大学及び地元私立大学への進学実績が向上し、入学者選抜における志願率も上昇しております。福岡女子高等学校は、希望大学や専門学校への進学実績の向上や英語検定2級以上の取得率の向上とともに、保育や介護福祉などに関する基礎を着実に身につけることができております。博多工業高等学校は、電気工事士などの資格取得者数や情報技術検定などの検定合格者数の増加、ロボット競技大会といった各種競技大会への積極的な参加による、物づくり力の向上などにより高い技術力を身につけており、就職内定率100%を継続しております。福岡西陵高等学校は、特進クラスの設置により、地元私立大学への進学実績が向上し、英語検定準2級以上の取得者数も増加しております。以上です。
◯46番(国分徳彦) 各学校、大きな成果を発揮されており、とりわけ博多工業高等学校の就職内定率100%には大変驚かされました。
 それでは、具体的な実績としてはどのようなものがあるのか、私の母校である博多工業高等学校を例としてお尋ねします。
◯教育長(星子明夫) 博多工業高等学校の実績としましては、平成27年度に資格の取得や競技会等での成果を表彰する制度において、ジュニアマイスターに認定された生徒数が、全国600校中、上位30校に入るなど、公立の工業高等学校としてはトップレベルにあります。また、工業教育の活性化や特色化を目指すことを目的とした福岡県工業高等学校生徒研究発表会における最優秀賞を受賞するとともに、県内24校の工業系高等学校の生徒を対象として、技術、技能を競い合うものづくりコンテスト福岡県大会において、8部門中2部門優勝などのすばらしい実績を上げております。以上です。
◯46番(国分徳彦) 一例として、博多工業高等学校の実績について紹介いただきましたが、各学校とも成果が上がっている一方で、抱えている課題もあるのではないでしょうか。
 そこで、各学校についてどのような課題を把握しているのか、お尋ねします。
◯教育長(星子明夫) 福翔高等学校の課題につきましては、国公立大学へのさらなる進学実績の向上やキャリア教育の充実、さらなる部活動の活性化が今後の課題であると考えております。福岡女子高等学校は、看護、医療系上級学校への進学に向けた取り組みの強化やさらなる英会話能力の向上、専門的な知識や技能の向上を図ることが課題であると考えております。博多工業高等学校は、就職だけでなく、進学への対応を強化することや最先端技術を身につけさせる学習の充実を図ることが課題であると考えております。福岡西陵高等学校は、国公立大学への進学実績の向上や国際交流に関する行事などを効果的に活用して、英語コミュニケーション能力を高めることが課題であると考えております。以上です。
◯46番(国分徳彦) 各学校の課題が明らかになったわけですが、教育委員会におかれては、その解決に向けて引き続き御支援をお願いしたいと思います。
 次に、先ほど答弁がありました平成23年度からの活性化の取組方針については27年度で終了していますが、28年度以降の活性化の取り組みはどのようになっているのか、お尋ねします。
◯教育長(星子明夫) 平成27年度までの5カ年計画である福岡市立高等学校活性化に向けた取組方針の成果と課題を踏まえ、29年6月に国公立大学への進学実績や専門技術の向上への取り組み、専門学科教育の充実などを盛り込んだ3カ年計画として第2次福岡市立高等学校活性化に向けた取組方針を策定いたしました。
 市立高等学校4校がこの方針に沿った重点的な取り組みを通して、生徒の希望や進路を着実に実現するとともに、魅力ある高等学校教育を行ってまいります。以上です。
◯46番(国分徳彦) 各学校の成果と課題をもとに、それぞれの特色や魅力アップに向けた見直しを行うことは重要なことだと思います。そういった意味でも、この6月に策定された第2次の取組方針に大変期待するところであります。
 ところで、言うまでもありませんが、実際に学校現場で指導されているのは先生方です。
 そこで、市立高等学校の活性化の実現に当たって、学校現場の先生方の声としてどのようなものがあるのか、また、現場の声が第2次の取組方針に反映されているのか、お尋ねします。
◯教育長(星子明夫) 第2次福岡市立高等学校活性化に向けた取組方針を策定する際の議論において、福翔高等学校からは文武両道を体現する生徒が数多く活躍する学校を目指したい、福岡女子高等学校からは社会人基礎力を養成する女子高校を目指したい、博多工業高等学校からは都市型工業高校として生徒一人一人の能力を最大限に発揮できる教育を目指したい、福岡西陵高等学校からは国公立大学への進学を目指す普通科進学重点校を目指したいとの先生方の声がございました。また、高等学校における教育課程を着実に展開するため、電子黒板やデジタル教材など、ICT教育環境の整備を求める声もございました。
 これらの御意見は第2次取組方針に反映させており、市立高等学校4校と教育委員会がしっかり連携して取り組んでいきたいと考えております。以上です。
◯46番(国分徳彦) それでは、このように市立高等学校の活性化を推進している教育委員会として、市立高等学校の存在意義についてはどのようにお考えなのか、お尋ねします。
◯教育長(星子明夫) これまで市立高等学校は、出光興産創業者の出光佐三氏を初め、地元に貢献されている優秀な方々を多数輩出しており、市民や産業界など各方面の要請に応じて人材を育成する重要な役割を果たしてまいりました。市立高等学校は将来の福岡市を担う優秀な人材を育成することができる貴重な教育の場であると考えており、今後とも、質の高い高等学校教育を提供し、その重要な役割を果たしてまいります。以上です。
◯46番(国分徳彦) 先ほどから御答弁いただいているように、各学校それぞれの特徴を生かして成果や実績も上げており、志願率が上昇傾向にあることからも、市立高等学校の果たすべき役割が大いに期待されることになろうかと思います。今後は、新たに策定された第2次の取組方針に基づいて、各学校の特色のある教育活動にさらに磨きをかけて、より多くの小中学生や市民の皆さんから魅力的な高校として認められるよう、活性化の流れを確かなものにしていただきたいと思います。また、各学校が掲げている将来目指す学校像の実現に向けた重点的な取り組みが着実に推進されるよう、教育委員会の御支援をお願いしたいと思います。
 最後に、市立高等学校を活性化するための今後の方向性について教育委員会としてどのように考え取り組んでいくのか、御所見をお伺いし、この質問を終わります。
◯教育長(星子明夫) 市立高等学校は、生徒の夢や希望を実現すると同時に、これからの福岡市を担う人材を育成する重要な役割がございます。
 今後とも、第2次福岡市立高等学校活性化に向けた取組方針に沿って、高等学校教育のさらなる充実を図り、市立4校で学びたいという思いで入学してきた生徒の夢や希望、進路を着実に実現し、将来の福岡市を担う人材を育成してまいります。以上です。
◯46番(国分徳彦) 次に、東京五輪関連施設改修に伴う主要大会の地方開催についてお尋ねします。
 近年、福岡市においては、スポーツ大会の招致、開催が続いています。平成25年のフィギュアスケートグランプリファイナルに続き、昨年開催の世界最高峰の国際ヨットレースであるアメリカズカップ・ワールドシリーズの成功、また、平成26年から毎年開催されている福岡マラソンも市民参加型のスポーツイベントとして年々参加者もふえ、定着してきています。今後も、平成31年にはラグビーワールドカップや陸上競技の国内最高峰の大会である日本陸上競技選手権が開催されることとなっており、つい先日、男子100メートル走で桐生祥秀選手が日本人初の9秒台を記録するなど、陸上界では大変な盛り上がりを見せています。また、32年の東京オリンピック・パラリンピックにおけるスウェーデン、ノルウェー両国選手団の事前合宿、さらに、33年には20年ぶりに世界水泳選手権が再び開催されることが決まっており、ますます国際スポーツ都市としての地位が高まっていくと思われます。
 一方、東京都やその周辺に目を向けると、32年の東京オリパラの開催に向けた準備のため、施設が昨年ごろから一斉に改修工事に入っています。そのため、それらの施設を活用したさまざまなスポーツ大会やコンサート、演劇、コンベンションなどの実施が難しくなっている、いわゆる2016年問題と言われる状況にあると聞いています。
 こうした中、東京オリパラの開催に合わせて改修が行われている主なスポーツ施設はどのようなものがあるのか、お尋ねします。
◯市民局長(下川祥二) 2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせて改修工事等が行われる主なスポーツ施設につきましては、国の施設としては国立競技場、代々木体育館、自治体の施設としては有明テニスの森公園、東京体育館、東京辰巳国際水泳場などがあり、その他の施設として日本武道館などがございます。以上でございます。
◯46番(国分徳彦) 今、名前の挙がった施設は、そこで開催されるさまざまなスポーツ大会の報道等でよく見聞きする名称ですが、例年これらの施設を使用して実施される主要なスポーツ大会はどのようなものがあるのか、お尋ねします。
◯市民局長(下川祥二) 改修工事等が行われるスポーツ施設において例年開催されている主な大会につきましては、代々木体育館ではフィギュアスケート国別対抗戦や全日本レスリング選手権大会、全日本総合バドミントン選手権大会が開催されております。また、東京体育館では全日本卓球選手権大会が、東京辰巳国際水泳場では日本選手権水泳競技大会が、有明テニスの森公園では楽天ジャパンオープンやジャパンウイメンズオープンが開催されております。さらに、日本武道館では全日本柔道選手権大会などの大会が開催されております。以上でございます。
◯46番(国分徳彦) ただいま答弁がありました大会、当然これが全てではないと思いますが、大会名を聞いただけでも、それぞれの競技、種目において国内最高峰レベルの大会だと思いますし、フィギュアスケート国別対抗戦や楽天ジャパンオープンなどは、羽生結弦選手や錦織圭選手を初め、国内だけでなく、海外からもトップ選手が参加する注目度の非常に高い大会です。
 こうした大会のうち、既に別の会場での開催が決まっているものもあると思いますが、現在どのような状況なのか、また、福岡市として何か働きかけを行っているのか、お尋ねします。
◯市民局長(下川祥二) 別会場に変更し開催される主な大会につきましては、全日本レスリング選手権大会は代々木体育館から、全日本総合バドミントン選手権大会は東京体育館から、それぞれ駒沢オリンピック公園総合体育館に変更され、開催することが決定しております。また、テニスのジャパンウイメンズオープンにつきましては、有明テニスの森公園から広島広域公園に変更され、開催することが決定し、先週発表されたところでございます。
 福岡市といたしましては、平成25年のフィギュアスケートグランプリファイナル開催の実績を踏まえ、フィギュアスケート国別対抗戦の福岡市開催について、福岡県スケート連盟と協議を進めているところでございます。以上でございます。
◯46番(国分徳彦) まだこれから会場が決まっていく大会も少なからずあるということだと思います。先ほど名前の挙がった大会の中で、例えば、フィギュアスケート国別対抗戦などはウインタースポーツのため、なかなか福岡ではトップ選手の演技を観戦する機会がありませんが、平成25年のグランプリファイナルは連日満員になるなど、市民の関心は高いと思います。今や押しも押されもせぬ日本フィギュアスケート界のエース、羽生選手も、ソチ五輪の金メダル獲得後、福岡でのグランプリファイナル優勝があったから金メダルがとれた、福岡の皆さんには親切にしていただき、とても感謝している、また福岡に行きたいとコメントされ、本市に感謝パネルを御寄贈いただくなど、福岡に特別な思いを抱いているという話をスケート関係者から聞いたことがあります。国別対抗戦は世界の強豪国が集うグランプリファイナルに匹敵する規模の大会でもあり、このような大会については戦略的に招致に取り組んでいってはどうかと思います。
 さらに、レスリングやバドミントン、卓球などの全日本選手権、テニスの楽天ジャパンオープンなども、東京オリパラ、そして、その次の世代を担う子どもたち、そして、ふだんスポーツに親しんでいる市民の皆様にぜひ生で観戦する機会があればすばらしいことだと思います。トップレベルの競技を生で観戦し体感することがどれほど人を感動させるか、多くの大会を招致し、開催してきた実績を持つ福岡市並びに福岡市民は、その価値が十分に理解できると思います。いよいよ来年度には総合体育館のオープンもあり、施設はますます充実することとなります。
 私は福岡市が掲げるスポーツMICEの推進を図るため、例年、東京都を中心とした首都圏で開催されている全日本レベルの大会や国際大会を、首都圏の施設が改修に入って使用できない間に限られるとしても、ぜひこの機会に招致を進め、開催すべきと考えますが、最後に、高島市長の決意をお伺いし、私の質問を終わらせていただきます。
◯市長(高島宗一郎) 今、御紹介いただきましたとおり、福岡市におきましては、これまで平成25年のフィギュアスケートグランプリファイナル、そして、去年のアメリカズカップ・ワールドシリーズ福岡大会などを開催いたしまして、国内外から多くのお客様においでいただくなど、国際スポーツ都市福岡の実現に取り組んできたところでございます。こうした大会は、羽生結弦選手を初めとした国内外のトップアスリートの演技やプレーを間近で体感することができるなど、子どもたちを初め、市民の皆様にとっても福岡市で開催されてよかったと思っていただける、市民スポーツの振興に寄与する大会になったのではないかというふうに考えています。国分議員御指摘のとおり、東京オリンピック・パラリンピックに向けた施設の改修が特に東京で行われるこの時期というのは、これまで首都圏で開催をされてきたトップレベルの選手が出場する大会を招致する、またとない機会であるというふうに考えています。
 今後、各競技団体やその他関係者の皆様と連携を密にとっていきながら、既に招致実現に向けて協議を進めているフィギュアスケートの国別対抗戦を初め、各競技の全日本選手権大会などの招致や開催に向けてしっかりと取り組んでまいります。以上です。





皆様のご意見、ご質問、ご感想、ご主張、ご要望をお気軽にお寄せください。   ページの先頭へ戻る