浜崎 議員の質問と答弁

◯40番(浜崎太郎)登壇 私はみらい・無所属の会を代表し、福岡市空家等の適切な管理に関する条例の効果について、介護人材の確保への福岡市のかかわりについて、観光・MICEの振興について、障がいの重い子どもの保育について、以上4点について順次質問してまいります。
 まず、福岡市空家等の適切な管理に関する条例の効果について質問します。
 平成26年に総務省が発表した平成25年住宅・土地統計調査結果によりますと、全国の総住宅数は6,063万戸あり、そのうち空き家戸数は820万戸、空き家率は13.5%と過去最高になっています。福岡県は32万戸、12.7%となっています。
 そこで、福岡市における空き家の現状をお尋ねいたします。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
◯住宅都市局長(石橋正信) 総務省の平成25年住宅・土地統計調査によりますと、福岡市の総住宅数は約85万4,000戸であり、そのうち空き家は約10万4,500戸で空き家率は12.2%となっております。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 人口増加している福岡市でも12.2%が空き家ということであります。
 それでは、なぜ空き家になるのか、その理由をお尋ねいたします。
◯住宅都市局長(石橋正信) 総務省等が示しました空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な指針によりますと、近年の地域における人口減少や既存住宅、建築物の老朽化、社会的ニーズの変化等が空き家の要因であるとされておりまして、福岡市にも同様のことが当てはまるのではないかと考えております。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 2015年に空家等対策の推進に関する特別措置法が施行されましたが、適正な管理が行われず放置され、社会的に問題となっている空家等とはどのようなものなのか、お尋ねいたします。
◯住宅都市局長(石橋正信) 議員お尋ねの空家等に関しましては、空家等対策の推進に関する特別措置法第2条第2項において特定空家等が定められておりまして、これは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態または著しく衛生上有害となるおそれのある状態等にあるものとされております。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 昨年4月に議員提案により全面改正した福岡市空家等の適切な管理に関する条例が施行されましたが、その中で特定空家等とはどのような考え方で危険度などを判断しているのか、お尋ねいたします。
◯住宅都市局長(石橋正信) 特定空家等の判定につきましては、福岡市空家等の適切な管理に関する条例施行規則の第4条の定めにより、家屋の崩落、崩壊、著しい建築物の傾き、構造材の腐食や老朽の状態が著しい状態にあるかなど、危険度や衛生上有害となるおそれのある状態などをおのおので判定し、ランクづけを行っております。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) それでは、福岡市内で認められた特定空家等は一体どれほどあるのか、そして、今現在、それらはどのようになっているのか、お尋ねいたします。
◯住宅都市局長(石橋正信) これまで市内で23件の特定空家等の認定を行っておりまして、所有者等に対し指導等を行った結果、このうち5件が自主的に解体されております。さらに倒壊の危険が切迫していた2件につきましては、福岡市が空き家等の解体除却を行っております。それ以外の16件につきましても、所有者等に対しまして粘り強く指導を行っているところであります。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 特定空家等の指導を行う上で特に苦労した点についてお尋ねいたします。
◯住宅都市局長(石橋正信) 特に苦労している点でございますが、建物が古く、相続関係が複雑化していることなどから相続人の確定作業に相当の時間がかかっていること、また、遠隔地に居住している所有者等につきましては、当事者意識が希薄な場合が多く、指導が思ったように進まないことなどがございます。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 建物をそのままにしている理由は、固定資産税の住宅用地特例を利用して税の増額を回避するためのものであるとよく聞きますが、そこで、建物を壊した場合、住宅用地の特例の対象外となり、固定資産税が増額となりますが、特定空家等に認定され勧告された場合は、この特例はどうなるのか、お尋ねいたします。
◯住宅都市局長(石橋正信) 空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、福岡市が特定空家等の所有者等に対して勧告を行った場合には、特定空家等に係る敷地について、固定資産税の住宅用地特例の対象から除外することとされております。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 当然と思いますが、全国では特定空家を解体するのに補助金が用意されているケースもあると聞きますが、福岡市の場合はどうか、お尋ねします。
◯住宅都市局長(石橋正信) 特定空家等とならないように適切に維持管理されている方との公平性の確保などの観点から、福岡市においては、解体に係る補助制度は設けておりません。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 私の地元の銀天町商店街の南側の入り口側に何年も前から今にも崩れそうな空き店舗があります。ちょっと写真を見ていただければと思います。(パネル表示)ここは数件の店舗が連なった集合店舗ですが、現在一番左端の店舗だけが営業を行っています。ほかは空きとなっています。2枚目、(パネル表示)この建物の裏側をのぞくと、こういう状況で、軽い地震で崩壊してしまうと感じるぐらいぼろぼろですね。また3枚目、(パネル表示)これはちょっと角度を変えて反対側からしているんですけれども、こういう状態の横を車が通っているということです。
 過去に住宅都市局に相談しており、建物所有者等にも接触いただいているはずですが、外観上は何も変わりません。以前、店の軒先の構造物が落下して、博多区役所のカラーコーンも置かれている。ということは市も認識をしていると。とても危険な状態です。福岡市の南の玄関口、魅力あふれる美しいまち雑餉隈にとても似つかわしくないものでございます。近くには保育園もあり、前の歩道を歩く親子もよく目にします。
 条例第8条に、市長は、「他人の生命、身体又は財産に被害を生じさせる危険を防止するために緊急の必要がある場合において、所有者等を確知することができないときその他特別の事情があるときは、その危険の防止のために必要最小限の措置を講ずることができる」とあります。
 そこで、この銀天町商店街における物件はこれに当てはまらないのか、お尋ねいたします。
◯住宅都市局長(石橋正信) 議員御指摘の一部で営業がなされている集合店舗についてでございますが、長屋や共同住宅などにおいて、その一部が利用されているものにつきましては、空家等対策の推進に関する特別措置法の空家等には当たらないものとされております。したがいまして、空家等の適切な管理に関する条例第8条における緊急的危険防止措置は適用されないものと考えております。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) あらあというような感じですけど、これまでのこの物件に対する指導状況はどうだったのか、また、条例が当てはまらないのならば、そのほか、何か対応できる方法はないのでしょうか、お尋ねいたします。
◯住宅都市局長(石橋正信) 御指摘の建物の所有者に対しましては、建築基準法や改正前の空家条例に基づきまして、平成25年から指導文書の送付や自宅訪問、電話連絡等による自主的な改善の指導を行ってまいりましたが、いまだ対策がとられておりません。今後につきましては、建物の老朽化が進み、危険性が増していることや、指導による改善が見られないことから、建築基準法第10条第3項に基づく保安上危険な建築物等に対する措置命令を視野に入れまして、速やかな対策がとられるよう手続を進めてまいります。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 危険防止のための命令を行うという新たな措置をとられるということで、とりあえず理解はしました。ただし、もし危険防止措置命令を行っても所有者が命令に従わず、何も改善が行われない場合はどうなるのか、お尋ねします。
◯住宅都市局長(石橋正信) 必要な措置を命じた後、一定の期間を過ぎても所有者等による改善がなされない場合は、建築基準法第10条第4項の規定に基づきまして代執行を行うことができることとされております。なお、代執行に要した費用につきましては、所有者等から徴収することとなっております。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) これまでの答弁をお聞きしますと、行政としてもさまざまな苦労があることはわかります。しかし、放置空き家等により地域住民が困っていることもまた事実であります。放置空き家対策については重要な施策であると考えますが、今後どう取り組んでいくのかお尋ねして、この質問を終わります。
◯住宅都市局長(石橋正信) 適切な管理が行われていない空き家等が地域住民の生活環境に深刻な影響を与えることがないように、適切に対策に取り組んでいくことは、放置空き家等が増加している今日、重要さを増していると考えております。このため、空家等対策の推進に関する特別措置法や空家等の適切な管理に関する条例に基づきまして、所有者等への指導助言や特定空家等に対する必要な措置を適切に行うなど安全、安心なまちづくりにしっかり取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) よろしくお願いいたします。
 次に、介護人材確保への福岡市のかかわりについて質問をいたします。
 先月の21日、厚生労働省は、2025年度末に介護職員が34万人不足すると発表しました。これからさらに少子・高齢化が進んでいく中、介護業界は職員の確保にとても苦労しています。ほとんどの施設は民間施設であり、そこでの雇用関係は、それを運営する法人と雇われる側の個人であることから、行政が介入することは考えられないとすることが今までの常識であろうと思います。しかしながら、人手不足になってしまったら、行政が幾ら施策を打ったとしても、それを実行することはできません。
 先日、私は大阪府をお訪ねし、いろいろなお話をお聞きしてきました。大阪府の介護の有効求人倍率は5倍を超えているとのことです。1人の介護職員を5社で取り合うということです。これでは施設側も安定したサービス提供ができず、運営がおぼつかない状況となります。
 このような中、大阪府は大阪府社会福祉審議会のもとに専門部会を設置し、オール大阪で介護、福祉人材を確保する取り組み、大阪府介護・福祉人材確保戦略を取りまとめられています。ここでは、大阪府が大阪労働局などの関係機関や各種団体とをつなぐ連携機関となって、また、都道府県が窓口となっている国からの介護従事者の確保のためのひもつき基金である地域医療介護総合確保基金を各市町村が積極的に活用できる独自の支援メニューを創設したり、また、裾野を拡大するために若年層への働きかけとして、小中学校への広報や教育長がワーキンググループの一員に名を連ねたり、また、元気な高齢者、子育て中の女性、他業界からの転職者の呼び込みを図っているように明記されています。さらにアジアの優秀な人材が活躍できるよう、在留資格介護による外国人留学受け入れガイドラインまで独自に作成をしています。とにかく民間施設が今、確実に感じている危機感を行政がともに感じ取って、今、行政ができることを最大限やってのけているのです。
 では、福岡市は今、介護人材に関する施策は何かあるのでしょうか、お尋ねします。
◯保健福祉局長(永渕英洋) 介護人材に関する施策につきましては、介護人材の就労及び定着に向けた支援や事業所向けの研修等を行っております。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 国からの基金である地域医療介護総合確保基金は活用されているのでしょうか。活用されているのであれば、その内容とその金額をお尋ねいたします。
◯保健福祉局長(永渕英洋) 地域医療介護総合確保基金につきましては、平成27年度から活用しており、基金の配分額が決定しております平成29年度でお答えいたしますと、その金額と内容は、就労支援事業として約998万円で合同就職面談会等を開催しており、また、定着支援事業として約559万円で就労して日が浅い介護職員向けに技術研修を実施しております。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 全国的に介護の現場における人手不足が問題化してきており、福岡市内でも介護現場の人材不足は深刻になってきていると聞いています。福岡市のその実態を把握していますか、お尋ねいたします。
◯保健福祉局長(永渕英洋) 介護人材の不足の実態につきましては、福岡市内で休止、廃止した介護事業所のうち、約3割の事業所が人員不足を理由としているところであり、福岡市といたしましても、介護人材の不足は喫緊の課題と考えております。
 そこでまず、その実態を把握するため、現在、市内に約2,000カ所ございます全ての介護事業所を対象に介護人材に関するアンケート調査を実施しているところでございます。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 福岡市内の介護福祉士養成学校の定員の充足率が非常に低くなっていると聞きます。どれくらい低くなっているのか、お尋ねします。また、あわせて若者の新規参入を促進するための施策を福岡市は行っているのか、お尋ねします。
◯保健福祉局長(永渕英洋) 福岡市内の介護福祉士養成校にヒアリング調査を行ったところ、平成30年度入学生の定員充足率は約39%でございました。
 若者の新規参入を促進するための施策につきましては、若者が多く集まる科学館において合同就職面談会及び介護職のユニホームのファッションショーを同時開催するなど、若者向けに介護の魅力をアピールしているところでございます。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 定員の39%しか入学者がいない。誰が聞いても心配をすると思います。
 専門学校などへ行く人が少なくなってきているということは、小中学生などへ介護という仕事がどのようなものなのか、若いうちから福祉体験などで介護という仕事があることを認識してもらう取り組みが必要と思いますが、福祉と教育双方の観点から所見をお尋ねいたします。
◯保健福祉局長(永渕英洋) 小中学生など若い世代への取り組みにつきましては、認知症への理解を深めるための啓発活動のほか、福岡市社会福祉協議会を通じて小中学校向けに出前講座や教材の貸し出し等を行っております。小中学生など若い世代への福祉教育は重要であると考えておりますので、今後、教育委員会と連携しながら、必要な取り組みを検討してまいります。以上でございます。
◯教育長(星子明夫) 学校における福祉体験についてお答えいたします。
 小中学校におきましては、福祉体験として、総合的な学習の時間などで車椅子体験やアイマスク体験、高齢者疑似体験などを実施いたしております。また、多くの中学校におきましては、介護士としての職業体験が選択できるよう職場体験先の一つに介護施設を入れております。小中学生の段階から福祉に関する教育を行うことは、介護など高齢者とのかかわり方を学んだり、職業としての介護について理解する上で大切なことであると認識しており、今後も取り組みを継続してまいります。以上です。
◯40番(浜崎太郎) (資料表示)先日、大阪府で資料をいただいて、きょう持ってきているんですが、介護福祉士になろうということで、若い女性が2人と男性が1人、全部若い方が中に載って、なぜ介護福祉士になったのか、介護の給料は平均どれぐらいなのか、それから、就学資金貸付制度、これは福岡県が窓口であるんですけれども、5年間従事すれば借りたお金は免除される。月額5万円に入学準備金20万円、就職準備金20万円、さらに国家試験の対策費用も借り入れが可能ということで、こういうものをまだ知らない方もいっぱいいるので、県以外でも、市もしっかりこういうもので若い人たちに告知をしていって、若い人をターゲットにしていっているんだという部分は非常に大切だというふうに思っておりますので、考えていただきたいと思っています。
 未経験者が参入しやすい環境をつくっていかないといけないと感じています。また、離職した人や元気高齢者、障がいがあるが訓練を経てスキルを身につけた人たちなどが介護業界で仕事に従事しやすくなる取り組みはあるのか、お尋ねいたします。
◯保健福祉局長(永渕英洋) 離職者や元気高齢者等が介護業界で就労しやすくなる取り組みにつきましては、国や県が主体的に実施しており、離職者に向けた取り組みとしましては、福岡県が福岡県社会福祉協議会を通じて実施している離職介護人材の再就職準備金制度や介護福祉士等就学資金貸付事業、離職時届出制度等がございます。
 また、元気高齢者に向けた取り組みといたしましては、ハローワーク及び福岡県が設置する福岡県中高年就職支援センターや福岡県70歳現役応援センターにおきまして、介護を知るための研修や介護の職場紹介、介護施設向け高齢者雇用の手引の配付等が行われております。
 なお、福岡市のシルバー人材センターにおいても、介護保険の生活支援型訪問サービス事業の指定を受け、会員によるサービスを実施しております。今後、福岡市といたしましても、市内の介護人材不足の実態を把握し、国や県と連携しながら必要な取り組みを検討してまいります。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 冒頭にも申しましたが、介護人材が2025年には34万人不足するということですので、外国人介護人材の受け入れについても、真剣に考えていかなければならないと思いますが、福岡市の現状をお聞きします。現在、何人の外国人が市内の介護施設で働いているのか、お尋ねします。
◯保健福祉局長(永渕英洋) 福岡市内の介護施設等における外国人介護人材の受け入れ状況につきましては、平成29年度に一部の施設を対象に調査を実施しておりますが、それによりますと、2割弱の施設で受け入れ実績がございました。これを受けて、改めて現在、全事業所向けにアンケート調査を実施しているところでございます。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) それでは、どういう外国人の方が介護職として日本で働くことができるのか、その条件をお尋ねします。
◯保健福祉局長(永渕英洋) 外国人が日本で介護職として働く方法といたしましては、現時点で大きく分けて3つございます。
 1つ目は、EPA、経済連携協定により、おおむね4年をめどに研修として就労する方法でございます。2国間の協定に基づくため、日本が協定を結んだ特定国でございますベトナム、インドネシア、フィリピンからの受け入れに限定されます。なお、介護福祉士国家試験に合格すれば、無期限で在留可能となります。
 2つ目は、留学生として入国し、学生として介護福祉士養成施設に通いながら、実習あるいはアルバイトとして就労する方法でございます。こちらも介護福祉士国家試験に合格すれば、無期限で在留可能となります。
 3つ目は、外国人技能実習制度により日本語能力を向上させながら、実習として就労する方法でございます。外国人技能実習制度は、開発途上国等への技術移転を目的とした制度であるため、技術習得後は帰国することが前提となっており、現状では最長5年まで在留可能でございます。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) これから外国人職員も必ず増加していくと思いますので、行政側としてもその準備が必要だというふうに思っております。
 それでは、また別件で、介護職には処遇改善加算の制度が発足し、給料に反映されていると聞いていますが、一体幾ら給料が上がったのか、お尋ねします。
◯保健福祉局長(永渕英洋) 平成28年度に介護職員処遇改善加算を取得した市内事業所におきましては、1人当たり月額で2万7,617円の増加となっております。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 次に、労働環境についてお尋ねします。
 今までは利用者の安全確保が最優先で、介護労働者の安全は二の次になっており、サポート体制が不十分だった傾向にあると思います。福祉施設における労働災害の主なものは腰痛と思いますが、今、腰痛による労災申請が急激に増加しているそうです。オーストラリアやイギリスでは、押さない、引かない、持ち上げない、ねじらない、運ばないという原則を発表し、ノーリフティングポリシーによる離職や労災の減少につながっているそうです。日本でも2013年に職場における腰痛予防対策指針を厚生労働省が発表したんですが、その中に人を抱える作業は原則、人力ではなく、福祉用具のリフトやロボットを使うように書いてあります。一方で、介護ロボットなど導入のおくれを感じていますが、導入が広がらない理由をお尋ねいたします。
◯保健福祉局長(永渕英洋) 介護ロボット等の導入が広がらない理由につきましては、平成28年度に介護ロボット等の導入に関し、事業所への補助を実施いたしましたが、導入事業所では装着に時間がかかる、使いにくいといった声が上がっており、導入が広がらない理由の一つと考えております。介護ロボット等の技術は日々進歩が著しいため、今後、福岡市として注目していきたいと考えております。
 各事業所における介護ロボットの導入状況、導入意向あるいは導入の際の課題につきましては、現在実施しております全事業所向けアンケートの中で実態を把握し、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 大阪府や北九州市では、一定の基準を満たし、すぐれた労働環境と処遇改善などを行った施設を表彰する制度があるそうです。こういうものがあれば、施設側も一定の目標ができ、それに向かって設備整備できやすく、結果、よい環境の中でよいサービス提供ができるのではないかと思います。福岡市でもすぐれた施設等を表彰する制度を考えてみてはどうでしょうか、お尋ねします。
◯保健福祉局長(永渕英洋) すぐれた施設に対する表彰制度など働きやすい労働環境や雇用管理制度の整備への支援は、介護人材の確保、定着だけではなく、介護の質の向上にも資する重要な取り組みであると考えておりますので、今後、積極的に検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) いろいろ述べてきましたが、それだけ今から緊急性がある介護人材不足だと私は思っています。福岡市もできるだけ早く何かできることから始めないと、高齢者施策を打つこともできなくなるのではと心配します。この4月から保健福祉局の中に主査ポストを設け、新たな取り組みを検討していると聞いております。今後の市としての積極的な取り組みを大いに期待して、この質問を終わります。
 次に、観光・MICEについて質問いたします。
 訪日外国人旅行者数について、国は明日の日本を支える観光ビジョンにおいて、2020年に4,000万人、2030年には6,000万人の目標を掲げております。古来よりアジアとの交流の窓口であった福岡市にとっても、観光・MICEによる交流人口の増大は、市のさらなる発展に不可欠であると考えます。このような中、福岡市議会の議員有志で観光・MICEの振興を目指し、議員提案条例の検討を始めたところでございます。
 そこで、福岡市の観光・MICEの現状についてお尋ねします。
 福岡市への入り込み観光客数、入り込み観光客に占める宿泊客数、福岡市内における国際会議の開催件数、福岡空港及び博多港からの外国人入国者数、あわせて市内におけるホテルの稼働率について、福岡観光・集客戦略策定前と現在を比較するとどのようになっているのか、お尋ねいたします。
◯経済観光文化局長(高島 収) 観光・MICEの現状につきましては、福岡観光・集客戦略の策定前である平成24年と比べますと、平成28年の入り込み観光客数は約18%増の2,050万人、平成28年の入り込み観光客に占める宿泊客数は39%増の727万人、平成28年の国際会議開催件数は約52%増の383件、平成29年の外国人入国者数は約265%増の298万3,000人、最後に平成29年のホテルの客室稼働率は11ポイント増の84%となっております。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 観光・MICEの状況は好調のようですが、示された実績を踏まえ、観光・MICEの振興がもたらす経済効果等をどのように評価しているのか、お尋ねします。また、福岡市にとっての観光・MICEの重要性をどのように認識しているのか、当局の所見をお尋ねします。
◯経済観光文化局長(高島 収) 観光・MICEの振興がもたらす経済効果につきましては、平成29年度に推計した経済波及効果は、観光戦略策定時と比較して約14%増の5,320億円であり、観光集客による経済効果が拡大しているものと認識しております。また、平成27年度に推計したコンベンションゾーン4施設でのMICEの経済波及効果は990億円となっております。このように、第3次産業が9割を占める産業構造の福岡市においては、来訪者をふやし、消費をふやすことが経済の活性化につながることから、重要施策として観光・MICEの振興に取り組んでおります。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 福岡観光・集客戦略に基づいたこれまでの福岡市の観光・MICEに関する主な取り組みについて、概略をお尋ねします。また、観光・MICEに関する過去3年間の当初予算額の推移及びその予算額に占める市費割合についてお尋ねいたします。
◯経済観光文化局長(高島 収) 観光・MICEに関する主な取り組みにつきましては、海外への積極的な福岡ブランドの発信や多彩なクルーズ船の誘致のほか、外国人観光客の受け入れ環境の充実や歴史、文化、自然などの地域資源を生かした魅力づくりに取り組むとともに、戦略的なMICE誘致や施設整備に取り組んでおります。
 観光・MICEに関する過去3年間の予算額と、国の予算等も入っておりますので、その予算額に占める市費の割合をそれぞれ申し上げますと、平成28年度は約23億6,000万円で市費の割合は約91%、平成29年度は約22億5,000万円で市費の割合は約90%、平成30年度は約22億1,000万円で市費の割合は約90%となっております。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 観光・MICEに関する予算額は近年減少を続けているとのことでありますが、福岡市における観光・MICEの重要性に鑑みると、限られた財源の中ではありますが、これでいいのかどうなのかという思いがございます。例えば、多言語化で観光案内表示や公衆トイレの増設、洋式化など、具体的に取り組まなければならない事項はまだまだ多数あると考えております。外国人入国者の増加など観光・MICEによる交流人口が拡大することで、これに伴う新たな課題も指摘されておりますが、福岡市における課題認識についてお尋ねいたします。
◯経済観光文化局長(高島 収) 観光・MICEの新たな課題につきましては、外国人観光客の増加への対応が喫緊の課題と考えております。多言語対応を初め、歴史、文化などに対する外国人観光客のニーズの高まりに対応するとともに、キャッシュレス化やIoT推進など市民にとっても便利で快適な受け入れ環境の充実を図る必要があると考えております。
 また、MICEにつきましては、国際会議の開催件数が8年連続、政令指定都市第1位を維持する中で、一層都市のプレゼンス向上につながる質の高いMICE誘致が課題だと考えております。そのため、ハイクオリティーホテルなど受け入れ環境や誘致体制の強化が必要と考えております。さらに観光・MICE産業は裾野が広く、成長産業として期待される一方で人材不足が生じており、企業の生産性向上、人材の確保や育成が大きな課題であると認識しております。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) あすの6月15日に住宅宿泊事業法の施行及び旅館業法の改正が行われますが、福岡市において民泊に供されている施設数はどれぐらいあり、そのうち、現在旅館業法の許可を受けるなど適正に民泊を営んでいる施設はどのくらいあるのでしょうか。あわせて、今回の法施行に当たっての福岡市の取り組みと今後の課題についてお尋ねいたします。
◯保健福祉局長(永渕英洋) 民泊に供されている施設数につきましては、住宅宿泊事業法施行前に詳細な実態を把握することは困難でございますが、アメリカの大手民泊仲介サイトに掲載されている施設数を集計しているサイトによりますと、福岡市内の掲載施設件数は、平成30年6月8日時点で773件となっており、過去2,000件を超えていた掲載施設件数は大幅に減少しております。
 次に、旅館業許可を取得するなど適正に民泊を営業している施設数につきましては、平成28年12月に改正施行した福岡市旅館業法施行条例により新たな施設基準によって許可を取得した簡易宿所は、平成30年6月8日時点で156件、409室となっております。また、新たに施行される住宅宿泊事業法に基づき届け出を提出している民泊施設数は、平成30年6月8日時点で99件となっており、許可取得等を行っている適正な民泊施設は計500室を超え、増加傾向にございます。
 次に、住宅宿泊事業法及び改正された旅館業法の施行に向けた福岡市の取り組みとしましては、博多区及び中央区の環境衛生監視員を1名ずつ増員するとともに、福岡県警、福岡県、九州地方整備局などの関係機関と連絡会議を開催するなど宿泊施設の監視指導体制の充実を図っております。また、市民、事業者への法制度の周知として、市政だより、リーフレットなどを活用した広報に取り組んでおります。
 最後に、今後の民泊に関する課題としましては、住宅宿泊事業法の趣旨である健全な民泊の推進の着実な実施と考えておりまして、課題解決に向けて、違法民泊に対し、引き続き法令遵守の徹底を図ってまいります。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 今、経済観光文化局長や保健福祉局長から挙げられた課題は、いずれも対策を急ぐべきであり、さらなる観光・MICEの振興や課題解決に向けては、社会保障関係費など硬直的な経費に影響されない安定的な観光財源の確保が必要ではないかと考えます。こうした新たな財源の確保は、観光振興に力を入れている自治体においても共通の課題であると考えますが、他の自治体における法定外目的税である、いわゆる宿泊税の導入状況についてお尋ねいたします。あわせて、わかる範囲でこれらの自治体における宿泊税の税収及び徴税費用の額またはこれらの見込み額についてお尋ねいたします。
◯財政局長(則松和哉) 他の自治体における、いわゆる宿泊税の導入状況でございますが、総務省の資料等によりますと、東京都が平成14年10月から、大阪府が平成29年1月から導入しており、京都市が平成30年10月から、金沢市が平成31年4月からそれぞれ導入予定であるとされております。
 次に、他の自治体における宿泊税の税収額及びその徴税費用額でございますが、まず、東京都におきましては、平成28年度決算額で税収額が約22.2億円とされております。
 次に、大阪府につきましては、平年度ベースで税収額が約10.9億円、徴税費用額が約0.7億円と見込まれております。また、京都市につきましては、平年度ベースで税収額が約45.6億円、徴税費用額が約1.4億円と見込まれております。なお、東京都の徴税費用額並びに金沢市の税収額及び徴税費用額につきましては、公表されたものを把握しておりません。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 他の自治体におきましては、宿泊税が貴重な観光振興等の独自財源となっているということではないかと考えます。2020年の東京オリンピック・パラリンピックが迫るなど観光・MICEを取り巻く環境は刻々と変化しており、限られた予算の中でもこれらに速やかに対応する必要があります。そのためにも新たな財源確保も含め、さらなる観光・MICEの振興に今すぐ着手すべきであると思われます。
 今回、福岡市議会の議員有志で、観光・MICEの振興を目指し、議員提案条例の検討を開始したところであり、福岡市のさらなる発展に向けて、真剣にかつスピーディーに検討していきたいと考えております。
 最後に、障がいの重い子どもの保育について質問いたします。
 近年の少子化に対して、我々市民は生まれてくる子どもたち一人一人を大切に育てていかなければならないと私は思っています。その子どもたちの中には、障がいを持って生まれてくることもあります。障がいを持つということは、市民どなたにでもあり得ることです。私の場合を考えますと、娘がおりますが、将来結婚し、子ども、私の孫になりますが、障がいを持って生まれることもあり得ます。何度も言いますが、市民全ての方が障がいと関係することは当然なんです。ですから、我々はたとえ障がいを持ったとしても、安心して生活できる社会をつくり出していかなければならないと強く感じています。そんな中、近年、働く女性の力も重要視され、これからの経済発展に必要不可欠であることから、保育に関して安心して全ての子どもを預けられる社会づくりがとても大切です。
 そこで、現在、福岡市において、小学校就学前の障がい児が利用できる施設についてどのような状況なのか、お尋ねいたします。
◯こども未来局長(小野田勝則) 小学校就学前の障がい児が利用できる施設につきましては、まず、通所により障がい児への日常生活の動作指導や知識、技能の付与、集団生活への適応訓練等の専門的な療育を行う児童発達支援センターが分園を含めまして13カ所あり、定員合計は500人となっております。
 次に、主として重度の知的障がいと重度の肢体不自由の重複障がい児を受け入れ、専門的な機能訓練等を行う児童発達支援事業所が2カ所あり、定員合計は10人となっております。
 保育を提供する施設につきましては、全ての保育施設等で障がい児保育を実施することとしており、平成30年4月1日時点で386施設中168施設で411人の障がい児を受け入れております。
 幼稚園につきましては、平成29年5月1日基準日の数字となりますが、126園中89園で454人の障がい児を受け入れております。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 多くの保護者と子どもたちが施設を利用できているように感じますが、では、福岡市においては、親が就労している場合の療育についてどのような状況にあるのか、お尋ねいたします。
◯こども未来局長(小野田勝則) 福岡市では、市内3カ所の療育センター等において、障がいの疑いのある段階から保護者の相談に応じるとともに、医学的診断に基づき、障がいの程度やその特性に応じた療育内容を提供しているところであります。保護者が就労している場合は保育施設等を利用することとなりますが、その場合においても、専門的な療育を提供することは必要であることから、療育センター等の保育士や理学療法士などが障がいのある子どもが通う保育施設等を訪問し、専門的見地から職員に指導、助言等を行う訪問支援事業を実施するとともに、療育センター等での外来による診療や、平成28年度からは児童発達支援センターの分園における並行通園を行っているところでございます。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 療育を受けながら保育所などに通うこともできますが、特に障がいが重い子どもについては対応ができていない部分もあります。保護者の就労と療育の両立を進める上では保育環境の確保が重要と考えますが、福岡市が実施している障がい児保育制度の目的、そして、入所するまでの手続はどのようになっているのか、お尋ねいたします。
◯こども未来局長(小野田勝則) 障がい児保育制度は、障がいや発達のおくれがある子どもと他の子どもが集団の中で一緒に生き生きと生活し、ともに育ち合い、豊かな人生を培うことを目的としております。
 手続につきましては、まず、制度に申し込むかを保育施設等が保護者と話し合い、その中で状況に応じて申し込みを勧めております。制度への申し込みがありましたら、障がいの程度に応じた保育が受けられるように、療育機関での診察や検査を経て、学識経験者等で構成する福岡市障がい児保育指導委員会において、食事や排せつなどの生活習慣、言語や運動の発達状況、病気の状況などについて協議され、市はその協議結果を踏まえて、障がいやかかわりの程度を判定いたします。その後、通常の利用調整を経て入所が決定しますが、入所後は障がいの程度に応じた保育が提供できるよう保育施設等に対して支援や助成を行っております。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) それでは、福岡市は障がい児を受け入れている保育施設等に対してどのような支援や助成を行っているのか、お尋ねいたします。
◯こども未来局長(小野田勝則) 障がい児保育を実施している保育施設等に対しては、適切な保育ができる体制をとるため、障がいの程度に応じて保育士の加配に係る雇用費の助成を行っております。また、療育等に関する業務を委託している社会福祉事業団の保育士が保育施設等を訪問し、障がい児へのかかわり方などの助言や指導を行うとともに、障がい児や保護者への支援のあり方などについて研修を実施しております。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 平成30年度、障がい児保育の入所申し込み状況についてお尋ねいたします。
◯こども未来局長(小野田勝則) 平成30年度の障がい児保育の申し込みにつきましては、年度当初時点で453人の申し込みがあっております。このうち、通常の保育での対応が可能なため、障がい児保育の対象外となった子どもや市外へ転居した子どもなどを除く438人のうち、保育施設等への入所が411人、入所保留や療育施設等の利用が27人となっております。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 市は障がいやかかわりの程度について判定を行っていますが、判定結果について程度ごとの内訳をお尋ねいたします。
◯こども未来局長(小野田勝則) 平成30年度当初の入所に係る判定結果でございますが、判定は5段階としており、通常の保育の中で対応が可能なため、障がい児保育としては対象外となった子どもが11人、日常生活、集団活動において個別の配慮や介助をどれだけ必要とするかの判定が、軽度が283人、中度が125人、中度より重いが27人、障がいの程度など子どもの状況から常時1対1の対応を要する集団保育困難が7人となっております。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 集団保育困難と判定された子どもはふえているのか、直近3年間の状況をお尋ねいたします。
◯こども未来局長(小野田勝則) 集団保育困難と判定された子どもの推移につきましては、各年度の当初で申し上げますと、平成28年度は7人、29年度は5人、30年度は7人となっております。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 大体横ばいのように感じますが、では、集団保育困難と判定された児童は保育施設等を利用できていないのか、お尋ねいたします。
◯こども未来局長(小野田勝則) 集団保育困難と判定された子どもについては、保護者と保育施設等が主治医や療育機関の意見を踏まえて協議を行い、受け入れ体制が整い、安全な保育が実施できると判断した場合は保育施設等で受け入れを行っております。平成30年度当初時点では、集団保育困難と判定された子ども7人のうち、3人が保育施設等を利用しております。以上でございます。
◯40番(浜崎太郎) 障がいがある場合でも、約400人の児童は保育施設等を利用できていますが、障がいの程度が重い子どものうち4人は保育施設を利用できていません。受け入れるかどうかを保育施設等の設置者に委ねるのではなく、市として、障がいの程度が重い子どもが保育を受けることができる仕組みをつくるべきは当然のことと感じます。しかしながら、もう長い期間、解決していない問題です。3月に質問いたしました医療的ケアの必要な子どもたちの入所についても、随分前から長い間、保護者の方々からお願いをされています。少子・高齢化により労働人口の減少など社会情勢の変化も踏まえて、我々は誰もが安心して子どもを生み育てられ、社会参加ができるよう、障がいが重い子どもの保育について、新たな体制の構築に向けて早急に取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
◯こども未来局長(小野田勝則) 子どもたちが障がいの程度に応じて適切な環境のもと、安全に教育、保育を受け、集団の中で健全に成長していくことは重要であると考えております。しかしながら、障がいの程度が重い子どもの中には随時医師のサポートや看護師のサポートを要する場合もあり、保育施設等において安全に教育、保育を提供するためには、専門的な人材の確保や医療機関との連携、緊急時の対応など想定されるさまざまな課題と向き合い、解決する必要がございます。議員御提案の保育体制の充実については、今後しっかり検討してまいりたいと考えております。以上でございます。





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